式典の後、ルオン・クオン国家主席とアブデル・ファッターフ・エル=シーシー大統領は、非公式会談を行った後、両国の高官代表団と共に公式会談を行いました。この機に、両国の指導者は、ベトナムとエジプトの二国間関係を「包括的なパートナーシップ」に格上げすることを告げる共同声明を発表しました。
会談では、ルオン・クオン国家主席とアブデル・ファッターフ・エル=シーシー大統領は、政治的信頼をさらに深め、貿易と投資の協力を強化するための画期的な措置を実施することで一致しました。また、イノベーション、科学技術、グリーントランスフォーメーション、デジタルトランスフォーメーションなど新たな分野での協力拡大でも同意しました。
ルオン・クオン国家主席は、エジプトが関心を持つ一部の商品に市場を開放することに賛成する意向を示し、エジプト側に対し、ベトナム製品の市場アクセスに有利な条件を作り出すよう求めました。また、両国の関連機関は、この方針を実現するために、国際的な慣行に従って手続きを早急に調整することを確認しました。
シーシー大統領は、ベトナム企業と製品が中東・アフリカ市場にアクセスするための橋渡しになる準備ができていると強調し、新たな二国間貿易協力枠組みの設立についての協議を行うことで合意しました。この協力により、今後の貿易額の増加が期待されています。
さらに、ベトナムとエジプトの間で自由貿易協定(FTA)の交渉可能性を探るため、作業部会を設立することに同意し、教育協力、草の根交流、観光促進、文化交流の強化を進めることを確認しました。
ルオン・クオン国家主席は、ハラール産業、農業、国際関係などの新しい分野での学生交流を拡大し、ベトナムの文化遺産の保護・継承や観光資源の開発に関する知見を共有するようエジプトに求めました。また、エジプト在住ベトナム人コミュニティの安定的な生活と学習・仕事環境の整備を要請しました。
地域及び国際問題に関して、ルオン・クオン国家主席は、エジプトが地域の紛争解決において仲介者として果たす役割を高く評価しました。エジプト大統領は、パレスチナ人民の正当な闘争に対するベトナムの立場を歓迎し、持続可能で長期的な中東の平和を達成するためには、「二国家共存」という解決策を推進することが重要であると認識しました。
ベトナム東部海域(南シナ海)問題に関して、両国の指導者は、国際法、国連憲章および1982年国連海洋法条約(UNCLOS)に基づいて平和的手段で紛争を解決することを支持し、同海域における平和、安全、海上・上空の自由航行を確保するために努力することを再確認しました。
会談後、ルオン・クオン国家主席とシーシー大統領は、重要な協力文書の調印式に立ち会いました。その中には、ベトナム商工省とエジプト計画・経済開発・国際協力省の経済協力に関する覚書、ベトナム内務省とエジプト地方開発省の地方開発に関する協力覚書が含まれています。
(VOVWORLD)