ナン・マ集落にある築300年以上の大きくて古い家はシン・マン(ハ・ザン省)のヌン族の小さくて単純な家とは形が異なります。この地の伝統的文化が濃い生活リズムは訪れた人々に多くの感情をもたらします。
ナン・マ集落の中心から約3キロメートル離れたこの大きな古い家は「トーチカ」の形をしています。山に背を向けて、家は南向きで、曲がりくねった段々畑がある谷を見下ろしています。まっ黄色の家は古い土壁の時代の色です。高原の民族の伝統的な建築材料から作られた家は手付かずの素朴な美しさがあり、印象的です。
上からの家の全景。 リー家の子供たちがよく遊ぶ古い家の中庭。 居間の戸枠に飾られる季節の祈祷式のお米の花。
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現在、ここはリー家のいとこ、二家族が住み、家は300年以上前のものだそうです。「トーチカ」の家の大きくて記念碑のような規模は彼らの祖先が昔強力で裕福な人々であったという証拠です。上から見ると、家には三つ大きなブロックがあります。前面に0,5メートルの厚さの土壁が建てられていて、最大数百平方メートルの面積を持つ正方形の頑丈な「トーチカ」を形成しています。周囲の土壁には防御をするための穴の痕跡があります。高地のヌン族は戦争や強盗から守るためにこの形式の家を建てました。
古い家のベランダの柱にある時間の痕跡。 陰と陽のタイルで覆われた家。 |
家の床はハンマーで彫って切り取った緑色の石でできていて、フレーム、柱、チーク材のトラスの土台を作るためにきっちりと配置されています。家の壁は50センチ以上の厚さの粘土で、木槌を使って土を叩き、そして圧縮して固い壁を作ります。300年以上前に建てられましたが、家はリー家の多くの世代が受け継ぎ、非常に慎重に保管されています。家の壁、柱、トラス、木製の仕切りはまだしっかりしています。多くの建築模様、木や石の装飾彫刻はまだはっきり残っています。現在、部屋は元の部屋とは異なる機能を持つように変更されていますが、このユニークな「トーチカ」の家はまだ全体的にかなり無傷のまま保存されています。
ここに住む女性たちが縫った伝統的な衣装を着たリー家の世代。 今でも毎日リネンと染料の生地を織るこの家族の女性たち。 まだはっきりと残っている古い家の居間の窓の彫刻。 |
さらに古い家を訪ね、伝統的なヌン族の独特な生活空間に足を踏み入れました。古い家の所有者の子孫は先祖が昔住むことを選んだ土地に今でも家を引き継いでいます。居間の木製のドア枠のすぐ上には一年中頭上に置かれている稲の枝があり、時間の経過とともに黒くて固い石のようになっています。これらはヌン族の最も重要な儀式である収穫祭の神聖な米の枝です。台所の隣の部屋には麻を織る道具や染められた布があります。この家族の女性たちは今でも亜麻を育て、織り、染め、そして人目を引く藍の伝統衣装を毎日縫っています。
そしてもっと幸運なことはもし祭日に家を訪れるたら、とても親切な家の主人から家族の宴会に招待されます。そして間違いなく無限のスリの歌に引き込まれます。単純でありながら非常に魅力的なヌン族の民謡は歴史に満ちた生活空間にあなたを引き留めるでしょう。
文、撮影:ヴィエット・クオン/ベトナムフォトジャーナル
文、撮影:ヴィエット・クオン/ベトナムフォトジャーナル