全国文化会議にスピーチをするグエン・フー・チョン書記長。撮影:チー・ズン(Tri Dung)-ベトナム通信社 |
御来賓の皆様
御列席の皆様
本日、「千年の山と川の魂の結合地、民族の文化、文明の集合、結晶、輝きの場、人の良知、品位の主都、平和の都市、豪華且つエレガントな文明的・英雄的都市である」ハノイ首都では、文化に関する第13回党大会決議実施のために全国文化会議を盛大に開催しました。様々な面で意義深いイベントであり、本会議の御出席を嬉しく思い、楽しみにしていました。このようにお話しした理由が3点あります。
―文化の重要な地位と役割:文化が民族の魂と骨であり、民族のアイデンティティーを示します。文化が残ったら、民族も残るなど
―75年(1946年11月24日から)ぶりに本日このような大規模な全国文化会議を開催されました。
―党大会、国会、政府、戦線、内政部門等の会議後開幕され、そして今後対外会議と党の建設・整頓会議が私がよく申し上げた前呼后拥、一呼百諾、上下同心、縦横無尽という精神に基づいて、開催されます。
初めに、御来賓、御列席の皆様に心より宜しくお伝え、親愛なる挨拶、最良の祝辞の言葉をお届けします。本会議の成功をお祈りします。
同士の皆様
御承知の通り、文化というのは、広範的な範疇であり、豊富で多様なアプローチにより、様々な面から理解できます。世界で文化に関する定義が200くらいもあります。一般に分けると、広い意義と狭い意義で理解すればいいです。広義で一定の歴史時期(石器時代、銅器時代など、ドンソン文化、水田文化など)の人類の精神と物質の発展水準です。狭義で教育、科学、文学、芸術、道徳(ライフスタイル、行儀、人と人との接し方など)を含む社会の精神活動です。文化も(歴史遺跡、文化施設、文化遺産、ピラミッド、神社、寺院などの文化財)有形文化と(フォーク、民謡、歌い、お祭り、国・地域・民族・地方の風習、習慣など)無形文化を含みます。ここで議論している文化は、狭義によるものです。
広義と協議を問わずに、文化というのは、最もエレガントで純粋なものであり、蒸留・結晶・栽培により、良好・崇高・独特、人文的・仁愛的・仁義的・人情的・進歩的な価値(文化ある国民・家族・民族、文化的ライフスタイル、文化的生き方、文化的行儀など)になります。不正・不名誉で下品なこと、違法で卑劣な行為が無文化的、非文化的、反文化的です。人の幸福は、お金と財産を沢山持ち、美味しいものを食べ、奇麗な洋服を着たりするだけでなく、裕福な心を持ち、愛と仁愛に囲まれ、公正と平等に生きて行くことです。
ベトナムは、4千年以上の歴史を持ち、自然と人により、数え切れないほど多くの変化を経て、民族の価値と独特な文化アイデンティティーを貯蓄・創出・発揮し、民族の魂と骨を作り出すと同時に、人類の文化を吸収し、人類の共通の文化に貢献します。我が国、我が民族の発展のための文化の地位、役割、意義、重要性を深く理解しているので、1930年の最初の党政治綱領で民族の文化の発展を言及し、まだ独立されていない1943年に「ベトナム文化要領」を定め、「文化戦線も三戦線(政治、経済、文化)の1つである」と明記し、文化を民族・科学・大衆の3方向性に発展させることを主張しています。この重要な文献にある党の観点と思想が認識、思想と組織を統一し、文化の役割を発揮し、有職者、文化人、国民を集合するための新たな原動力を作り出し、民族独立抗戦に民族の渇望を燃え立たせて、8月革命の成功のための精神とリソースとなり、1945年に東南アジアの初の労働者・農民の国家であるベトナム民主共和国を設立しました。
9年間にわたるフランス軍との抗戦では「抗戦文化化、文化抗戦化」、「新ライフスタイルの構築」のスローガンの下、ベトナム文化が、抗戦のためのあらゆるリソース動員の精神的動力になり、「五大洲で良く知られて、地球を震えた」1954年のディエン・ビエン・フー勝利に大きく貢献しています。
ディエン・ビエン・フーの歴史的勝利の後、我が国は、北部での社会主義建設と国家統一抗戦の2つの戦略的任務の実施を集中しています。党は、文化について常に関心を払い、新たな文化、新たな人のつくりと発展においての文化人と関係者が役割を発揮するよう鼓舞しています。1960年の第3回党全国代表大会では、文化に関する社会主義革命の目標を確定し、国民の物質的且つ精神的な生活を弛まなく向上し、社会主義革命を奉仕し、先進的且つ切実な文化作りにこの認識を活用しました。我が党は、文芸、報道、出版、放送、映画、図書、保存博物館の発展事業、これらの思想性、戦力性、大衆性の向上を強調しました。同時に、我が党も大衆文化に特別の関心を払い、現場での文化の活動と制度の整備、知識向上、新たな文化スタイル建設、古い習慣とライフスタイルの改造、新たな習慣とライフスタイルを建設しました。
1960年から1975年までの間の党のリーダーシップがベトナム文化の役割発揮に貢献し、建国と抗戦の任務を全うし、全国民の文化関係者を動員し、抗米・救国戦争に参加させ、1975年の春の大勝を収め、祖国を統一し、国土を一元に集めました。「全てを犠牲にしても国家を守り、奴隷を断固たる反対します。独立自由ほど、尊いものは何もない。」、「ベトナム国家が1つであり、ベトナム民族が1つです。川が乾いていても、山が風化していても、この真理が末永く変わりません。」とのホー・チー・ミン国家主席の実質的かつ深い言葉がベトナム国民一人一人の神聖な生き方とベトナム文化の神聖な魂と骨となっています。「敵が来たら、女の子でも戦います」、強いては、「ベルトだけ残っていても、戦います」(ウット・ティック姉)。同時に、「敵を土に遣っ付けたら、銃と剣を捨て、優しい子の通りに戻ります」。
第4回党全国大会では、抗米救国戦争事業においてベトナムの文化、文学芸術の貢献を極めて高く評価し、我が国の文化、文学芸術が「この時代の全世界の帝国・封建主義の戦いの文化、文学芸術の先導に立っている」と確認しました。敬愛なるホー・チ・ミン主席は、天才な指導者、ベトナム革命の偉大な先生、国際共産と労働運動の立派な兵士であるだけでなく、「世界文化名人」(グエン・ズ氏、グエン・チャイ氏、チュー・ヴァン・アン氏、そして、昨日からグエン・ディン・チエウ氏、ホー・スアン・フオン氏)に認定された傑出した文化人でもあります。
1975年から1985年までの間では、戦争から平和へ切り替え、我が国は、戦争の様々な被害を克服し、損害した経済、文化、教育の施設を再開し、全国で文化の制度と法を統一しました。全国の同胞は、喜びを共有し、苦しみを分かち合い、その時代の社会経済危機と複雑な国際情勢による挑戦を乗り越える為に、党の指導を絶対確信しています。
1986年からドイモイ時代に入り現在に至るまで、党のリーダーシップの下、経済、政治から文化、社会、安全保障、防衛、外交に至るまで、社会生活のあらゆる分野で同期的かつ包括的な刷新を行ってきました。文化の分野では、党は新しい時代の文化の構築と発展に焦点を当てるために、多くの重要な決議、決定、および指示を行ってきました。ドイモイ時代初期の文化分野での成果をまとめた上で、党は、1998年に第4回第7期中央委員会決議、そして特に民族色豊かな先進的ベトナム文化の構築と発展に関する1998年の第5回第8期中央委員会決議を発布しました。
全国文化会議にスピーチをするグエン・フー・チョン書記長。撮影:チー・ズン(Tri Dung)-ベトナム通信社 |
これらは、国の工業化近代化を加速する時代におけるベトナム文化の発展に関する戦略的意味を持つ決議です。我が党は集中的に指導するべき8つの分野を選択し、その中で最も重要なのは人の育成、特に思想、道徳、ライフスタイルの構築及び健全な文化的環境の構築です。1991年の社会主義への移行期における国家建設綱領及び(2011年に補足および発展させた)綱領において、我が党は、民族色豊かな先進的ベトナム文化の構築と発展が社会主義体制の基本的な特徴の1つであることを確定しました。(2011年に補足および発展させた)綱領は、豊かな民族色、包括的な開発、多様性の統一、人文的精神、民主主義、進歩に満ちた先進的なベトナム文化の構築し、文化を社会生活全体に密接に結びつけ、深く浸透させ、強固な精神的基盤、発展のための重要な内因性の力に変えると明記しました。これに続いて、ベトナムの文化と人々の構築と発展に関する、国の持続可能な開発の要件を満たす2014年第11回第9期中央執行委員会会議の33号決議です。この決議において、我が党は、第5回第8期中央委員会の決議に挙げた観点、任務を引き続き確認すると同時に、いくつかの新しい問題を追加・強調し、文化の目標、役割、任務を確認しました。共通の目標に関して、我が党は、民族精神、人文、民主、科学に満ちた真・善・美を目指して、文化を社会の強固な精神的基盤、重要な内因性の力にし、豊かな国民、強い国、公平・民主・文明社会という目標のため、持続可能な開発及び祖国保全をを確保する包括的に発展したベトナム文化を構築していくと明記しました。我が党は、文化は経済、政治、社会と対等な立場に置かれなければならないことを強調し、民族色豊かな先進的ベトナム文化の特徴は民族性、人文、民主、科学であると明らかにし、文化構築の焦点は、優れた性格とライフスタイルを持つ人々を構築することを強調しました。この決議に、我が党は、政治と経済の文化構築、文化産業を発展させ、文化市場を充実させるという新しい任務を確定しました。第12回政治局は、国の持続可能な開発の要件を満たすためベトナムの文化及び人材の構築と発展に関する第11回党中央委員会の33号-NQ / TW決議の実施を継続することについて、76-KL / TW号結論を発行しました。
このように簡潔に振り返る目的は、我が党は設立以来、文化の役割を常に重視し、民族解放戦争と国造り事業、特に社会主義への移行期における文化構築に極めて関心を払ってきました。党の文化に対する認識はますます包括的で、完全で、深遠です。党は文化が社会の精神的基盤であり、目標であると同時に内因性の力であり、国の発展のための重要な原動力でもあり、経済成長と社会進歩との同期的で調和のとれた文化発展はベトナムの社会主義を構築するプロセスの基本的な方向性であると確定し、我が体制の優位性を示しています。ホー叔父さんは「文化は国民を導く」!と簡潔に奥深く述べました。我々が築き上げていく文化は民族の独立と社会主義を中核とした民族色豊かな先進的文化であり、マルクス・レーニン主義とホー・チ・ミン思想が社会の生活精神に主導的役割を担い、民族の優れた伝統文化を継承しながら世界文化の精髄と成果を選別した上で吸収し、正当な利益と高い知性、道徳、体力、ライフスタイルと審美眼を高めた文明的かつ健全な社会を構築する尽力を惜しまない民族色豊かな先進的文化です。同時に我が党は、人間こそ発展戦略の中心的な役割を果たす主体であるため、文化の発展と人の育成は刷新事業の目標かつ原動力であり、教育訓練・科学技術の発展は最優先の国策とし、環境保全は生存に関わる問題で持続的な発展の基準であり、進歩幸せな家庭を社会の健全な細胞とし、ジェンダー平等の実現は進歩かつ文明的な社会の評価基準であることを確認しました。
我が党は文化の構築と発展の重点は人格のある人づくりと健全な文化環境を作ることであり、文化と政治、文化と経済の相互関係を重視し、党、政治体制の文化、公務員文化、公務の文化、特に公務の道徳、公務員および党員の模範を重視することを確認しました。その中で我が党が指導、国家が管理、そして国民が創造主体、有識者や文化人が重要な役割を持つことこそが文化の構築と発展の主体であり、文化を発展させるために国家、社会をはじめとする国内外のあらゆるリソースを最大限に動員することを強調しました。
このように、ドイモイ時代における我が党の文化の構築、発展に関する認識は一歩一歩と確実に補助、発展され、日増しに充実、深化されてきます。これは我々が貫徹、実施するための基本的な前提であります。
ご来賓の皆様、
同志の皆様、
共産党の指導の下、特に35年間のドイモイ時代における文化の構築と発展の成果を振り返ると、救国事業及び建国事業に対する文化の多大な貢献を誇ることは十分できます。強調すべき成果は
あらゆる分野と形を通して文化に対する認識はより包括的深化となり、文化商品は日増しに豊富かつ多様化、社会の多面的な新しい要求(ニーズ)を満たしてきます。民族の伝統文化価値や文化遺産が継承、保護され、そして発展しています。また、政治・経済における文化も重視し始め、効率よくその役目を果たしています。文化産業と文化市場にも成果が現れました。文化の交流、協力、国際統合が新たなる一歩を踏み出しました。ベトナム人の人づくり事業が着実に政治経済戦略の中核に位置づけられてきます。不正、悪、時代遅れなものなどと闘い、批判、退去することや文化および社会生活に害を及ぼす間違った考え方と行為に反対することが重視されています。また、愛国運動や「全国民が団結し文化価値の高い生活を実現」運動などを通して、見習うべき多くの素晴しい手本を称賛することにより社会に差し響き、文化を構築する事業をはじめとする国造り事業に対する国民の信頼を固めています。
この場をお借りして、党と国家の指導者を代表しまして、これまで全党、全国民、全ての公務員、党員、特に有識者や文化人を含む文化の戦線に参加・尽力した皆様の多大なる貢献を熱烈に歓迎、祝福、称賛および心から感謝を申し上げます。
しかしながら、収められた成果と並びに我々は文化分野における限界、不具合、弱点、諸問題に直視し、原因を究明し、克服するための施策を見出さなければなりません。これまで長い間幾度も指摘された主な欠点、問題点としては、文化はまだ中央から地方自治体、各省庁等が政治および経済と同様に深く認識されず、十分配慮されない、国の持続的発展に繋がる原動力および内因性の力になっていません。人を育てるという点における文化の役割がまだ的確に認識されない、娯楽機能に傾く傾向にあります。また、文化コンテンツの発展は不均衡で表に頼り、実質的に深めていません。。ドイモイ偉業を反映でき、国の建設、人の育成などに積極的な影響を与えることのできる偉大な文化、文学、芸術作品に欠けています。文化の環境は今だ汚職賄賂、不正、社会的腐敗行為などに汚染されています。各地帯や地域ごとにおける文化享受に大きな差が見られ、山岳地帯、国境沿い、離島など遠隔地に暮らす人々や少数民族たちの文化生活には少なからず困難があります。民族の貴重な文化遺産が数多く劣化、衰退のリスクにさらされ、消滅の恐れもあります。その中で、指示、指導、管理体制・事業、特に文化分野に関する党の路線、方針および見解の制度化がおどおどしく、遅々として進まない状態が見られます。さらに適正な文化への投資ではなく幅広い分散によって効果の軽減に繋がってしまいがちです。新時代における文化発展のニーズを担う人材の質と量が確保できず、ベトナム文化を海外へ発信、紹介する活動がまだ乏しい上に人類の優れる文化の受け入れに限界があること、そして民族の特色、優れた文化価値を維持、保護、発揮させるための適切な配慮と積極的な施策が講じられていないこと、しばしば反感を買うようなどうしょうもなく、選別なしに他国を真似する行為(厳しく言えば、「無文化的」、「反文化的」)などもその例として挙げられます。
これらの不具合、問題点は党の決議および文献で繰り返し指摘されてきましたが、改善が遅れ、経済・社会の発展、人と文化環境の構築に消極的な影響を及ぼしています。
上記のような限界、欠点には主観的および客観的な原因により発生したものでありましたが、主観的な要因が主です。とりわけドイモイ時代に指導、管理事業に我々がまだ文化に関する党の路線を深く、十分かつ包括的に認識していません。文化の指導、管理方法の刷新が遅いゆえに、近代化・工業化および国際統合を進める時代における文化の発展と変動に即時に対応することができていません。また、文化に関する党の路線を制度化、実施するにあたり、敢然で、効率性が欠け、同調されていなくて、人事・幹部の面では不備が散見され、政治体制における党支部および各組織、公務員、党員の文化発展の指導・指示業務に対する責任感の意識がまだ高くないことの表れであります。したがって、今後、ベトナム文化のさらなる振興と発展のために我々はその原因を厳格に分析し、克服の方法を見出さなければなりません。
代表の皆様、同士の皆様、
今から2045年-ベトナム民主共和国(現在ベトナム社会主義共和国)建国100周年を記念する年までのビジョンに基づき、ベトナム文化は、今、新たなチャンスとともに新たなチャレンジも直面しています。
これまで35年間ドイモイ政策の収めた歴史的意義のある多大な成果は新たな勢と力となり、国家総合力と国際的信頼を強化すると共に、国民の信頼も高まり、祖国を建設・防衛、民族色豊かな先進的ベトナム文化を進歩・発展させていく重要な土台を固めて参りました。ですので、我々は我が国は、現在、かつてないほどの財力、潜在力、そして位置と国際的信頼を確立していると偉ぶらずに謙虚な心持ちで言えるでしょう。これは民族の誇りを強化し新時代におけるベトナム文化を刷新、振興させていく決意をさらに高めるのに極めて大きな利点となります。一方で、これまでの経済・社会の発展や文化を構築してきた過程の中で生じた不備や問題点も文化の発展を大いに妨げる壁となってしまいました。グロバール化をはじめとする国際競争の影響、そして文化、思想の競争が著しく、複雑化していくに違いありません。第4次工業革命、デジタルテクノロジー、デジタル社会、デジタル文化等の動向も文化の構築と発展に更なるチャンスと新たなチャレンジも与えます。それだけでなく、我々は気候変動、感染症のような様々な伝統的・非伝統的安全保障チャレンジに直面し、目先に新型コロナウイルス感染症への対応適応、コロナと共に生きながら国民の健康を保ち、経済社会の発展をどう実現させるのか、手腕が問われます。したがって、新たなチャンスとチャレンジを目の前に、我が国の革命の道のりには客観的な取り組みが求められます。それは、ベトナム文化が真に「精神の土台」「発展の原動力」「国民を導く」となるよう引き続き民族色豊かな先進的文化の構築、保護そして発展を導くことや文化価値およびベトナム人の強い底力を発揮させ、国の繁栄・発展を追い求める国民の渇望を喚起し、21世紀半ばまでに社会主義志向の先進国になるという目標の達成へ向けてチャンスを掴みながら試練を乗り越える事のできる全民族の総合的行動力を確保しなければなりません。
全国文化会議にスピーチをするグエン・フー・チョン書記長。撮影:ヴァン・ディエップ(Van Diep)-ベトナム通信社 |
文化発展は、第13回党大会の文献の中で中心的に注目された内容の一つであると言えます。なぜならば、大会の表題から総括的、具体的な目標、重点任務、戦略的突破口までこれほど文化について深く、全般的に言及したのは今回の党大会文献が初めてからであります。今回の党大会文献において、基軸的かつ一貫した主な指示の一つとして、「国民の愛国心、自強精神、豊かで繁栄、幸せな国への渇望を喚起する。全政治体制、ベトナムの文化、国民の力を発揮させ、民族の力と時代の力を結合させ、国内の力を最大限に発揮しながら外的な力をうまく活用すること、中でも内因性の力、特に人的リソースが最も重要である」と強調されました。
今後とも引き続き民族の文化を構築、保護、振興そして発展していくために我々は以下の重点任務を集中的に取り組まなければなりません。
第一に、全民族の愛国心、自強精神、大団結精神、豊かで繁栄、幸せな国への渇望を喚起し、文化価値およびベトナム全国民の力と貢献精神を発揮させ、第13回党大会が目指す2025年、2030年、2045年までの国家発展目標を達成するための内因性の力と突破力を作り出します。
第二に、ベトナム家庭の価値観、及び国家国民の文化的価値観の維持と発揮に連携する適切な価値標準を基づいて、刷新、開発、国際統合時代でのベトナム人を育成すると共に、愛国心、団結、自強、仁義、誠実、責任、規律、創造といった伝統的な価値観と現代的な価値観を巧みに組み合わせるべきです。これらの価値観は、豊富、幸福、進歩、文明といった核心の価値から成り立つベトナム家庭文化によって養成され、民族、民主、人文、科学の価値に基づいたベトナムの民族色豊かな先進的文化、または国家の価値観の基盤によって積み重ねられ、発展されています。これらの価値観は、平和、統一、独立、豊かな国民、強固な国、民主、公平、文明、幸福といった我が国の最重要な目標でもあります。
第三に、伝統的な文化価値の保護・発揮、人類の精華な文化の受け入れ、新たな文化価値創造の質と効率性の向上を中心に、文化、文化環境、文化生活の分野を包括的かつ均等に発展させるべきです。悪心、悪、非文化的、反文化的との妥協のない闘いながら、健全かつ文明的な文化環境を構築し、真・善・美の価値観を保護すべきです。国民の文化生活を改善し、健全かつ幸福で充実した文化生活を築き、各地帯、地域間の文化の享受と開発の格差を克服する必要があります。
第四に、文化の創造・享受の主体である国民の役割を発揮し、文化、国民、各民族及び各地域の多様性を尊重し、保護すると共に、広範かつ実質的な文化運動を発展させ、国民の文化享受水準を改善し、公平性を確保すべきです。有職者、芸能家、及び文化分野で活躍している人々の先駆的な役割を高め、発揮させる必要があります。
第五に、文化と道徳に関する党と政治体制の構築を重視し、ベトナム国民の良心と人格の象徴で真の道徳的かつ文明的な我が党と政治体制を築くため、汚職防止、腐敗との戦いは断固として実施すべきです。指導と管理での文化を構築し、ホーチミン主席の思想、道徳、文化スタイルに従う戦略的レベルの幹部と指導者を中心に、幹部と党員の模範的な役割を発揮させます。党の役割と指導力を高め、国家の効果的な管理、文化開発での祖国戦線と政治社会組織による積極的な参加を促進すべきです。
第六に、第4次産業革命の中、デジタル経済、デジタル社会及びデジタル市民に適した文化環境を構築し、文化を適応させ、国の持続可能な開発を促進します。文化産業を迅速に発展させ、健全な文化市場を築く必要があります。
上述の方向で文化開発と振興を図り、ベトナム国民を育成するため、今後以下の対策を決裂かつ効果的に実施すべきです。
第一に、社会主義志向市場経済、工業化、近代化、広範な国際統合時代における文化開発及びベトナム人の育成の要件を満たすため、文化分野における党の指導力と認識、及び国家管理の強化を継続すべきです。中央から地方までの文化開発・構築における思想と行動の統一を確保するため、党の指導方法及び国家の管理方法の刷新を継続します。各レベルの党委員会及び政権は文化に関する党の観点、指針を完全に貫徹し、それに基づいて、プログラムと行動計画を策定し、文化開発のための最大限のリソースを動員しなければなりません。経済のみに集中し、文化にはほとんど関心を払わないといった「経済唯一」の考えを克服します。「文化は経済、政治、社会と対等な立場に置かなければならない」といった観点を厳格に貫徹する必要があります。先般の第13回党大会は、今後我が国の全体的な開発戦略はドイモイ及び迅速で持続可能な発展を均等かつ包括的に促進すると共に、「経済発展は中心、党の建設は核心、文化開発は精神的な基盤、国防と安全保障の確保は常務で重要」等の任務を緊密的かつ包括的に実施すると定めました。これは非常に基本的な指導方針であり、各分野、各レベルの任務で厳格かつ決裂に実施されるべきです。
国家管理に関しては、党の方針、観点、主張を文化開発と人の育成に関する具体的かつ実行可能な政策と法的な枠組みに制度化するのが遅れているといった課題を早期に克服すべきです。中央から地方までの文化管理組織のリストラを促進します。文化、芸術活動の特殊性に配慮し、適切なメカニズムと政策を策定し、広布します。国家予算から合理的に投資額を増やすと共に、文化開発に向けた社会のリソース及び国内外の資源を動員すべきです。文化活動の多様化の過程で、純枠で健全的な思想、心、感情を養成し、社会の精神的な基盤の構築に貢献するため、国家は革命文化の主流への投資を重視する必要があります。
全国文化会議の模様。撮影:ヴァン・ディエップ-ベトナム通信社 |
第二に、新時代におけるベトナム文化発展の要件と任務に耐えるように、文化事業に直接に関わる幹部を養成し、その同時に中央と地方での文化事業で働いている幹部を恣意的に配置する状況を早期に克服すべきです。我が党は「幹部は全ての仕事の資源である」と繰り返し強調しています。文化管理と指導事業においては、政治的な人格だけではなく、専門的な知識、有職者、芸能人の理解、広範的な視野、あらゆる階層の国民が文化構築と開発に参加されるように説得力と求心力も要求されています。特に文化的、文学的、芸術的な仕事をしている有職者、芸能人の養成と育成を重視します。この人達は、文化事業ひいては革命事業において重要な役割を果たしています。ホーチミン主席は、「芸能人は高貴な任務を果たすため、革命的な道徳を鍛え、人民に奉仕する精神を高め、謙虚な態度を維持すると共に、群衆へ統合し、政治学習及び職業の専門知識を磨くべき」とかつて忠告しました。(ホーチミン全集、第十巻、647ページ)。芸能人及び文化分野で働いている人に対する優遇、雇用政策を改新します。彼らの才能と国の文化開発への貢献を称えます。地方での文化生活の向上を集中すると共に、ハイレベル文化の構築と開発にも重視し、文化、芸術の各形態における多くの優れた才能を育成し、国の偉大なドイモイ現状を明確に反映し、現在のベトナム人とベトナム文化の構築で積極的な意義のある作品を作成できるように務めるべきです。
第三に、時代の文化の精髄を吸収しながら、民族の文化価値、地方と少数民族、それぞれの有形文化と無形文化の価値の保存、修復、発揮に更なる配慮を払います。ベトナム文化の「ソフトパワー」を発展し、今後の国力の強化に貢献します。現在、全国に博物館数は166館で、国立博物館4館に300万を超える展示物が置いてあります。国家遺跡は3486場所、その中に歴史的遺産は1626場所、特別な国家遺産は105場所、国家無形文化遺産は288個(ハノイ市だけでは21のお祭り)、UNESCOが承認した「世界文化遺産」は有形文化財と無形文化財を合わせて27件があります(バクニン省のみで民謡クアンホとカーチューの二つの世界文化遺産があります)。このような貴重な財産は先祖が数千年を渡って残した財産であり、どこにもない財産です。我々は大切にし、保存し、発揮する責任を持っています。できない場合は、我々は歴史に罪を犯し、先祖の恩恵に踏みにじることになります。ホーチミン主席が逝去する前に伝達した言葉は「国を愛するには民謡を愛さないといけない」(チャン・ホアン作曲家の「去る前のおじさんの言葉」;「モスクワでベトナム中部の民謡を聴く」)。
第四に、健全な社会行動文化の建設、社会及び家族の風習、美化の良好な価値の発揮に注意し、団結・相互愛の精神・社会正義と論理への尊重を主張することです。「深紅のはちまきをしめ模範となり、1つの国の人が慈しみ合おう」、「ユウガオが傷つけば瓜もそうだ、それぞれ違うが同じ場所にいる」、「身内を愛するように人を憐れむ」、「健康な葉は破れた葉を覆う」、「少し破れた葉は多く破れた葉を覆う」、「1匹の馬が傷ついていれば、厩全部が草を食べない」、「年寄りを尊敬すれば長寿」、「高齢者を尊重したら、年を返してもらう」、「兄弟は手足のごとく」、「年寄りを尊敬し、年下の人に譲歩する 」、「自分の妻はぼろぼろな服を着ても愛し、他人の妻は錦の服を着ても無視する」、「夫婦協力すれば東海の水もくみ尽くせる」、「いい友達ができれば東海の水もくみ尽くせる」、「貧しくても気位を高く持って生きる」、「誠実は最善の策」、「師を敬い道を重んじる」、「挨拶の言葉は豪華な食べ物の盆より価値ある」、「名を買う時は高額だが、売る時は定額だ」)、「家族の習慣」と「素直な心」を守り(グエン・ビン詩人の1936年の作品)、忠誠心を保つこと(トー・フー詩人の1954年の「ヴィエット バク」作品)。公的の場、コミュニティー、サイバースペース、芸能界等において文明的行動範囲を建設することです。
不正、汚職撲滅の戦いに断固として戦い、文化産業及び文化産業機構においても政治思想・道徳・生活の退化を抗い、「自己主義」及び汚職・消極性・悪習を根本的に消滅していき、幹部・党員の模範になる規定を重視します。第11と第12期中央執行委員会第4回会議の決議、特に第13期中央執行委員会第4回会議の「党・政治システム全体の建設と整頓」に関する結論と決議を真剣に実施することです。
代表の皆様、同志の皆様、
本日の全国文化会議は、我々党・軍隊・国民の全て、そして全国の文化関係職人と有職者、芸能人がホーチミン主席の思想と党の路線・主張・観点、特に第13回党大会の「民族色豊かな先進的ベトナム文化の特色な文化価値を建設・維持・発揮」に関する観点を把握する機会です。我々は国の建設・保護事業における文化の役割、そして国を繁栄・幸福で、ドイモイ事業や民間の栄光ある千年の歴史と伝統に値するように発展させる渇望を実施するための文化の役割をより完全的かつ包括的に認識しましょう。
本日の会議後、我々の文化事業は変身し、より力強く効果的進歩をみせ、新世代におけるベトナム文化の発展・振興の道にマイルストーンを残すことを強く期待しております。私は信じることが、文献・才能を尊敬し、愛国・革命の伝統を持つ国及び国民であるからこそ、勤勉で、団結力かつ創造力が豊富な国民であるからこそ、国民・党・国家・国民の未来に責任を持ち、熱心で、才能を持つ有職者、芸能人であるからこそ、そして、政治システム全体の熱心的な取り組みであるからこそ、我々はあらゆる困難やチャレンジを乗り越え、確実に民族色豊かな先進的ベトナム文化を建設し、振興することができ、民族・祖先に光栄を与え、国の更なる繁栄と国民の更なる幸福を実現するための無比の力となり、千年の文献・伝統と英雄民族に値し、世界五大州の大国に肩を並べることができます。そうできれば、本日の会議は実質的かつ良好に成功し、有意義な会議であると言えます。
国家・党の指導者同志、代表の皆様、同志の皆様そして全国民に健勝、多幸と成功をお祈りします。
どうもありがとうございます。