ロー・ロー(Lo Lo)族の祖先を崇拝する習慣は長い間存在していました。それは、何世代にもわたって伝統を継承するための教育的意義を持つ美しくアイデンティティ豊かな風習です。他の多くの民族グループと同様にロー・ロー族の人々はすべてに魂があると信じており、死者と同じ血統を持つ生き物との縁や魂の存在を信じています。ロー・ロー族の人々のルーツへの敬意や親孝行の徳性が祖先崇拝の形成に大きく貢献しています。
ロー・ロー族の人々は祖先、祖父母、両親などが現在の生活を作り上げてくれただけでなく、祖先には村を守り、故郷を祝福し、村が豊かで幸せな生活を送れるようにした功績があると信じてます。
彼らの風習では家族が亡くなって三、四年後に家族の長男が先祖の祭壇を築き、祭壇に魂を捧げ、人形を立てて拝みます。先祖の祭壇は正面玄関の反対側の壁際に置かれています。その上には、先祖の霊を表す木製の人形があります。 ロー・ロー族の人々は毎年12月にいつも先祖に供え物をします。各家庭で供え物をすることができますが、村の神社で供物をする時には村のすべての家族が式典に参加し、一緒に執り行います。
ハー・ザン省、メオ・バック郡、メオ・バック町、サン・パー・ア村の長老ロー・シー・パオとロー・ロー族の家族が行う祖先崇拝の儀式。
生贄の儀式を行う前に、先祖への備え物を並べ直す長老。
村人に代わって、祖先の功績を偲んで線香をあげる長老ロー・シ・パオ。
特別な重要な機会に使用されるロー・ロー族の銅のゴング。
村の誰もが先祖の祭壇の前に立ち、長老が先祖崇拝の儀式で行なって先祖を見送る儀式。
先祖代々の祭壇の前での礼拝の後、ロー・ロー族の踊りや歌に参加する村人たち。
銅のゴング、踊り、衣装など...すべてがユニークで、他では見られない芸術的資質に満ちたハー・ザン省メオ・バック郡のロー・ロー族。
通常、ロー・ロー族の祖先崇拝の儀式は生贄の儀式、追憶の儀式、祖先の別れの儀式の三つの主要な部分で構成されています。礼拝の儀式では、長老たちが生贄の儀式を行い、誓いを読んで、家族や村の人々の前で先祖を儀式に招待します。その後、ロー・ロー族の人々は先祖代々の祭壇の前で死者を思い出しながら、青銅の太鼓を叩く儀式を行い、誰もが太鼓の鼓動に合わせて踊ります。儀式の最後は別れの儀式です。青銅の太鼓を叩き、庭の真ん中で焚き火をして、長老は主催者が先祖を天国に送り返すために供え物を献上するという願いの言葉を読み上げ先祖に祈ります。祈りには祖先にお礼の品を受け取るように、また子孫を祝福するように頼むという呼びかけも含まれています。その後、お金と絵馬を燃やし、式典は夜明けに終わります。式典の後、家の主人は全員を式典に招待し、家族と一緒に酒を飲んだり食べたりします。すべての供え物は儀式を手伝うために来てくれたすべての人に均等に分けられ、感謝を表します。ロー・ロー族の精神的な生活の中で、祖先崇拝の儀式はライフサイクルの儀式の一部よなっています。祖先崇拝は自らのルーツについて教育するという意味に加え、祖先への感謝、「水を飲んだら水源を思え」という道徳的な教育などコミュニティ、家族、氏族、村を結びつけます。 ロー・ロー族の人々は独自の民間伝承の価値観を備えた独特な信念の実践を通して、ベトナム文化をより多様性、豊かさ、独自性で飾ることに貢献してきました。
文、写真:ヴィエット・クオン、ベトナムフォトジャーナル
Thực hiện : Việt Cường/Báo ảnh Việt Nam