29/05/2018 16:03 GMT+7 Email Print Like 0

日本人の専門家:ベトナムは日本との政治経済的な関係で非常に重要な国であり

チャン・ダイ・クアン主席が2018年5月29日から2018年6月2日まで、公式訪問するたびに、伊藤専任教授(明治大学の政治経済学部 )はベトナム通信社の新聞記者のインタビューに応じた。
新聞記者:日越両国の関係がこれまでのところ最も友好的だと言われていますが今のように発展をしてきた両国の関係を支えている要因はなんでしょうか。
伊藤専任教授:大きく分けて二つあります。まず第一は、日本とベトナムの双方にとって、共通の安全保障上の課題ができてきたことが原因です。その原因は、良い意味でも悪い意味でも中国がつくりだしているということです。ですから、南シナ海問題に代表されるように日本とベトナムにとっては共通の課題ができたこと。ベトナムにとっては、両島の問題、日本にとってはシーレーンの問題という形で南シナ海の安全が共通の課題となったことが第一の要因です。第二の要因は、最近若いベトナム人が日本にたくさん留学してきている。いまや、各それぞれの一年一年単位でみると、ベトナムからの留学生の方が、中国からの留学生よりも増えたこと。これが続いていくと単に教育上の関係だけではなく、文化交流、職業関連のトレーニング、経済的な関係がさらに広がり、それが政治的な成熟につながる。人の移動がすべての関係の源ですから、それがさらに発展していくことによって日本とベトナムの関係が一層発展していくことになります。



伊藤専任教授
(
明治大学の政治経済学部  )

新聞記者:両国の協力の中でどの分野が一番恩恵を受けていますか。
伊藤専任教授:日本にとってみれば自分の国の経済成長をどうやってなしとげるかという点で、1990年代から長い間、中国をマーケットとして有効活用をしてきたのですが、今は中国は日本のGDPの2倍以上の大国になってしまい、1人当たりの賃金も大きく跳ね上がってしまったので、ベトナムはチャイナプラス1に代表されるように、日本にとって有効な貿易相手国であり、直接投資の相手国となります。なってから、約20年くらい経ちますが、その間、ベトナムも国内の経済体制を改革し、日本もベトナムの教育水準のある程度高い人を雇用して経済発展をしてきました。ハノイに最初に進出した、YAMAHA,CANON、いまではおもちゃメーカー、健康器具メーカーなどいろいろな日本の会社がベトナムで工場をつくって操業して、そこで造った製品が、東南アジア全体や、あるいは南アジア、さらに日本、アメリカに行きわたる状態になっています。お互いに、経済的な交流、さらにそれにともなった人の交流が大きくなっています。ただ、まだ規模としては、韓国に比べれば、日本のベトナム進出はまだ小さいです。私の知る限りでは、ベトナムにいる日本の駐在員は約1万5千人、それに対してベトナムにいる韓国の駐在員は15万人。10倍違う、もともとの人口が韓国の方が日本より少ないことを考えると韓国の方がベトナムを一層有効活用していることがわかります。日本とベトナムの地理的に近いこと、日本との政治経済的な関係で非常に重要な国を考えると、さらに経済的な相互依存の関係、人的な拡大が望ましいと考えます。

新聞記者:将来どちらの分野を注目して協力するのでしょうか。
伊藤専任教授:今後は、日本のベトナムに対する直接投資は、バイク、オフィスなどが多かったのですが、原子力発電所など一回頓挫しましたが、より大きな、かつインフラに関係した投資がだんだん推進していけば、さらなる日本とベトナムの関係は密になると思います。それは、日本の企業にも有利になりますし、ベトナムの若者に新しい技術、知識を日本で学んで、日本は、若いベトナム人が、日本の大学で勉強し、そのあと何年か日本で働く場所を提供できるような場があれば更なる日越関係が相互依存に進化すると思います。
というのは、日本の外国人政策の最大の問題は、学校を終わらせた後で、働き口がなかなかない、外国人をせっかく呼んでも中途半端に終わることが非常に多かった。時間軸を長期にとって、若者の読んだ、さらに日本に何年か働いて日越の関係を若者だけでなく、
30代、40代の社会の中堅層のレベルで交流、依存関係を進めることでさらに両国の関係を深化していくことができると思います。
新聞記者:日本がベトナムとの関係から何を期待していますか。
伊藤専任教授:日本がベトナムから期待することは、最初の答えとも関係しますが、大きく二つありまして、中国は良い意味でも悪い意味でも大国であります。良い意味は、経済的に大きく発展して世界第二位の経済大国になった。悪い意味は、世界経済第二位になった中国が、その経済および軍事力の使い方が、ベトナムのみならず周辺国にとって非常に脅威感をあたえていることです。人間関係でもそうですが、体が大きくなった人は、よりふるまい方に気おつけなければ、ただいるだけで存在が大きすぎて、脅威や威圧感を与えてしまっている。そうはならないふるまいをしなければいけませんが、実際には、中国に対する周辺諸国の見方は非常に複雑な見方をしています。一方では、中国と経済的な相互依存を進めたいと思いながらも、他方では手放しで協力関係を進めることに対する警戒感も強いと考えています。日本でもそうですが、なお一層ベトナムは同じような感覚をより強く、大きく持っていると思います。そのような状況ですので、近隣の大国に関する情報交換を行うことで、大きな相互依存、協力関係を日本、ベトナム、そして周辺諸国との間で広がると考えています。それをやらないと、中国自身もASEANを分断化させて、カンボジアをASEAN協力関係から分断させようとする政策をとっていることと同じような話で、相互の協力関係が崩れていく可能性がある。日本とベトナム、ASEAN関係全体的に言えますが、対話を行うために、同じような条件、同じような環境のもとで対話を行わないと、力があるものがいっぺんに自分たちの利益を成し遂げてしまうことになりかねませんので、そのようなことにはお互いに注意しながら日本とベトナムの関係を進めていくことが大切だと思います。

新聞記者:ベトナム国家主席の来日は、日越の関係にどのような貢献ができ、どのような意味がありますか。
伊藤専任教授:2017年2月から3月に天皇陛下がベトナムを訪問しました。現在の日本の天皇陛下は、なによりも自分が皇太子であったころに経験した太平洋戦争で日本が進出したところを自分が天皇になってから何年かに一度訪問することをずっと繰り返してきました。つまり、1940年代に生じた戦争に対する、過去に対する反省、それを基にした相手国との関係との深化、発展を期待しながら周辺諸国をいろいろな形で訪問することを繰り返してきました。
そういう意味で、日本の天皇陛下が、2017年訪問してハノイ、フエのベトナムの主要都市を訪問することで、日本の国家元首がベトナムを訪問するということになり、今度はベトナムの国家主席が、日本にやってくるということは、国家元首レベルでの交流、儀礼的訪問を出発点として、政治家どうし、経済人どうし、文化人どうしといった形でされに裾野が広がる形で、より一層盛んになっていくちょうどスタート地点だと思います。
国家元首が、お互いに訪問しあうことは、今だけに限らず、古代いにしえから、古代いにしえの時は、国家元首の手紙を持っていく形でしたが、今日では国家元首そのものが訪問する、国家元首だけで終わらない、さらにいっそう拡大していくことを目指すことではスタート地点でもあります。両国の国家元首が相互に訪問することは、両国の関係がある程度成熟してきている表れでもありますので、そう意味ではひとつの到達した地点を指し示すものだと思います。到達した地点で終わらないように、両国の主要な関係者は、尽力をする必要があると思います。
文、写真:グエン・トゥイエン(Nguyen Tuyen)、ホン・ハ(Hong Ha)





 
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