これはユニセフやWHO=世界保健機関などが9日に発表した報告書で明らかにしました。
それによりますと、去年、世界中で死亡した5歳未満の子どもは520万人と、30年前に統計を取り始めて以来、最も少なくなりました。
一方、ことしは新型コロナウイルスの影響で、予防接種や健康診断などの医療サービスが滞っていて、1歳未満の乳児では少なくとも68か国の合わせて8000万人が、ワクチンがあれば防げる感染症にかかるおそれがあるとしています。
また、親が職を失うなどして世帯収入が大幅に減った結果、推定670万人の子どもが十分な栄養を取ることができず、特にサハラ以南のアフリカや南アジアでは栄養失調によって感染症にかかりやすくなると指摘しています。
こうしたことから、報告書は今後半年間で5歳未満の子どもが100万人以上死亡するおそれがあると警告しています。
ユニセフのフォア事務局長は、「医療サービスの再開に向けて緊急の支援をしなければ、5歳未満の何百万人という子ども、特に新生児が命を落とす可能性が高い」として、国際社会に支援を呼びかけています。