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ヴィエンミン寺の住職

約 100 年近く、農村部で仏道を修行し、毎日経を唱えながら心を仏に馳せる。そして、田畑での仕事を毎日の喜びにしている人物、これは、ベトナム北部ハタイ省フースエン県クアンラン村にあるラン寺、またの名をヴィエンミン寺の住職であるティック・フォー・トゥエ僧の肖像である。


ハタイ省の
ヴィエンミン寺


ヴィエンミン寺での
ティック・フォー・
トゥエ僧と弟子


法主に推挙される
ティック・フォー・
トゥエ僧(写真左から一番目)

100年近く、農村部で仏道を修行し、毎日経を唱えながら心を仏に馳せる。そして、田畑での仕事を毎日の喜びにしている人物、これは、ベトナム北部ハタイ省フースエン県クアンラン村にあるラン寺、またの名をヴィエンミン寺の住職であるティック・フォー・トゥエ僧の肖像である。

見知らぬ来客が訪れたことを犬の鳴き声を背に、ヴィエンミン寺の境内へと入る。周囲を見渡しても、金や宝石で出来た仏像の姿は見当たらず、赤い瓦が敷かれている質素な家屋、野菜を植えている庭と池といった、典型的な北部ベトナムの農村部の佇まいを目にする。この寺の質素な様子を一見すると、多くの人々は著名なティック・フォー・トゥエ僧の住居とは思いもよらないだろう。

そのような中、突然、まるで夜明けの陽光のように輝く袈裟を身に纏う和尚と出会った。ティック・フォー・トゥエ僧の姿は、まるで古い木像のように痩せているが、落ち着いた姿勢で念仏を唱えている。

この著名な和尚は、北部ニンビン省イエンカイン県カインティエン村のフンティエン集落の出身で、1917年に生まれた。5歳になった時、仏と縁があったため髪をそり、出家した。その後、仏法の教えを請うために北部の数多くの寺を回り、1936年になって初めてヴィエンミン寺にたどり着いた。そして、同寺の第二住職であったティック・クアン・トン(Thich Quang Ton)僧を自らの師とし、修行に励んだのである。

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法主ティック・フォー・トゥエ僧(2008年3月)
この寺には、茂っている竹やぶや大きな影を作っている竜眼の老木があり、これらをぜひ見学したいと申し出た。和尚は微笑みながらうなずき、そして家に入り、袈裟を質素な農作業のための衣服に着替えた。その時、外見ではこの高貴な和尚と畑仕事に長けている農家の人々との違いを見分けられない。実はティック・フォー・トゥエ僧は畑仕事を得意とし、以前、まだ若かった頃は読経ともに自らを養うために田畑へつねに出かけたという。80歳になって初めて農業を辞めたが、今でも庭園で土いじりは欠かさない。それゆえ、和尚は自ら「農僧」という名を付けた。和尚は弟子に対し、「この世に生きるならば、労働を知る必要がある。食べ物が無くなってしまう異変が生まれ、すべての過ちと災禍はそこから生まれるのである」ということを教えたという。

もちろん畑仕事だけでなく、和尚は誰もが認める賢人であり、仏法に精通している。ティック・フォー・トゥエ僧は、その一生を仏事と衆生に捧げているのだ。他方、和尚は大規模な仏典を著作、翻訳、改訂するとともに、全国にある各仏教学校の講師として活躍してきた。僧侶の学びと修行について、「今日、誰もが以前と比べて、多くの学習機会に恵まれていますが、現代生活には数多くの誘惑があるために若僧が惑わされることもあります。そのため、僧侶は修学精神を高め、自らの精神と知恵を培うことに全力を尽くさなければならないのです」と語る。また、今日の仏教について問われると、和尚は「仏教は時代により盛衰します。今日、国家が繁栄しているため、仏教も振興されています。仏教徒は自由に修行ができ、「仏法・民族、と社会主義」という指針に向けて団結し、信教活動を行いながら社会に奉仕するのです。このことは、今の時代の仏教にとって大きな喜びであるでしょう」と答えた。

和尚はよく「四徳」という言葉を使う。これは両親に対する恩、先生に対する恩、祖国に対する恩、社会に対する恩ということである。ティック・フォー・トゥエ僧は、両親がいなければ人はこの世に存在しえず、そして、両親が我々のために全力を尽くして今があるということ。そして、食べ物を口にしている時、農民への恩を忘れず、さらに平和の中で生活している時、祖国のために身を捧げた人々の恩を感じるということである。

この高貴な和尚との会話は、実に多くの発見を我々に与えてくれる。赤レンガに落とした和上和尚の影、身に纏っている質素な作業着を見て、今から2500年前にお釈迦様がどのような佇まいをしていたのか? この世に博学で質素な生活を送っている和尚が他にいるのだろうか?と考えずにはいられなかった。

ティック・フォー・トゥエ僧は今年92歳になった。87年間の修行人生、3食中、2回は精進料理をいただくという和尚は、決して社会の現象を忘れず、しかし社会の近くにいるが真理を忘れてはいない。そして今、高い地位にあるが清廉な心を保っている。これは真の修行者の徳であり、ベトナム仏教協会にとって大きな財産でもある。

法主ティック・フォー・トゥエ僧の足跡

仏学中級学校の学長、ハタイ省仏教協会管理委員会委員長、ベトナム仏学研究所ハノイ支局長、仏学研究雑誌の編集長、ベトナム仏教協会中央委員会僧事委員会副委員長、ベトナム仏教協会中央委員会証明評議会書記を歴任。2007年に行われた第6回仏教大会で、和尚は法主に推挙された。

文:タイン・ホア(Thanh Hoa)
写真:チョン・チン(Trong Chinh)、レー・ミン(Le Minh)

タイン・ホア(Thanh Hoa) - チョン・チン(Trong Chinh)、レー・ミン(Le Minh)

仏教界の人材、才能の修行場

仏教界の人材、才能の修行場

ベトナムでの仏教学院の建設と発展は、単なる全国での僧侶の学びへの需要を満たすためだけでなく、ベトナム仏教協会が新時代を担う道徳と才能ある人材を選択し、育成するためなのである。

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