先週末、JICA国際協力機構ベトナム事務所はゲアン省ナゴイ村で、香川県の「讃岐ニンニク」の栽培技術を活用する中小企業・SDGsビジネス支援事業の機材供与式を実施しました。受託実施はファーマーズ協同組合で、事業期間は2023~2026年です。灌漑設備、土づくり機械、種子保管設備が生産者グループに引き渡され、約30戸の農家が参加しました。目標は収量と品質の向上、安定的な所得機会の創出、地域ブランド化の推進です。
本事業の要は、日本で技能を身につけた還流人材による技術移転です。JICAベトナム事務所の小林洋輔所長は、香川で培われた高品質栽培の知見を現地で実証し、山岳かつ国境地域という条件を踏まえて還流人材が指導に当たることで、地域内に知識が循環する好循環が生まれていると説明しました。
現場の若者からも前向きな声が上がっています。元技能実習生のRuaさんは、日本で学んだ労働規律や工程・品質管理の考え方を、ナゴイ村の土壌や気候に合わせて応用すれば、生産性と品質の向上につながるとの見方を示し、無理のない投資と段階的な改良で成果を定着させたいと述べました。
JICAは、機材供与にとどまらず、営農計画づくりや販路開拓、人材育成まで一体的に支援する方針です。女性人材の参画促進やインターンシップの拡充、企業と大学を結ぶ連携の強化も課題に据え、地域に「作って売れる」仕組みを根付かせることを目指します。
(VOVWORLD)