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Arts

越日関係コラム: 音楽が距離を縮める

中井智弥さんと長須与佳さんの「箏・三味線・尺八・琵琶/智と佳(美)で魅せる日本の響き」と題した公演は日本国大使館、ベトナム文化スポーツ観光省とベトナム国立音楽学院によってハノイにて開催された。これは、経済、文化、観光など様々な面での交流が行われる日メコン交流年のオープニング・イベントである。


開演前の駐越日本大使の挨拶


長須与佳さんが尺八の演奏に熱中


中井智弥さんが25弦箏について紹介


中井智弥さんが
伝統の13弦箏で巧みな演奏技術を見せた。


中井智弥さんが三味線について紹介


中井智弥さんが『黒髪』を演奏

中井智弥さんと長須与佳さんの「箏・三味線・尺八・琵琶/智と佳(美)で魅せる日本の響き」と題した公演は日本国大使館、ベトナム文化スポーツ観光省とベトナム国立音楽学院によってハノイにて開催された。これは、経済、文化、観光など様々な面での交流が行われる日メコン交流年のオープニング・イベントである。

3月2日、3日の両日、ベトナム国立音楽学院とハノイ・オペラハウスは、日本の伝統楽器の演奏を聴き、ベトナムと日本の文化の共通点を実感するために訪れたベトナム人の観客で満席となった。開演を飾る曲は中井智弥さんと長須与佳さんによる尺八と25弦箏の合奏。生き生きとした曲で、澄んだ音と速くて強かったり穏やかだったりするリズムは観客を魅了した。演奏だけではなく、2人の演奏家は今回ベトナムに持参した楽器についても紹介した。観客は音楽を鑑賞しながら、日本の伝統楽器に関する知識も深めることができ、とても興味深く感じたに違いない。

まず長須与佳さんは尺八と琵琶について紹介した。尺八はフルートに似た日本の伝統的楽器であり、ベトナム人にも親しまれている竹で作られ、前の4つの穴と後ろの1つの穴で音色を調整し演奏する楽器である。琵琶は、ベトナムのグエット(Nguyet)という箏と同じ形をしていて、三角形のバチで演奏される4弦箏である。長須与佳さんは「10歳の時に琵琶の稽古を始め、琵琶への愛情は祖父から引き継ぎました。ベトナム人をはじめ多くの観客の前で琵琶を演奏できることを大変嬉しく思っています」と語った。

中井智弥さんは13弦の箏、25弦の箏と三味線を演奏した。三味線は犬と猫の皮で作られており、3弦の小さな楽器である。『春の海』は箏と尺八の合奏による素晴らしい曲で、魅力的な音色をもたらした。さらに演奏が続き『朧月夜』や『アベマリア(Ave Maria)』は箏、尺八と琵琶によって躍動的に演じられた。尺八と箏で合奏すると力強いが、心の奥深く染み入る音色が生み出される。中井さんは、恋人を待つ女性の気持ちを表した古い曲『黒髪』を見事に演奏した。三味線の音と、もの悲しい歌詞により、観客は女性が恋人を思う気持ちと不安な心模様を精細に感じることができた。作曲家として才能を持つ中井智弥さんは、ハノイの観客に花束に代えて『花のように』の曲を贈った。二人の演奏家とも自ら音楽にのめりこみ、美しいメロディーの表現に陶酔した。演目の間に行われた短い談笑によって、演奏家と観客が暖かい雰囲気の中で相互理解を深めることができた。特に、ベトナムの曲である『ホア・トム・ブオム・ルオン(Hoa thom buom luon)』が演奏されると、ハノイ・オペラハウスの会場はいっそう盛り上がった。箏と尺八は、ベトナム人に慣れ親しまれているこの曲に新しい世界をもたらした。特に、尺八の音を聞くと、春の楽しくて生き生きした雰囲気が思い起こされ、観客は日本らしい新しい空間に引き込まれて、空間と言語の距離を感じなくなった。中井智弥さんと長須与佳さんは、観客から送られた暖かい応援と拍手へのお礼として『花』を演奏して幕を閉じた。主催機関の藤田恵さんは「今回の公演は、ベトナムが中核であるメコン地域と日本との友好関係の促進を図って開催されました。また、このような有意義な公演により、日本の文化を多くのベトナム人に紹介したいと思っています。」と話した。

2日間にわたる中井智弥さんと長須与佳さんの公演は日本人とベトナム人の心の距離を近づけ、両国間の友好関係の促進に貢献した。長須与佳さんが心から願った「満ち足りた、幸せな生活がすべての人々に」を目指して。


nbsp;中井智弥さんが演奏に熱中


長須与佳さんと琵琶


2人の演奏家が共演


nbsp; 日本の伝統楽器の美しさを楽しむ観客

中井智弥さん:

・日本の西にある津市生まれ。

・2001年、東京芸術大学の日本伝統音楽学部を卒業。25弦箏の演奏家である。その他、三味線(3弦箏)の演奏家や作曲家としても知られている。

・2002年、NHK伝統音楽コンクールに次いで、津市において文化促進賞を受賞。そして、多くの雑誌に現れており、伝統音楽の新しい才能という評価を受けている。

・2005年、ウィーン・フィルハーモニーの名手ティボール・コヴァーチ(Vn)と自らが作曲した『桜川』を共演。

・2006年、最初のアルバム『花は心』をリリース。

・2007年、フィンランドや中米(メキシコ、チリ、ドミニカ)などでの海外公演で活躍。いずれも観客の熱烈な反応を受けた。

長須与佳さん:

・東京芸術大学の伝統音楽学部を卒業。尺八の演奏家である。

・ドイツのドレスデン国際音楽フェスティバルに出演。

・第9回長谷検校記念全国邦楽コンクールで琵琶の最優秀賞を受賞。

・海外公演や学校の訪問、テレビなど多方面で活動。

文:グエン・ハー・アイン(Nguyen Ha Anh) 
写真:ホアン・ハー(Hoang Ha) nbsp;nbsp;

グエン・ハー・アイン(Nguyen Ha Anh) - ホアン・ハー(Hoang Ha)


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