ベトナム国防省傘下の通信大手ベトテル(Viettel)は1月16日、ベトナム初となる半導体製造工場の着工式を行いました。これは国内で半導体製造能力を構築する重要な節目であり、コア・テクノロジーの習得と半導体エコシステムの発展に向けた基盤となるものです。
半導体製品の完成には、製品定義、システム設計、詳細設計、チップ製造、パッケージング・検査、統合テストの6つの主要工程が必要です。これまでベトナムは5つの工程に段階的に参画してきましたが、最も複雑で鍵となる「製造」工程については国内での実施が困難でした。今回の工場建設により、ベトナム国内で半導体生産の全工程を完結させることが可能になります。
1月16日、ハノイでハイテク半導体チップ製造工場の着工式が行われ、トー・ラム書記長(中央)やファム・ミン・チン首相(左から3人目)らが出席した(写真:VGP/Nhật Bắc)
ベトテルのタオ・ドゥック・タン会長は次のように述べました。
「政府首相の指導と国防大臣の一致を受け、ハイテク半導体工場の着工に至りました。これは党、国家、中央軍事委員会、そして国防省がベトテルに寄せる信頼と期待を示す、極めて重要な節目であると深く認識しています」
ベトテルは2017年から半導体分野に参入し、2019年からチップ設計の研究に注力してきました。これまでに5G用チップや防衛用専用チップの設計に成功するなど、着実な成果を上げています。ハノイ市内のホアラックハイテクパーク内に建設される27ヘクタールに及ぶ工場は、研究、設計、テスト、製造を担う国家インフラとして位置づけられます。稼働後は、航空宇宙、通信、モノのインターネット、自動車製造、医療機器、自動化など、国内の主要産業への供給が期待されています。
着工式に出席したファム・ミン・チン首相は、次のように強調しました。
「それぞれの国は、グローバルなバリューチェーンにおいて自国がどこに位置するのか、依存か自立かという根本的な問いに答えなければなりません。ベトナムは、困難であっても持続可能な道を選びます。対等で互恵的な協力に基づき、コア・テクノロジーをマスターし、世界のサプライチェーンに主体的に参加していく決意です」
同工場は2027年までに建設と技術移転、試作を完了し、2028年から2030年にかけて国際基準に基づいたラインの最適化と効率向上を図ります。また、実際の生産環境と連動した人材育成センターとしての役割も期待されています。
さらに、チン首相は、今後の展望についてこう述べました。
「強力な半導体企業群を形成し、国内のバリューチェーンを完結させ、外資系企業やグローバルなサプライチェーンと効果的に連携させる必要があります。2030年までに、設計企業を少なくとも100社、製造工場を1カ所、組み立て・検査工場を約10カ所整備することを目指します。また、5万人以上のエンジニアを育成し、2030年から2050年までの期間に向けた質の高い人材を確保しなければなりません」
この工場は将来的な規模拡張も視野に入れて設計されており、ベトナムがより高度な半導体技術にアクセスするための基盤となります。
チン首相は、次のように述べています。
(テープ)
「この工場は、ベトナムがハイテク技術を段階的に習得し、半導体バリューチェーンの重要なピースである『製造』を補完できることを証明するものです。これは『組み立て』から『創造』への転換を意味し、デジタル時代におけるベトナムの地位向上に貢献します。また、自国内での製造能力保持は、安全保障と技術の信頼性を確保し、経済と国防を密接に結びつける『軍民両用技術』の発展にも寄与するものです」
ベトテルにとって、半導体工場の主導的な展開は、長年追求してきたコア・テクノロジー開発戦略の一環です。ベトテルは専門教育や国際協力、技術移転を通じて人材を育成し、経験を蓄積してきました。ベトテルは現在、科学技術とイノベーションを基盤に、ベトナムが世界のバリューチェーンに深く関与していくための国家半導体産業戦略を具現化しようとしています。
(VOVWORLD)