バオミン-ベトナムの旧正月の味わいを広める
バオミン菓子ブランドは、30年以上の歴史と発展を経て、ベトナムのテト文化に欠かせない存在となっています。伝統的な菓子作りの家伝の価値を守り続けながら、バオミンは着実に革新を重ね、ベトナムの食文化を色濃く映した製品を国内や海外の消費者へと届けています。
バオミンの物語は堅苦しい事業計画から始まったのではなく、ハノイ旧市街の甘い思い出から始まりました。ゴー・ティ・ティン社長は自身の菓子作りを「前世からの縁」とよく語ります。フランス統治時代から続く菓子作りの伝統を持つ家庭に生まれた彼女は、テトに欠かせない食材である新鮮なコム(もち米)、緑豆、氷砂糖と共に育ちました。35年以上前、小さな製造所から出発したバオミンは、何世代にわたって受け継がれた秘伝と真心によって、着実に消費者の心をつかんできました。
ティン社長にとって、バインコム(もち米菓子)、バインチャー(焼き菓子)、ピーナッツキャンディーの一つひとつは、単なる商品ではなく、家族文化の結晶であり、ブランドのアイデンティティを形づくる核心的な基盤です。その遺産こそが、バオミンに持続的な「信頼という資本」を築かせ、感情的なつながりを欠いた大量生産の工業製品とは一線を画す存在へと導いたのです。
バオミンの強みは、伝統的な手作業と大規模生産を調和させる能力にあります。「伝統も革新がなければ時代遅れになる」という理念のもと、同社は発展の鍵として技術を果敢に選択しました。そのため、ハノイとホーチミン市に数千平方メートル規模の近代的な工場に多額の投資を行うと共に、生産の各工程に最先端の科学技術を導入しています。
その結果、伝統的な菓子の製造における最大の課題である食品衛生の確保と消費期限の問題は解決されました。かつて数日しか保存できなかったバインコム(もち米菓子)は、現在ではもちもちした食感、上品な甘み、そしてほのかな香りを保ちながら賞味期限を延ばすことが可能になっています。さらに、同社は人工着色料や工業用添加物を一切使用せず、新鮮なコム(もち米)や純粋な緑豆などの自然素材のみを選んでいます。「郷愁」と現代基準の融合こそが、バオミンブランドに持続的な競争優位性をもたらしています。
バオミンは製品の品質にとどまらず、明確なブランド再構築戦略を展開しています。親しみ深い郷土の贈り物を文化的なギフトへと昇華させ、現代の環境や贈答需要に適合させました。その結果、バオミンの製品はBigC、イオン、ロッテマートなどの大手スーパーマーケットに並び、文化イベントや結婚式、外交5活動においても定番の選択肢となっています。
国際統合の旅における重要な節目は、2024年末から2025年初頭にかけて、バオミンが初めて北米市場への輸出を開始したことです。バインコム(もち米菓子)、バインフーテー(夫婦菓子)、バインチャー(焼き菓子)が国際的なフードフェスティバルに登場し、ベトナム企業の実力を示しました。さらに、6製品が4つ星OCOP認証を取得し、5つ星認証を目指すことで、日本、中国、ヨーロッパといった厳格な市場への挑戦の扉も開かれています。
人々はバオミンの菓子製品を信頼して選んでいる。撮影:チャン・タイン・ザン/ベトナムフォトジャーナル
伝統に「新しい衣をまとわせる」精神は、特にテト用ギフトセットのパッケージデザインに明確に表れています。伝統菓子に加えて、かぼちゃ、蓮の実、ココナッツ、生姜、ピーナッツなどの天然素材を用いたテト用ジャムは、団欒、幸福、財運を象徴する多様なギフトセットにデザインされ、旧正月の贈答品にふさわしいものとなっています。
ティン社長によると、バオミンは毎年のテトの季節になると、フル稼働となり、最新の生産ラインで食品安全基準を厳格に遵守して製造した数百トンもの製品を市場に供給しています。バオミンにとって、伝統的な菓子作りを守ることは単なるビジネス上の強みだけではなく、ベトナムのテトの思い出を守り、消費者がどこにいても故郷の味を存分に味わえるようにするための手段でもあります。
文:タオ・ヴィー
撮影:チャン・タイン・ザン/ベトナムフォトジャーナルと資料


















