日本人は控えめな服装である着物を、フランス人はエレガントスーツを誇りに思っているがベトナム人は冠婚葬祭の時によく身にまとっている伝統的衣装アオザイとそれとセットのカンドンと呼ばれる特別な帽子を誇りに思っている。nbsp;
ベトナムの伝統的衣装について言えば、アオザイとそれとセットの幅7センチの黒い麻布を巻きこんで作ったカンドンと呼ばれる特別な帽子を抜きにして語ることができない。面白いことにはこの伝統的な衣装は女性だけでなく、男性も着用している。女性が着ているアオザイは体にぴったりして、わきにあるスリットが高いが、男性用のアオザイはゆったりしている。帽子カンドンも女性用は高く巻き込まれるが、男性用のものは低く巻き込まれている。

 アオザイと帽子は祭りに欠かせない衣服となった
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 アオザイと帽子を身に纏い、待ち望んだ初春の市場に行くお年寄りたち
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 北部バクニン省のクアン・ホー民謡を歌う時、必ずアオザイと帽子を身に付けなければならない
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 アオザイと帽子で芸術の公演をする
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 2006年ハノイで行われた第14回APECアジア太平洋経済協力会議の首脳会議に出席した世界各国の元首が身に纏っていた衣服をもう一度点検する。
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 アオザイと帽子の儒学者
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 アオザイと帽子を身にまとう新婦新郎。
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ベトナムでは昔からアオザイとカンドンが農村部から都市部に至るまで生活の中でよく着用されてきた。冠婚葬祭で村の集会所に出かける男女だれもがアオザイとカンドンを着る習慣があった。女性は花模様のアオザイと錦の帽子を、男性は黒く堅い生地でつくったアオザイと帽子を着る。お年寄りは「壽」という漢字の模様が入った赤い生地のアオザイと帽子、子供たちは青、赤、黄色など鮮やかな生地のアオザイを着る。特に旧正月テトなどの重要な行事には階級の上下を問わず、老若男女だれでもアオザイ・テーと帽子を着ることができる。
女性はアオザイと帽子を身に付けると優しく見え、男性はエレガントに見える。その為、冠婚葬祭の時にこの伝統衣装をよく身に纏っている。
現在、アオザイと帽子を身に付けるのは女性が大部分であるが、農村部、特に昔の習慣が残っている農村部では、アオザイと帽子がすべての人々の冠婚葬祭時の衣装となる。都市部では、西洋風ウェディング・ドレスの他、昔の習慣を思い出すため、結婚式にアオザイ・テーと帽子を着る新婦新郎もいる。
ベトナムを訪れた外国人の中に、アオザイと帽子を好む人もいる。中部クアン・ナム( Quang Nam)省ホイアン( Hoi An)旧市街で観光客向けのアオザイと帽子の仕立屋がある。又、北部で行われた祭りでは多くの外国人がアオザイと帽子を着用したし、中部フェ市で行われたフェスティバルで公演を行った際も、多くの外国人のアーチストがアオザイと帽子を着た。ベトナムを訪れた多くの外国人女性は記念品としてアオザイと帽子を買って帰る。
その為、2006年にハノイで行われたAPECアジア太平洋経済協力会議の首脳会議でベトナム人に馴染んでいるアオザイと帽子のセットが世界各国の元首の服装として選ばれた。
長い時間が経っても、アオザイと帽子はベトナム人の文化生活に根付き、保存されている。ベトナム人は心からアオザイと帽子をベトナムの「国民服」だと思っている。nbsp;
文:タイン・ホア(Thanh Hoa) 写真:タット・ソン( Tat Son) 、ホアン・ハー( Hoang
Ha) 、及び、資料写真。nbsp; |