ベトナムは16日、多数国間暫定上訴仲裁アレンジメント（MPIA）への参加を正式に表明しました。これは、世界貿易機関（WTO）の紛争解決システムの安定維持に寄与することを目的とした枠組みです。

今回の参加は、ルールに基づく多国間貿易体制へのベトナムの強いコミットメントを示すものであり、WTOの「最高裁」とされる上級委員会が機能停止している中、ベトナムが国際社会とともにWTO制度の基盤を支え、国際貿易の信頼と安定を守る責任ある行動と位置づけられています。

戦略的な意義として、MPIAへの参加はWTO改革に関する議論におけるベトナムの立場と発言力を高めることにつながります。さらに、実務面では、複雑な貿易紛争に直面した際に、企業や輸出産業の正当な権利・利益を保護するための有効な手段を確保できる点が重要です。

控訴の権利が担保されることで、判断の公正性と信頼性が高まり、より予測可能で安全な国際ビジネス環境の構築にも寄与することが期待されています。

(VOVWORLD)