21/09/2021 16:02 GMT+7 Email Print Like 0

「DeSilk」シルクが物語を描き出す場所

「DeSilk」は最高級のシルク繊維からベトナムの加工ノウハウとスイスとは異なるデザイン思考法を組み合わせることで、世界シルクマップに名前が掲載されるほどのベトナム製高級シルク製品を作りたいというベトナム人女性の願望を叶えました。
「アイデンティティは私たちの時代のラグジュアリー市場にとっての課題と見なされている」とセント・ガレン大学(スイス)のパトリシア・アナヒッツラー教授とギュンターミュラー・スティーブンス教授は述べています。実際、世界中で毎日新しいブランドが生まれ、ハイエンド市場は最も競争が激しく、時には残忍です。顧客を惹きつけ、愛着心を抱かせるには、その銘柄が製品、ブランド、そして特にアイデンティティ・ストーリーにおいて最も本物の価値を備えている必要があります。

ブランドの専門家によると、長い歴史、デザイン思考、細心の注意を払った職人技、高品質の素材が等級を決め、ブランドのアイデンティティ・ストーリーを書くための4つの重要な要素となります。
それで、たった2年前に市場に出たばかりの「初心者」「DeSilk」は世界のシルクマップにおいてベトナムのハイエンドブランドを再構築するという願望のためにどのようなアイデンティティ・ストーリーを持っているのでしょう?


私は同僚に「DeSilk」がシルク生地の履歴書を書いていると喩えて言いました。「DeSilk」の創設者であるヴァン・ティー・ハン氏はベトナムの卵をはめ込んだ漆工芸をモチーフにしたシルク生地で作られたアオザイを見せてくれました。特に、このシルクから顧客は卵をはめ込んだ漆工芸の細部の配置をカスタマイズして、さまざまなストーリーのアオザイを作成できます。配置がどうあろうともベトナムの職人の巧みな技術の貴重さを示しています。
 



ブランド「DeSilk」の創設者ヴァン・ティー・ハン氏。
撮影:コン・ダット



ハノイにおけるブランド「DeSilk」のシルク製品アンテナショップ。
撮影:コン・ダット



シルクブランド「DeSilk」の製品を手に取って見る贔屓客。
撮影:コン・ダット

エルメス、ルイ・ヴィトンなどの有名ブランドは長い歴史が強みであることは誰もが理解しています。これは新しいブランドにとって有利ではありませんが、新しいブランドが独自の歴史的物語を書く方法を持っていないという意味ではありません。「DeSilk」はこれを非常に繊細かつ創造的に行ってきました。彼らは、何千年もの伝統的なベトナムの建築や工芸村の文化と歴史のすべてを新しい視点で伝えるシルク生地を作成しました。
また、タイビン省に400年以上の歴史を持つ国の特別な遺物ケオ寺があり、多くのベトナム人に親しまれていますが、この寺院をモチーフにした模様のシルク生地は特別な芸術的センスを備えた「DeSilk」のデザイナーにより作られ、現代の印刷技術と伝統的なベトナムの印刷技術を融合させて神秘的な空間を生み出しています。

デジタル印刷と伝統的な織りの融合は、まったく新しい色合いと色彩で織工の魂を強調する傑作を生み出します。「DeSilkは伝統文化の色と現代のテクノロジーを組み合わせることで、新たな流れを生み出すと考えています」と「DeSilk」の創設者ヴァン・ティー・ハン氏は語りました。
「DeSilk」はその使命について次のように語っています。「ベトナムの工芸品の価値、ベトナム人のシルクを織る技術を保持することがDeSilkの使命です」。伝統的なデザインとデジタル技術を組み合わせることで、「DeSilk」はユニークな製品を作成するのに役立ち、ベトナムの織工のスキルを示すだけでなく、ベトナム人の高級ブランドに新しい顔を生み出す要素となるでしょう。


新たな視点で建築物や伝統的なベトナム工芸村の数千年の文化と歴史のすべてを
表現するシルク生地を作成した「DeSilk」。撮影:コン・ダット







シルクブランド「DeSilk」の高級シルクスカーフコレクション。
撮影:コン・ダット



独自のストーリー、独自の意味があるそれぞれの小さなシルクスカーフ。
撮影:コン・ダット



「DeSilk」の高級シルクネクタイ。撮影:コン・ダット


シルクブランド「DeSilk」のラグジュアリーギフトセット。撮影:コン・ダット

ベトナムの職人の手先の器用さは、アオザイから成功した女性のための優雅なスカーフ、さらにハンドバッグに取り付けられた美しい小さなリボンまで「DeSilk」の製品に最大限に表れています。17世紀から18世紀にかけて、ベトナム職人の手先の器用さは世界でトップクラスと西側諸国から高く評価されてきました。これは他の国には無いベトナム手工芸品の特別な利点です。

「DeSilk」の取組み方は、技術をただ用いるだけでなく、ベトナムの手工芸産業の促進を目指して、職人の技術と技能の使い方を探求し、革新を模索し続けることです。「私たちのデザイナーは伝統的な職人と協力してきました。この協力の結果は製品の価値を超え、ベトナムの才能ある職人に貴重な知識と技術をもたらします」とヴァン・ティー・ハン氏は強調しました。
「DeSilk」のデザイナーは世界的に有名な時計ブランドの本拠地であるスイスから国境を越えてベトナムに来ています。したがって、それらは「DeSilk」に国際的な高級ブランドが必要とする厳格さ、規律、および正確さを与えます。さまざまなデザイン思考とともに、伝統的な文化的および歴史的価値が新しい形のシルク生地に再現され、東洋の謎と西洋のファッションスタイルの両方をもたらします。ハン氏によると「DeSilk」は宇宙の陰と陽のバランスのように、常に東と西の2つの要素を調和させています。

シルクへの果てしない情熱を持つヴァン・ティー・ハン氏は悩み抜いたあげく、自身の魂に触れる最高のシルクの糸を見つけるために、ベトナム中を自ら旅行しました。ラム・ドン省バオ・ロクの絹生産地域に行った後、多くの古い工場がある生産地を見つけ、手織りに特別な愛情を持つ農家の人達に会うことができました。ハン氏はバオ・ロクを高級シルク製品を作る土地に定めました。
絹織りは何世紀にもわたってベトナム文化の一部でした。実際、ベトナムのシルクは歴史の浮き沈みを経験していますが、職人の巧みな手がその価値を失ったことはありません。世界シルク協会事務総長のフェイ・チアンミン氏によると、東南アジア諸国の中で、ベトナムのシルク産業は何千年も工芸村において最高の基盤を持っています。ベトナムは日本や中国よりも多くの絹を輸出しており、カンボジアやタイよりも多くの生糸を輸出しています。

ベトナムの伝統工芸村では、先祖が村の子孫の中から技術の後継者を選んで割り当てたという話は常に伝説的な物語です。それこそ工芸村が何千年も前から何世代にもわたって続いてきた理由です。これは「DeSilk」の創設者を連想させます。ヴァン・ティ・ハン氏が以前シルクとは関係のない分野で働いていた時、ハノイの有名なシルク織りの土地で生まれ、幼い頃からのシルクへの愛情が日増しに大きくなり、彼女をシルクへ駆り立てました。
「DeSilk」創設者の最高級国際的ブランドへの不朽の愛と完璧主義により、私たちはベトナムのシルクブランド「DeSilk」がスイス、フランス、日本、イタリア、イギリスなどの有名な市場を席巻するという願望を叶えると信じています。

シルクブランド「DeSilk」のユニークな製品。
写真:シルクブランド「DeSilk」の資料


















 
文:タオ・ヴィー、写真:コン・ダット