ブラジル・ベレンで開催中の国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議（COP30）は17日、閣僚級の交渉が始まりました。産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑える「パリ協定」の目標達成が危ぶまれる中、各国代表は地球温暖化が国民の命や生態系を脅かす現状を語り、対策の強化や、その裏付けとなる資金の確保の重要性を訴えました。

アフリカの島国モーリシャスは「温暖化は私たちの森を焼き、サンゴを死滅させ、回復不能な損害を生態系に与えている」と述べ、世界の対策が依然として不十分だと指摘しました。

EUは、山火事や洪水など災害が頻発し「これまで『異常』とされた状況が『通常』になった。温室効果ガスの削減と（温暖化の影響が深刻化する）現実への適応のため、今こそ共に行動すべきだ」と強調しました。

会議では、発展途上国の温暖化対策を支えるため先進国が拠出する資金が大きな焦点となっています。2035年までに官民合わせて少なくとも年3000億ドルを支援することで昨年合意しており、今年はその実現に向けた道筋を示すことが課題となっています。途上国グループは「必要な規模の資金提供を」と改めて求めました。（共同通信）

(VOVWORLD)