スピーチの中で、ザン大臣は、現在、世界ではかつてない変動や大国間の戦略的競争が激化しており、その空間や範囲を拡大し、強度や対立性も増し、軍拡競争や軍事衝突のリスクも高まっていると指摘しました。また、覇権主義的な思想やナショナリズムの台頭が国際法を脅かし、多国間制度や国際協力への信頼を損なっていると警鐘を鳴らしました。
ベトナムの国防政策について、ザン大臣はベトナムは「4つのノー」の国防政策を堅持しています。これらは軍事同盟に加わらないこと、他国と結託して第三国に対抗しないこと、自国領土に外国の軍事基地を設置・提供しないこと、および武力の行使またはその威嚇を用いないということであると明らかにしました。ベトナム東部海域(南シナ海)問題に関して、ザン大臣は次のように述べました。
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「ベトナムは1982年の国連海洋法条約を順守し、すべての争いを平和的手段で解決するという一貫した立場を堅持するとともに、DOC=海上行動宣言の効果的実施、およびCOC=海上行動規範を早期策定し、地域の平和、安定、航行および飛行の自由を維持することに尽力しています」
さらに、ザン大臣はシャングリラ対話をはじめとする国際的な安全保障フォーラムの重要性を高く評価するとともに、これは各国が見解を共有し、対話を通じて相互理解を深め、実質的で効果的な信頼と協力を構築する貴重な機会であると述べました。
スピーチの締めくくりに、ザン大臣は「戦争による痛みと損失を経験した国として、ベトナムは平和・安定・協力・発展の価値を誰よりも理解している」と強調したほか、ベトナムは今後も独立・自主の外交政策、多国間主義と多様化を推進し、国際社会における「信頼に足るパートナー」「責任あるメンバー」として、積極的に国際統合を進め、世界の政治・経済へより多く貢献していく」と明らかにしました。
(VOVWORLD)