フランスのマクロン大統領は24日、今年9月に開催される国連総会でパレスチナ国家を承認する意向を表明しました。フランスは地域の平和につながるとして、他国にも同様の対応を働きかけていく方針ですが、イスラエルやアメリカは強く反発しています。
マクロン大統領は、パレスチナ自治政府のアッバス議長に宛てた書簡をSNS「X」で公表し、「中東における公正で持続可能な平和への歴史的な責任を果たす」とした上で、フランスが主要な西側諸国に先駆けてパレスチナ国家を承認する考えを示しました。そして、「9月の国連総会でこの厳粛な発表を行う」と述べました。
これに対してイスラエルのネタニヤフ首相は、「この動きはテロに報いるものであり、イランの代理勢力を新たに生み出す危険がある」として非難しました。さらに「このような状況下でのパレスチナ国家は、イスラエルと平和に共存するためではなく、イスラエルを消滅させるための発射台になりかねない」と懸念を表明しました。
また、イスラエルのカッツ国防相も「テロリズムへの屈服だ」と強く批判し、「われわれの安全と国家の存在を危険にさらすようなパレスチナ国家の設立は認められない」と述べました。
アメリカのルビオ国務長官も、「マクロン大統領の計画を強く拒否する」として、「この無謀な決定はハマスのプロパガンダを助長し、和平の実現を遠ざけるものだ。これは10月7日の犠牲者への侮辱でもある」と述べました。
アメリカ政府は6月に発出した外交公電で、パレスチナ国家の一方的な承認に反対する姿勢を示しており、こうした措置はアメリカの外交政策上の利益に反し、望ましくない結果を招く可能性があると警告しています。
一方、フランス政府関係者によりますと、当初はフランスとサウジアラビアが6月に共催を予定していた国連会議で、イスラエルの安全を確保しながらパレスチナ国家樹立への道筋を提示することが検討されていました。
この会議はその後、アメリカの圧力やイスラエルとイランの間で起きた空爆の影響を受けて延期され、7月28日から29日にかけて閣僚級で開催される予定です。(ロイター)
(VOVWORLD)