トランプ大統領をめぐっては、ホワイトハウスの大統領執務室でウクライナのゼレンスキー大統領と衝突し、ロシアとウクライナの紛争をめぐるアメリカの対応に緊張が生じています。
フランスのAFP通信によりますと、ペスコフ報道官はトランプ政権について「あらゆる外交政策の構成を急速に変えつつある」とした上で、「われわれのビジョンとおおむね一致している」と発言しました。
さらに、米露関係の改善には「長い道のりになる。なぜなら、二国間関係のあらゆる分野が多大なダメージを受けているからだ」と指摘しました。そのうえで、プーチン大統領とトランプ大統領の「政治的意志」が維持されれば、「この道はかなり早期に成功する可能性がある」と語りました。
アメリカの日刊紙ニューヨーク・タイムズによりますと、ペスコフ報道官の発言は2月26日のものとされ、トランプ大統領とバンス副大統領が28日にゼレンスキー大統領と激しい口論となり、予定されていた鉱物資源協定の協議が頓挫する前に収録されたということです。
トランプ大統領はゼレンスキー大統領に対し、ウクライナは「今、あまりよい立場にはない」と指摘し、「第三次世界大戦を賭けたギャンブルをしている」と非難しました。さらに、アメリカが仲介するロシアとの和平交渉について「あなたが取引に応じるか、われわれが手を引くかだ。われわれが手を引けば、あなたはとことん戦い抜くしかなくなる」と迫りました。
この騒動を受け、トランプ政権がロシアと通じているのではないかとの批判が相次いでいます。共和党のマコウスキー上院議員(アラスカ州)は「ホワイトハウスがプーチンを受け入れようとしているように見える」と非難しました。民主党のマーフィー上院議員(コネチカット州)は2日、CNNの番組で「トランプ政権はクレムリンの片棒を担いでいる」と述べました。
トランプ大統領とゼレンスキー大統領の会談決裂により、ロシアとウクライナの和平交渉の行方は不透明となりました。トランプ大統領は会談後、「アメリカが関与する和平の準備ができていないと判断した。和平の準備ができたら戻ってくればいい」とSNSに投稿しました。(Forbes JAPAN)
(VOVWORLD)