WHOのテドロス事務局長は22日、スイスのジュネーブにある本部で定例の記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大によって少なくとも68か国で定期的な予防接種が行えず、1歳未満の子どもおよそ8000万人に影響が出るとの見通しを示しました。
そのうえで、「子どもが予防接種を受けられないことは、命を脅かすことにつながる」と強い懸念を示しました。
また、会見にはユニセフのフォア事務局長もテレビ会議形式で出席し、特にはしかとポリオの予防接種を受けられずにいる子どもが多く、大きな影響を受けていると述べました。
その理由については、間隔を取らずに行う予防接種が中止されていることや、医療施設がウイルスへの対応でひっ迫していること、それに新型コロナウイルスへの感染を恐れて、保護者が子どもの予防接種を控えていることなどがあげられると指摘しています。
フォア事務局長は、「予防接種を受けられずにいる子どもを追跡し、確実に受けられるよう努めるべきだ」と述べ、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、ほかの病気にかかることを防ぐ必要があると訴えました。