ADB=アジア開発銀行は11日、フィリピンのマニラで発表した「アジア開発見通し(ADO)」の中で、ベトナムの2024年と2025年のGDP国内総生産の成長率見通しを上方修正しました。これに基づき、ベトナムの2024年のGDP成長率見通しは6.0%から6.4%に、および2025年の6.2%から6.6%へと上方修正されています。そのほか、貿易取引活動は予想より活発になり、輸出製品の製造加工が強く回復し、財政支援措置を講じ続けることは経済成長の推進につながる要素であるとのことです。
一般的に、アジア・太平洋地域の経済が今年と来年にも安定した成長率を維持しますが、アメリカのトランプ次期大統領政権の政策変更が同地域の長期的展望を左右するとADBは予想しています。アメリカの貿易、財政、移民政策の変更が、アジア・太平洋地域の開発途上国における成長を鈍化させ、インフレ圧力を高める可能性があるとしています。これらの重要な政策変更は、時間をかけて段階的に実施される見込みであるため、地域経済への影響は2026年以降に顕在化する可能性が高いと予想されます。しかし、政策が予想よりも早期に実施された場合や、アメリカの企業が関税回避を目的に輸入を前倒しする場合には、影響が早期に現れる可能性があると指摘しています。
アジア・太平洋地域の途上国経済の2024年の成長率は4.9%と予測され、ADBの9月時点の予測値5.0%から若干下方修正されました。2025年の成長見通しは、主に南アジアにおける内需の弱さが影響し、前回予測の4.9%から4.8%に引き下げられました。
短期的には、この地域における経済見通しは、多くの国で比較的安定した状況が維持される見込みです。中国の成長率見通しは、2024年が4.8%、2025年が4.5%と据え置かれています。東南アジアの今年の成長見通しは、製造業の輸出と公共投資支出の増加により、前回予測の4.5%から4.7%へと引き上げられ、来年の見通しは4.7%に据え置かれたということです。
(VOVWORLD)