今年の成長率予想は３．０％に据え置きましたが、２０２３年は２．２％とし、６月予想の２．８％から引き下げました。

「世界経済は、ロシアによる正当化できない違法なウクライナ侵略戦争をきっかけに勢いを失った。多くの国で成長が止まり、経済指標は減速の長期化を示している」と述べました。

来年の世界の総生産は侵攻前の予想より２兆８０００億ドル減少すると予想しました。減少幅はフランスのＧＤＰ＝国内総生産に相当するとしています。

ロシアのウクライナ侵攻の影響が直撃する欧州の見通しが特に悪化します。ユーロ圏の成長率は今年の３．１％から来年は０．３％に急減速すると予想しました。来年の予想は１．６％から大幅に下方修正しました。特にロシア産エネルギーへの依存度が高い域内最大の経済国ドイツは来年の予想をプラス１．７％から０．７％のマイナスに引き下げました。

欧州に比べ、エネルギーの輸入依存度がはるかに低いアメリカも減速を見込みます。特に米連邦準備理事会（ＦＲＢ）が積極的な利上げを実施していることもあり、今年の予想も２．５％から１．５％に引き下げ、来年は１．２％から０．５％に下げました。

ゼロコロナ政策が経済の重しになっている中国は今年が３．２％、来年は４．７％と予想しました。従来予想の４．４％、４．９％から下方修正しました。

主要国の見通しが軒並み悪化したにもかかわらず、ＯＥＣＤはインフレに歯止めを掛けるために一段の利上げが必要と指摘しました。２３年の政策金利を、アメリカが４．５─４．７５％、イギリス４．２５％、ユーロ圏４％と予想しました。日本は現行と変わらずと予想しました。（ロイター）