中国から始まった新型コロナによる被害の中心は欧米へと移っています。今後、医療が脆弱な途上国で被害が拡大することも警戒されています。世界全体の死者数は約10万8000人で、その2割をアメリカが占めます。
アメリカの死者数は今月6日に1万人を超え、9日にスペインを抜き世界で2番目の多さとなりました。1カ月前の米国の感染者数は約1000人、死者数は約30人でしたが、東部ニューヨーク州を中心に感染が急速に拡大しています。隣接するニュージャージー州、中西部の大都市シカゴやデトロイト周辺でも多数の死者が出てます。
ニューヨーク州のこれまでの死者は8000人超です。ただ入院者の増加ペースは鈍化しており、クオモ知事は11日、他人と一定の距離を取る外出制限などの対策が効果を上げているとの認識を改めて示しました。
一方、欧州全域と米国を比べると死者、感染者数とも依然として欧州が大きく上回っています。米メディアによりますと、人口10万人当たりの死者数はイタリアが32人で、アメリカは6人です。感染者数に対する死亡率も統計上、アメリカは欧州よりかなり低いです。
米政権対策チームのファウチ国立アレルギー感染症研究所長は、アメリカの死者数は6万人程度まで増えるとの見通しを示しています。
