外出制限により世界の人口の4割超が自宅待機を迫られていますが、世界的な感染拡大は止まっていません。新型コロナの対応は長期戦となりそうです。
アメリカの感染者数は23万6339人、死者数は5648人となりました。感染者数は世界の2割、死者数で1割を占めます。重症患者を適切に治療できない「医療崩壊」の懸念も強まっており、病床や医療機器の確保が急務となります。アマゾン・ドット・コムは飛沫感染を防ぐ「N95」と呼ばれるマスクなどの一般販売を中止し、医療機関への供給を優先します。
特に、全米の感染者数の4割超を占めるニューヨーク州では医療機器の不足が深刻です。2日に記者会見したクオモ・ニューヨーク州知事は「このペースで感染者が増えると、6日後に人工呼吸器が足りなくなる」と訴えました。人工呼吸器を必要とする患者は毎日350人ペースで増加しています。生産能力を持つ企業などに対し、「価格を上乗せして購入するのですぐに作って欲しい」と呼びかけました。
欧州では死者の増加が顕著です。イタリアは死者が1万3915人となり、世界の3割弱を占めました。スペインの死者は2日、1万人を突破しました。首都マドリードでは死者が増え続け、スケートリンクを臨時の遺体安置所としています。
もっともイタリアやスペインにおける感染者数の伸び率は低下しており、世界保健機関（WHO）幹部もイタリアについて「近く安定する」との見方を示しています。イタリアの感染者数は11万5242人、スペインは11万238人となりました。
欧州でも医療現場の混乱は続いており、マスクなど基本的な医療用具の不足でイタリアとスペインでは医療従事者数千人が新型コロナに感染しています。イギリスでは、航空機大手エアバスやロールス・ロイスなどからなる企業コンソーシアムが2日、週1500台の人工呼吸器を生産できる体制を数週間以内に構築すると発表しました。英ジョンソン首相が人工呼吸器などの生産支援を要請し、これに応じました。
ロシアではプーチン大統領が2日、5日までとしていた自宅待機を求める「非労働日」を30日まで延長すると発表しました。フランスでも、15日までとしていた外出制限を延期する可能性が示唆されました。各国の新型コロナ対策は長期戦となりそうです。
ソース：VOV
