気候変動という課題に直面する中、ベトナム北部ラオカイ省のホアンリエン国立公園緩衝地帯に暮らす女性たちは、現在に適応した自然と文化遺産の保護に取り組んでいます。
ホアンリエン国立公園は極めて貴重な生態系を有しており、長年にわたり先住民族が築き上げてきた独自の文化が蓄積されている場所でもあります。ここでは、人間と自然、そして伝統的な知恵が密接に結びついてきました。しかし、異常気象を伴う気候変動や、経済発展、集約農業、マスツーリズムによる圧力は、現地の生態系や生計に大きな試練を与えています。こうした状況の下、タヴァン村とバンホー村の女性たちは、生計を維持しながら文化的なアイデンティティを守るための適応策を模索しています。
山岳地帯の女性たちによる文化継承 その取り組みと歩み(写真:Thuỷ Tiên/VOV)
タヴァン村のスン・ティ・ランさんは、次のように明らかにしました。
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「ムオンホア協同組合では現在、観光と農業を組み合わせたリサイクル錦織製品の製作に取り組んでいます。村の人々が使い古した手作りの衣装や刺繍、織物のパーツを回収し、それらを新しい製品へと作り替えて市場に出しています」
持続可能な生計の確立や観光のあり方、そして変化への適応は、未来を育むための具体的な一歩となっています。同じくタヴァン村のジャン・ティ・タンさんは次のように述べています。
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「私たちが守りたいのは、母から子孫へと受け継がれてきた伝統的な描画や刺繍の技術です。錦織製品の販売に加え、観光客には蜜蝋による描画や刺繍の体験を提供しています。これにより、自らの文化を広めるとともに、若い世代へと技術を継承していきたいと考えています」
こうした女性たちの姿に触発され、2024年7月から2025年12月にかけて、ベトナム国家大学ハノイ校・資源環境研究所、イギリスのハル大学、ラフバラ大学、そしてベトナム女性博物館の専門家チームによる共同研究プロジェクトが実施されています。プロジェクトのテーマは「気候変動に適応するベトナム人女性のエコツーリズム・ストーリー」です。このプロジェクトは、ホアンリエン国立公園周辺に住む少数民族の女性による自然・文化保護を支援し、気候変動下における持続可能な開発の先駆者としての彼女たちの役割を記録することを目的としています。
ベトナム国家大学ハノイ校・資源環境研究所のブイ・ゴック・クイ副所長は次のように述べています。
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「私たちの研究は、現地の女性たちが生活の中でどのように変化を察知し、適応策を見出してきたかを明らかにすることを目的としています。また、新たな環境下での生計に関する調査を行い、彼女たちが伝統文化や価値観をいかに守り抜いているかに焦点を当てています」
山岳地帯の女性たちによる自然・文化遺産保護の歩みは、ハノイ市内のベトナム女性博物館で、4月10日まで開催されている展示会「雲の頂に緑を蒔く」で鮮やかに再現されています。この展示会では、少数民族モン族、ザオ族、ザイ族、タイ族、タイー(Tay)族の女性たちの生活や、持続可能な生計を通じて新たな気象条件に適応しようとする彼女たちの懸命な姿が描かれています。
[VOVWORLD]