第80回国連総会の「国際法週間」にあわせ、ベトナムは10月31日、シンガポールと共に「国連公海等生物多様性協定(BBNJ)の効果的実施に向けた準備・課題と機会」をテーマにした国際シンポジウムを共催しました。
シンポジウムには、海洋法の第一線で活躍する専門家や研究者のほか、世界およそ100か国の代表が参加しました。
BBNJ協定は、国連海洋法条約(UNCLOS)の枠内で採択された新たな国際文書で、2025年9月19日に批准国数が60に達したことで、2026年1月17日に正式に発効する見通しです。
この協定は、公海における海洋生物多様性の保全と持続的利用を目的とする国際社会の重要な前進であり、海洋遺伝資源の利用と利益の公正な分配、海洋保護区の設定と管理、国家管轄権外活動に対する環境影響評価、能力構築と海洋技術移転という4つの柱で構成されています。
協定の発効を前に、シンポジウムでは「批准は出発点にすぎず、実効性を確保するには準備委員会での制度設計が急務」との認識が共有されました。各国は今後、運営規則や手続きを早期に整備し、2027年1月までに開催予定の第1回締約国会議(COP1)以降、協定が円滑に機能できるよう取り組む必要があると強調されました。
(VOVWORLD)