歓迎式後、両首相は会談に臨みました。

席上、両首相は、両国の協力関係の成果を高く評価するとともに、各レベルの訪問団の往来維持や、新たな段階における行動計画の作成、2021年～2025年期における両国間の経済協力強化戦略の実施計画の効果的展開、国防安全保障・司法・教育訓練・科学技術など分野における協力強化などで一致しました。両首相は適当な時期に両国関係を包括的な戦略的パートナーシップに格上げすることで合意しました。

チン首相は、「インフラ整備や情報通信、金融銀行、教育、ハイテク農業、グリーン転換、デジタル転換などあらゆる分野においてベトナムへ投資を行うオーストラリア企業に便宜を図る」と確約するとともに、オーストラリア側に対し、鉱産物や、農業、電子商取引、航空、観光などの分野においてオーストラリアへ投資を行うベトナムの企業に好ましい条件を提示するよう要請しました。

一方、アルバニージー首相は、「オーストラリアはベトナムとともに、国防安全保障などの分野で協力を拡大していきたい意向がある」と明らかにするとともに、ベトナムへのODA政府開発援助の維持や、オーストラリアに留学するベトナムの学生への奨学金の増額、両国を結ぶ直行便の増便、デジタル経済・デジタルトランスフォーメーションにおける協力強化などに賛同しました。また、インフラ整備や気候変動への対応、エネルギー転換などの分野でベトナムをサポートしていくと確約しました。

ベトナム東部海域（いわゆる南シナ海）を巡る問題に関し、両首相は、この海域での平和、安定、安全保障、航行の自由確保、UNCLOS＝1982年国連海洋法条条約を含む国際法に基づく紛争の平和的解決の重要性を強調しました。

会談後、両首相は、ハノイ・メルボルンを結ぶ直行便の開設に関する覚書を含む両国の協力合意書の調印式に立ち会いました。その後、記者会見に臨み、会談結果について紹介しました。
席上、両首相は、「会談は重要な成果を収めた。双方はこれまで達成されてきた両国間の合意を効果的に展開していくことで一致した」と明らかにしました。

また、「双方は両国間の商取引総額を２００億ドルにするという目標を実現するために取り組む。オーストラリアはベトナムがオーストラリアへ農産物を輸出することに好ましい条件を提示していく」と確認しました。