会談で、チョン書記長は、ベトナムとアメリカは両国の協力関係を拡大し、その中で、経済と科学技術の協力を両国関係の重点と原動力にする必要があると提案しました。また、国防・安全保障に関する協力合意書の展開や、持続可能な貿易の促進、サプライチェーンの確保のほか、ロジスティックス、デジタル経済、グリーン転換などの新しい分野において協力を推進するよう訴えました。そして、チョン書記長は戦争被害の克服や、国連平和維持活動、越境犯罪防止対策などの分野においても協力をさらに拡大したいとの考えを示し、優先課題の一つとされている気候変動対応において引き続きベトナムをサポートするよう呼びかけました。

さらに、チョン氏は、ベトナムは、メコン川流域の平和・協力・持続可能な開発、およびアメリカで開催されるAPECアジア太平洋経済協力首脳会議2023の成功のために引き続きアメリカを含む関係各国と緊密に連携していくと強調しました。

一方、バイデン大統領は、「ベトナムはアメリカの重要なパートナーであり、『独立・自強・繁栄』のベトナムを支持する」と述べ、ベトナムの独立・主権・領土保全・政治体制を尊重することを再確認しました。また、貿易、再生エネルギー、エネルギー転換、気候変動対応などは両国関係の有望な分野であるとし、アメリカが主導する新たな経済圏構想「インド太平洋経済枠組み」の交渉においてベトナムの協力を希望していると明らかにしました。そして、バイデン大統領は、インド・太平洋地域の平和と繁栄の促進を約束し、ASEAN東南アジア諸国連合の中心的な役割を支持すると述べました。

ベトナム東部海域（南シナ海）問題について、両指導者は、同海域の平和・安定・協力・航行の自由確保のほか、DOC海上行動宣言の完全履行、および1982年国連海洋法条約をはじめとする国際法に見合う効果的なCOC海上行動規範の早期作成を支持することで一致しました。

そして、チョン書記長とバイデン大統領は、相手国への公式訪問について、関連省庁に調整を依頼するとしています。

ソース：VOVWORLD