ソン・ラー省バック・イエン町のター・スア（Ta Xua）は雲の桃源郷、樹齢数百年のシャン・トゥエット茶の樹、そして手付かずのモン族の文化などの自然から与えられた独特な美しさを体験した訪問者を魅了します。
ター・スアはバック・イエン町から１５km足らずですが、多くの急な斜面を乗り越えなければならず、山腹を蛇行する省道１１２号線を通ってター・スア山頂に到達します。標高１,５００m以上に位置するター・スアは雄大な山々がそびえ、冬の朝日が差し込む美しい雲の桃源郷としても有名です。
ター・スアの桃の花の季節は通常、12月から翌年の1月末まで。
写真：チン・ボ/ VNP
ター・スア村のモン族の人々
写真：タイン・ザン/VNP
毎年10月から4月まで、ほぼ毎日、雲が降り注ぐター・スア山頂。
写真：タット・ソン/ VNP
ター・スアのカフェで雲の川を見る観光客。写真：タイン・ザン
ポー・ムーの木の板で覆われた伝統的なモン族の家の屋根の上を飛ぶ白い雲。写真：グエン・タン
ター・スアは毎年１０月から翌年４月まで曇りの日が多く、下の谷に白い雲が浮かんでいるのをいつも見れるとは限りません。ここのモン族の人々の話しによると「雲」に出会うためには、前夜がモンスーンだった日または小雨だった日を選ぶ必要があるそうです。谷が晴れた朝の早い時間に雲が戻ってきます。
私たちは以前「雲を狩る」ために何度かター・スア地域に来たことがありますが、雲が浮かんでいるのを見たことは一度もありませんでした。今回の旅行で、幸い「雲海」が目の前に現れました。白い雲が浮かんで、丘の上を漂い、峠の周りにこぼれ落ち、山が隠れたり、雲海の後ろに現れたりします。
タ―・スアにある200年以上前の古代の茶畑でシャン・トゥエットのお茶を摘むモン族の女性。写真：ホアン・ハー
雲の楽園とともに、タ―・スア山頂にはここのモン族の人々の歴史、文化、ライフスタイルに密接に関係する樹齢数百年のシャン・トゥエット茶の樹があります。茶の樹は人の影響を受けずに自然に育ちました。幹は苔で覆われ、何人かが登って同時にお茶の葉を摘むことができるので、古代の茶の樹を眺めに来た観光客は地元の人とお茶を摘む体験ができます。
茶葉をかき混ぜて乾かすムア・ティー・トンさん（右側）。
写真：トン・ティエン
ター・スアのシャン・トゥエット茶には白いつぼみと大きな葉があります。ここの人々は若い茶葉の柔らかさを感じ、より美味しいお茶を飲むために手でお茶を摘みます。ター・スアのお茶は蜂蜜に似た黄色で、飲むと最初は刺激的な味で、次に甘くなり、他のお茶と比べて特別な味がします。現在、ター・スアではタイ・バック茶特産物株式会社が現代的なお茶を加工するラインに投資し、先住民のモン族の長年の経験を組み合わせた最新の技術プロセスを用いています。そのおかげで、シャン・トゥエット茶製品は非常に特徴的な自然の風味を常に保ち続けています。
ター・スア町の中心。写真：チン・ボ－VNP
今日のター・スア町の中心は「サパ」のミニチュアのようで、地元の人々は観光客にサービスを提供し始めました。ター・スア町の真ん中で各家族は観光客に食料品、お土産を販売し、多くのレストランや飲食店を営業しています。それはター・スア町の人々が観光ビジネスの発展に向けた第一歩を踏み出したことを示しています。
ター・スアの「雲の楽園」に加えて、多くの人に知られている美しい雲の観察スポットの一つはハン・ドン町の「恐竜の背骨」です。ター・スアから１３km、海抜約１,８００mにある「恐竜の背骨」は起伏の激しい地形で、眠っている恐竜のような形をしています。ここはバク・イェン高原の美しい雲の観察スポットの一つでもあります。雲ひとつない日は「恐竜の背中」の山の頂上に立って、美しく詩的な段々畑、栗の森、ポムの森、甘い緑茶の森を眺めます。
「恐竜のバックボーン」のサイトを歩く観光客。写真：タット・ソン
何世代にもわたってモン族の人々が住む「恐竜の背骨」地域。写真：トン・ティエン
ター・スアを愛する人にとって「イルカの口」は見逃せません。この崖は雲の「海」の間を泳ぎまわる２頭のイルカのような二つの大きな岩で形成されています。「イルカの口」を訪れた観光客は誰もがみんな興奮します。
「イルカの口」を訪れる観光客。 写真：コン・ダット
「ター・スア雲の楽園」はバク・イェン郡が投資し、インフラシステムの改善や自然景観保護に関連する多様でユニークな観光商品を備える観光開発計画を完了しました。このことは国の文化的アイデンティティを促進し、省内の観光名所に接続し、イェン・バイ省のチャム・タウ地域に繋がる観光ルートにおける重要な架け橋となりました。
文：フォン・トゥー
写真：グエン・タン、ホアン・ハー、タット・ソン、チン・ボー
タイン・ザン、コン・ダット
翻訳者：ホアン・ミン・フオン
