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肖像

グエン・タイン・リエム教授・博士 :「神の手」を持つ小児外科医

ビン・メック幹細胞・遺伝子技術研究所の所長グエン・タイン・リエム(Nguyen Thanh Liem)博士はベトナム医学の歴史に残る多くの複雑な手術に成功し、2019年にシンガポールの科学誌「アジアン・サイエンティスト」が発表した、投票による「アジアの科学者トップ100人」に選出された二人のベトナム人科学者の一人です。
信じられないほどの手術を行った40年の医学キャリア
グエン・タイン・リエム教授・博士は科学誌「アジアン・サイエンティスト」からアジア地域の優れた科学者に生命科学分野で選ばれ、国際大学(ホーチミン市国家大学)のベトナム人科学者グエン・ティ・ヒエップ博士と共に表彰されました。科学誌「アジアン・サイエンティスト」の研究業績の要約の中に、リエム博士が国の医学に打ち込んでいた間に成し遂げた一連の業績が掲載されています。
グエン・タイン・リエム博士は中央小児病院で40年間、腎臓移植、肝臓移植、結合双生児を分離する手術などを行い、小児腹腔鏡手術を国内で最初に成功させました。特に、リエム博士が行った最も複雑な手術は17年前の胸骨から腹部までくっついた双子のクックとアンを分離する手術でした。 クックとアンの分離手術は約10時間に及び、胸骨、心膜腔、肝臓、十二指腸、小腸などの接合部位が正常に分離されました。当時(2003年)ベトナム写真新聞を含むマスコミは、この特別な手術について頻繁に報道しました。現在、二人の少女クックとアンは18歳になりましたが、リエム博士とその年に彼女を介護した医師たちをいつも命の恩人として感謝し、特にリエム博士を「二番目の父親」と思っています。



2003年10月15日、世界では比較的まれで、ベトナムで最も複雑な分離手術が行われる24時間前の
レー・ティー・トゥー・クックとレー・ティー・トゥイ・アンと母親。
撮影:レー・アン・トゥアン



2003年10月16日の午前6時30分に始まった手術。写真:レー・アン・トゥアン


結合双生児クックとアンの分離手術中に検討を行うグエン・タイン・リエム博士と外科チーム。写真:レー・アン・トゥアン


手術からほぼ3年後、、2004年1月に出版されたベトナムフォトジャーナルNo. 541に掲載された自分の写真を見るクックとアン。写真:チョン・チン


2006年9月17日、2人の特別な患者に会うためにタンホアを訪れたグエン・タイン・リエム博士。
博士と国立小児病院外科チームの各医師はクックとアンの家族から恩人として感謝され、リエム博士は
二人の少女から「第二の父親」と思われている。写真:チョン・チン



分離手術が成功してから3年後の2016年9月17日、母親のチン・ティー・ビンの腕の中にいる
二人の幼児、クックとアン。写真:チョン・チン



グエン・タイン・リエム博士の複雑な手術から16年後、瞬く間に背の高さが1m68(クック)と1m65(アン)になった二人の少女、クックさんとアンさん。
写真:トゥオイ・チェー新聞

 

リエム博士は自身の生涯を人々の病気の治療に捧げ、多くの臓器移植を成功させた業績に対してホーチミン賞(2005年)を受賞しました。またベトナムタレントアワード(2012年)の授与対象となった子供の腹腔鏡手術に関する研究プロジェクトの著者グループの一人でもあります。これらの科学的研究はベトナム医学の手術に新しい方向性を開き、世界の小児医療界にベトナム人医師の名前を刻みました。

グエン・タイン・リエム博士は9例の新しい腹腔鏡技術による小児腹腔鏡手術を行ったアジアでのフロントランナーであり、国際医学の成果に貢献しています。特に、総胆管嚢胞の手術の分野では、56件の研究と500例以上の手術、300例以上の横隔膜ヘルニアの腹腔鏡手術を行ってきました。リエム博士は英国と米国の医師向けの小児科の教科書で一般的な胆管嚢胞に関する章を執筆するように依頼されました。また、中央小児病院で骨髄移植、膵臓不全、溶血の分野に幹細胞移植の適用を研究したパイオニアでもあります。
2018年、リエム博士は小児腹腔鏡手術と幹細胞移植分野における貢献により、名誉ある日経アジア科学技術賞を受賞したベトナムで最初で唯一の医師です。


グエン・タイン・リエム博士は200件の医学研究を行っており、米国およびヨーロッパ各国の権威ある医学雑誌に84の研究論文が掲載されている。また米国、英国に出版された小児外科に関する教科書2冊とベトナムで出版された4冊の本の共著者でもある。

造血幹細胞移植 - ベトナム医学の大きな成果
造血幹細胞移植はグエン・タイン・リエム博士が中央小児病院の院長を務めていた時に長年温め、熱意のこもった科学的研究です。その時、博士はベトナムで初めて幹細胞移植を成功させ、乳児の肺線維症と髄膜ヘルニアの小児の腸障害を治療しました。さらに、博士と同僚は骨髄腫、脊髄損傷による脊髄麻痺、先天性胆道閉鎖症、変形性膝関節症、小児の肝硬変など、他の多くの病気を治療するために多くの幹細胞移植を行いました。

リエム博士によると2012年に中央小児病院を退職した後、科学研究が「熟した」時期となりました。持ち前の熱意と経験を活かしてベトナム医学に貢献し続け、特に「造血幹細胞移植」を患者の治療に応用しました。ビン・メック病院から院長としての招聘を受け入れ、この科学的手法を実際に行い、自閉症と脳性麻痺の子供たちに最良の治療の方向性を開きました。現在、ビン・メック幹細胞・遺伝子技術研究所の所長を務め、同僚と共に医療および科学研究に取り組んでいます。



2020年1月、小児外科の分野で国の医学に多くの貢献をしたグエン・タイン・リエム博士。写真:ヴィエット・クオン


ベトナムで開催された国際会議で造血幹細胞移植に関する科学的研究を報告するグエン・タイン・リエム博士。写真:資料


2018年、アジアの人々の生活を変える小児腹腔鏡手術と幹細胞移植の分野での貢献により
日経アジア賞を受賞したグエン・タイン・リエム博士。写真:資料



ベトナム医学との協力に常に関心を持つ医師、医療専門家の同僚と国際会議で意見交換をするグエン・タイン・リエム博士。写真:資料


ヴィン・メック病院で幹細胞移植を受けた患者の脈拍をチェックするグエン・タイン・リエム博士。写真:ヴィエット・クオン


出生直後新生児に臍ヘルニア手術を行うグエン・タイン・リエム博士。写真:資料


脳卒中治療後の患者を問診する時のグエン・タイン・リエム博士の優しい笑顔と気配り。
写真:ヴィエット・クオン


常に若い外科医が手術に参加できる環境を整え、学生のスキルを向上させるために
指導・訓練するグエン・タイン・リエム博士。写真:資料



ベトナムで最初の肺線維症幹細胞移植を受けた子供の父親と喜びを分かち合うグエン・タイン・リエム博士。写真:資料

脳性麻痺の子供たちの多くは治療後に運動機能と知的発達が改善し、子供たちの生活が変化しています。幹細胞移植技術はリエム博士によって自閉症治療、先天性胆道萎縮、新生児の髄膜ヘルニア肺線維症、さらに成人の肝硬変や変形性関節症の治療の研究に広められています。
脳性麻痺を治療するための幹細胞移植が初めて成功したことにより、リエム博士とヴィン・メックの同僚は今日の子供たちに最も高い確率で障害を引き起こす病気に対する最適な治療の方向性を早急に開き、ヴィン・メックが東南アジアで最も現代的な幹細胞研究・開発センターになることを目指しています。


文:ビック・ヴァン
写真:ヴィエット・クオン、ベトナムフォトジャーナルの資料

隈研吾 – 建築専攻のベトナム人学生にインスピレーションを与える人

隈研吾 – 建築専攻のベトナム人学生にインスピレーションを与える人

日本の建築家、隈研吾氏は教育者であり、世界的に有名な建築家です。彼はベトナムで両国間の友好の象徴となる多くのプロジェクトをデザインしてきました。ハノイ建築大学でのセミナー「自然とともに生きる」における講演は、将来建築家を目指すベトナム人学生にインスピレーションと知的エネルギーを与えました。

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