22/10/2018 08:24 GMT+7 Email Print Like 0

手足に障害抱え…つかんだ画家の夢 ベトナム人の枯れ葉剤被害者、日本で伝えたいこと

 ベトナム戦争中、米軍が使った枯れ葉剤の被害者で画家のレ・ミン・チャウさん(27)が20日、福岡市早良区の西南学院大チャペルで絵画制作を実演する。手足に障害があり、筆を口にくわえて絵を描く。戦争終結から43年を経ても深刻な枯れ葉剤の影響に苦しみながら、夢をつかんだ体験談も語る。

【写真】チャウさんが描いた作品

 チャウさんはベトナム南東部の農村出身。生まれつき両手が短く、両脚が変形している。生後7カ月で孤児となりホーチミン市の施設で多くの枯れ葉剤被害者とともに育った。芸術家を夢見て利き手の左手で絵を描き始めたが、施設職員は「夢物語」とつれなかった。その後、両親の所在が判明し17歳で帰宅。だが家族との心の距離は遠く、絵を描いて寂しさを紛らわせた。
 20歳の時、ホーチミン市で1人暮らしを始め、職業訓練のために絵画学校に入学。口で筆を固定して描く方法を身に付けた。絵が上達するとアトリエを提供してくれる人も現れ、さらに絵に没頭した。2016年のアカデミー賞では、チャウさんを追った短編ドキュメンタリーがノミネートされ、その名が国内外で知られるようになった。

 精巧な肖像画のほか即興で植物などの水彩画も描く。日本で伝えたいのは、とことん夢を追うことの大切さ。「頑張ればかなえられることを証明したかった」。次なる夢は、自らのギャラリーに飲食店を併設させ、枯れ葉剤被害者を雇うなど仲間の自立を後押しすることだという。

 当日はベトナムの国立歌舞団による民族楽器などの演奏に合わせて絵を描き上げる。作品13点の展示即売もある。日本とベトナムの外交関係樹立45周年を記念し在福岡ベトナム総領事館などが主催する。午後6時開演。協力金として入場料千円(高校生以下無料)。日本ベトナム平和友好連絡会議福岡事務局=092(821)3688。
ソース:西日本新聞社