今回ハノイ美術館で開催された展覧会「デイヴィット・トーマス氏と仲間たち」の話に戻りますが、デイヴィット・トーマス氏はベトナムの若い芸術家たちと出会い交流した時、とても感慨深いものがありました。彼は、特に自分の才能を愛し、尊敬していたベトナム人の友人たちと仕事をすることで、若返ったように感じたと語っていました。彼と共に作品を展示しているグエン・テ・ソン芸術家は次のように述べました。デイヴィット・トーマス氏のグラフィック作品を見ていると、芸術家の無限の創造性を感じます。彼の脳から撮られたパーキンソン病のネガフィルムの写真は、人生についてのメッセージを含む非常に人間的な意味を持っています。芸術的才能のある人は、パーキンソン病を絵に描いたネガフィルムのように、人生の非常に小さな細部からでも芸術を生み出すことができます。今回ベトナムで展示されるデイヴィット・トーマス氏の作品の多くは、彼がパーキンソン病との闘い期間中に製作した一連のグラフィック作品の一部で、この病気はベトナムでの戦争中にエージェント・オレンジ(枯葉剤)を浴びたことが原因の一つとして特定されています。