龍の島々で

龍の島々で

 

ベトナム人は海を征服するという夢を抱いて、古来よりトンキン湾の各地に龍にまつわる伝説を生み出してきました。例えば、ハイフォン市には「白い龍の尾」を意味するバック ロン ヴィと呼ばれる島地区があります。クアンニン省には「龍の赤ちゃん」を意味するバイ トゥ ロン湾という地名にちなんだヴァンドン島地区と「母なる龍」を意味するカイロン港、コートー島地区にはモンロン ロック ビーチがあります。現在、これら3つの島嶼地区は、北部の海洋経済発展における輝かしいスポットとなっています。

コートーの古代の名前はチャンソン(チャン山)で、古くからここは東北の海の船や漁師の住居でした。1832年、ハイアン総督グエン・コン・チューは王宮に対し、村と集落を造り、海からの敵を管理・警備する人々を任命するよう要請しました。北部に平和が回復した後(1954年)、党と国家はコートー島に地区レベルの行政単位を設立しました。

クアンニン省の北東部に位置するコートー島地区は自然面積47平方km以上、人口約6.700人、大小30以上の島からなっています。その中には、コートー、タインラン、チャン島(チャンまたはチャンタイ島としても知られる)の 3つの大きな島があります。コートー島は東の公海に隣接しており、チャン島の海岸からバック ロン ヴィ島地区まで長さ約200kmあります。

コートー島の港。撮影:チュオン・ザン

2013年にコートー島の全国送電網に電力を供給する事業と、水路交通工事の建設への同時投資により、本土から島までの移動距離が短縮されました。一方で、国の送電網とともに水路インフラの整備により、コートー島地区の漁業物流サービスセンターは、コートー島地区の漁民が長期間海に出入りするための強固な支点となりました。

本土から遠く離れた島から、コートー島には現在までに、アオティエン、カイロン(ヴァンドン)、トゥアンチャウ(ハロン)、ブンドゥック(カムファ)の港を結ぶ様々な種類の高速船が30隻以上運航しています。2023年7月、トゥアンチャウ島(ハロン市)とコートーを結ぶ民間水上飛行機が正式に運航され、飛行時間20分未満で観光客を輸送しています。これにより、クアンニン省の開発空間組織の方向性に従って、コートー島が「モチベーション地域」の一部となる前提が生まれました。

コートー島にはモンロン、ホンヴァン、ヴァンチャイ、バクヴァン、ティンイエう、ヴォムシー、ヴンオンビエンなどの美しいビーチが島中に点在しています。滑らかで平らな白​​い砂浜が1kmにわたって続くビーチもあれば、崖の間に位置し、緑のモクマオウの列の周りを曲がりくねったビーチもあります。それだけでなく、コートーの海は密集したサンゴ礁生態系を含む熱帯海の典型的な生態系が数多く存在するため、ベトナム有数の生物多様性とも考えられています。希少価値の高い魚種が多く生息する海産物の宝庫でもあります。

近年、コートーの観光とサービスは劇的に発展し、島地区の経済構造の70%近くを占める重要な経済セクターとなり、毎年30万人を超える国内観光客や海外観光客を迎えています。


上空から見るバック ロン ヴィ島の全景。北と南の2つの雨よけ水門が緊急建設中。
撮影:ホアン・ハー/ベトナムフォトジャーナル

伝説によれば、古代ラックベト族が住む東海は豊かで、深い湾には真珠があり、大きな潟にはナマコ、アワビ、エビ、魚がたくさんいました。それを見た海賊たちはそれを盗もうとしました。 玉皇大帝は南部地域の孫が窮地に陥っているのを見て、すぐに母龍と子龍を助けに送り込んみました。海賊を倒した後、母龍は北の海がダマスク織りのように美しいことを知り、ラックベトの人々を守るために残りました。この伝説を偲んで、人々はトンキン湾沖にある島を「白い龍の尾」を意味するバック ロン ヴィと名付けました。

現在、バック ロン ヴィは、ハイフォン市から約110km離れたトンキン湾の海域に位置する島地区です。面積は2,33平方kmと非常に小さいですが、バック ロン  ヴィ島は戦略的な位置にあり、国防、安全保障、海洋経済発展の点で特別な重要性を持っています。バック ロン ヴィ海域は、海上での漁業や魚介類の開発に適した場所にあります。この海域には400種近くの魚介類が生息し、その多くは高い経済価値を持っています。特にここは栄養価も経済価値も高いアワビの「首都」とされています。

バックロンヴィ島の南水門(メイン側)。
撮影:ホアン・ハー/ベトナムフォトジャーナル

大規模な漁場であることから、バック ロン ヴィ島地区は北部漁業物流および捜索救助センターとなるよう投資され建設されました。バック ロン ヴィの水門と埠頭システムには嵐から避難し、海産物の取引や交換、食料、ガソリン、淡水の供給を行う2千隻近くの船やボートが収容されています。ここは、全国から何千もの漁船が集まる有名な目的地です。

 

バック ロン ヴィには、独特の自然景観があります。トンキン湾で最も発達したサンゴ礁生態系は広範囲に広がっており、かつては最大90%をカバーしていた場所もあります。さらに、島とその沿岸地域では、浮島生態系のグリーンベルト、ビーチ生態系、建設工事および建築工事が大きな観光の可能性を生み出しています。

カムファ市とヴァンドン県を結ぶカムハイ橋 (ハロン - ヴァンドン高速道路)。
撮影:チュオン・ザン

ヴァンドンには、自然の驚異とされるハロン湾の隣にバイトゥロン湾があります。ここは、岩だらけの島々、陸の島々、住宅地が織り交ぜられた複合体で、風や波から守られた穏やかな白砂のビーチが長く続き、ベトナムの生態系の「真珠の原石」であるバイ トゥ ロン国立公園の原生林に囲まれています。ヴァンドンがアオティエン高級港を正式に運用開始したという事実は「ドラゴンランド」の外観を一変させ、近代的な空港を備えたベトナムの島嶼部で最も近代的な空・水・陸の交通インフラシステムを備えた地域となりました。高速道路と旅客港の整備により、古い商業港エリアに新たな魅力を生み出し、バイ トゥ ロン湾開発の勢いを生み出しています。

ヴァンドンは水産養殖にも利点を持っています。統計によると、この地区の魚の養殖面積は1156ha、軟体動物の養殖面積は6288haです。水源、深さ、水の流れ、プランクトンなどの要素に基づいて、この地区の海洋養殖エリアは、トレーサビリティのためにコード化された62の水産養殖施設を備えた71の養殖エリアに分割されています。

ヴァンドンには、自然の驚異とされるハロン湾の隣にバイトゥロン湾があります。ここは、岩だらけの島々、陸の島々、住宅地が織り交ぜられた複合体で、風や波から守られた穏やかな白砂のビーチが長く続き、ベトナムの生態系の「真珠の原石」であるバイ トゥ ロン国立公園の原生林に囲まれています。ヴァンドンがアオティエン高級港を正式に運用開始したという事実は「ドラゴンランド」の外観を一変させ、近代的な空港を備えたベトナムの島嶼部で最も近代的な空・水・陸の交通インフラシステムを備えた地域となりました。高速道路と旅客港の整備により、古い商業港エリアに新たな魅力を生み出し、バイ トゥ ロン湾開発の勢いを生み出しています。

多様な景観と主要な生態系とともに発達した交通インフラを備えているヴァンドンは、国内外の観光客や投資家を惹きつける「黄金の座標」となっており、投資が増加しています。

クアンニン省最大の輸送港の一つで、ここはコートー島、クアンラン島、ミンチャウ島、ゴックブン島を訪れる観光船ルートの活用に重点が置かれるヴァンドン県のカイロン港。
撮影:チュオン・ザン


  • 文:トン・ティエン
  • 撮影:ホアン・ハー、コン・ダット/ベトナムフォトジャーナル、
    チュオン・ザン
  • 訳者:ソン・タム・クエン
    デザイン:チャン・ニュン
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