首都ハノイ - ベトナムの遺産都市

首都ハノイ - ベトナムの遺産都市


千年以上の歴史を持つハノイは文化の首都、文化遺産の都市、平和の都市です。この場所には、数千年の歴史の中で形成され、構築されてきた非常に豊かで独特な文化遺産があります。ハノイは現在、数千の記念碑、祭り、伝統工芸村などの有形無形の文化遺産の数で国内をリードし、その多くがユネスコに登録されています。


2024年、ハノイは首都解放70周年(1954年10月10日〜2024年 10月10日)を祝います。この歴史的な出来事を記念して、ハノイ市は10月にタンロン皇城、文廟-国子監、ホアンキエム湖、旧市街、ホーチミン廟、ホアロー刑務所などのハノイの有名な場所や遺産に関連した数々の特別な文化的イベントを企画しています。それに加えて、国内外の観光客向けの魅力的な遺産探索ツアーが多数あります。


世界遺産タンロン城塞でのアオザイパフォーマンス。
撮影:カイン・ロン/ベトナムフォトジャーナル


25年以上ハノイに住んでいるフレンズオブベトナムヘリテージの会長であるステラ・シオラさんは、ハノイをとても愛し、首都の親切な人々、緑が多い並木道、特にハノイの人々の歴史である人文性のある豊かな人類の遺産が大好きだと話していました。したがって、「ハノイ-ベトナムの文化遺産の目的地」のイメージを海外の友人に広めるために、フレンズオブベトナムヘリテージは毎年、外国人観光客が首都の遺産の美しさを発見できる機会となるよう、ハノイの文化遺産を探索する約40のウォーキングツアーを開催しています。



ステラ・シオラさんだけでなく、ベトナム・パリ地域国際協力支援機構(パリ地域専門-ベトナム-PRX-ベトナム)所長のエマニュエル・セリーズ氏もハノイ文化をこなく愛する建築家で、ハノイに15年近く住んでいます。ハノイにあるフランスの古い別荘遺産の改修と復元に多くの貢献をしてきた同氏は「修復された古いフランスの別荘は過去のハノイの歴史的、文化的、建築的な痕跡の再現に貢献してきました。フランスの作品の痕跡は、チャン・フン・ダオ通り49番地の別荘、オペラハウス、ロンビエン橋などに残され、フランスとベトナムの2つの文化の親密さと類似性があります。これらの建物は特別な文化遺産であり、遺産の目的地になるだけでなく、絵画展やアートツアー、地域活動の企画ができる創造的な文化的空間としても活用できるように保存・修復される必要があります」と語りました。




さらに、ハノイに言及すると、ホアンキエム湖、文廟-国子監、一柱寺、チャンクォック寺、クアンスー寺、ヴォイフック祠、バックマー祠、クアンタン祠、亀の塔ゴックソン祠、フオン寺、タイフオン寺、タイ寺、コーロア城遺跡地域、ホーチミン主席遺跡地域などの有名な国家記念物や遺産について触れない訳にはいきません。


それに加え、ハノイはコーロア祭り(ドンアイン県)、フオン寺の祭り(ミードゥック県)、ドンダー祭り(ドンダー区)、タイ寺祭り(クオックオアイ県)、タイフオン寺祭り(タックタート県)、チャムザン寺祭り(チュオンミー区)などの何千もの独特で魅力的な文化的なお祭りや民間信仰が集まった場所です。また、ハンチョン絵画、カーチュー、サム、ハットヴァン、水上人形劇、ゾイカン、ボート漕ぎ、軍隊の太鼓、チョンボンの踊り、アイラオの歌と踊りなどの各種の芸術、民俗および伝統的演劇があります。さらに有名な伝統工芸品にはヴァンフック絹織物、グーサー青銅鋳造、バッチャン陶器、ハータイ漆などがあります。そしてヴォン村のコム、ハノイのフォー、ブンチャ、ブンタイン、ブンオック、タインチのバインクオン、ラボンのチャーカー、西湖のバイントムなど数え切れないほど有名なベトナム料理の宝庫でもあります。


2024年9月、フィリピンで開催されたアジア・オセアニア地域のワールドトラベルアワードの授賞式で、ハノイは光栄にも「ベトナムを代表する文化的目的地」賞を受賞しました。また、今回の授賞式において三度目となる「アジアを代表する観光都市」賞を受賞しました。これは、ハノイには千年の首都の文化的価値と遺産の共鳴や広がりなど、特別な魅力を持っていることを示しています。

観光開発のさらなる勢いを生み出すために既存の可能性と強みを促進する目的で、ハノイ観光局は2024年に観光遺産の価値促進に関連する遺跡の計画、投資、保存修復に重点を置き、コーロア城西エリア、タンロン皇城王城塞、観光と組み合わせた伝統工芸村の開発などの重要なプロジェクトに焦点を当て、人々の持続可能な生計の創造とハノイの傑出した文化的価値の普及の両方を目指しています。


ホアンキエム歩行者天国でのストリートアートパフォーマンス。
撮影:タイン・ザン/ベトナムフォトジャーナル



タンロンの古い伝統的な踊りである「ダインボン踊り」。
撮影:タイン・ザン/ベトナムフォトジャーナル

特に、タンロン-ハノイの形成と発展のプロセスにおける「生きた博物館」と考えられている旧市街の強みを促進することは、首都の経済および観光開発戦略の優先事項と考えられています。そのため、ホアンキエム湖の歩行者天国、旧市街のナイトマーケット、ランオン通りの漢方を探索する観光、22ハンボン通りの文化センターでの民間芸術のアクティビティなど、多くのプロモーションや観光活動に多額の投資がなされています。これらの活動は、旧市街の遺産を保存し、旧市街の建築空間の強さを促進するだけでなく、ハノイの文化的価値、生活、そして長年にわたる伝統的なライフスタイルを維持し、促進するのにも役立ちます。

持続可能な計画と投資ステップ、そして文化遺産システムの幅広いビジョンにより、ハノイが首都解放70周年記念、そしてユネスコから「平和都市」として表彰されて25周年を迎える2024年に、首都の観光産業は550万人の海外からの訪問者を含む2700万人の観光客を迎え、観光客からの総収入は109兆ベトナムドンを超えると予想されています。

旧市街のハンバック通りで銀細工の仕事を見学する観光客。
撮影:資料/ベトナムフォトジャーナル



ベトナムのユネスコ首席代表のジョナサン・ベイカー氏はハノイの歴史遺産の強みの保存と発展について語り、「ハノイの変化は輝く文化遺産と遺産の目的地にあり、世界中からの観光客がハノイに来ることを歓迎します。ユネスコは常に、遺産保護と社会経済的発展の間の解決策のバランスをとるハノイに常に寄り添い、支援し、遺産地域に隣接する地元コミュニティの生計を向上させています」と強調しました。


文:ビック・ヴァン

撮影:タイン・ザン、コン・ダット、カイン・ロン、タット・ソン、ヴィエット・クオン、チン・ボト資料

訳者:ソン・タム・クエン



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