ベトナム - ストリートフード天国

ベトナム - ストリートフード天国

ベトナムのストリートフードは手頃な価格、親密でフレンドリーな空間、特に新鮮で繊細な魅力と豊かさ、そして食材と味と見た目の多様性において世界的に有名です。世界の多くの有名人、例えば元米国大統領バラク・オバマ、元オーストラリア首相マルコム・ターンブル、カナダのジャスティン・トルドー首相、さらにはアンソニー・ボーディン氏(アメリカ)、ゴードン・ラムゼイ氏(英国)、ジェイミー・オリバー氏(英国)などの有名なシェフも多くの特別な賛辞を贈りました。


ハノイのストリートフードは美味しくて魅力的な料理が多いだけでなく、数少ない楽しい空間で、国内外から多くの観光客に長く知られています。通行人で賑わう旧市街36通りの歩道や小さな路地の至る所に、人気があり、フレンドリーな店が軒を連ねています。

 

CNN、ニューヨークタイムズ、ガーディアン、ナショナルジオグラフィックなどの世界的に有名な新聞やニュースサイトの多くもハノイ料理、特に20世紀初頭に生まれ、かつてハノイの人々によって街で行商されるようになった有名な料理であるフォーに何度も投票し、賞賛しています。

 

現在では、食品衛生と安全性、そして街路の秩序を確保するために、ハノイでは昔のようにフォーを売り歩くことはほとんどなくなり、代わりに人々は通りで多くのフォーの店を開いています。よって、ハノイではフォーはどこでも販売されていて、一日中食べることができます。数万ドン(約2〜3米ドル)の価格で、客は美味しくて、熱々の香り高いフォーを楽しみながら、あなたの目の前で起きるエキサイティングなハノイの路上の生活を見る機会も得られます。


フォーが「国民の魂」と見なされる料理なら、ブンチャーと揚げ春巻きもハノイの有名な料理です。特に、これらはバラク・オバマ元米国大統領と世界的に有名なシェフのアンソニー・ボーディン氏が推薦したことでますます有名になりました。

 

ブンチャーはいつでも食べることができる料理で、ハノイの街角や歩道にブンチャーの店を見つけることはそれほど難しくありません。ブンチャーの味は、混ぜ合わせた肉団子をしっかりと焼き上げ、調和のとれた甘酸っぱいソースにシャキシャキしたパパイヤとニンジンの薄切りを入れて一緒に食べると格別です。


 

これらの有名な食べ物に加えて、ハノイにはおこわ、バインミー、バインゾーなど、他にも美味しくて非常に安い料理もたくさんあります。たとえば、様々な種類の具の入った新鮮で美味しいパンを首都の通りのあちこちにあるパン屋で約2万ドン、つまり約1米ドルだけで買うことができ、お腹いっぱいの充実した食事ができます。



ストリートフードは食べ物、食べ方、食べる場所だけでなく、観光客がハノイをはじめ、地元の生活、文化、個性、習慣について無数の興味深い驚きを発見できる場所でもあります。したがって、ハノイを訪れる多くの外国人観光客は、この千年の首都の興味深い生活をすぐに体験できる方法として、ストリートフードを味わうことに熱中しています。

多くのハーブから作られたホイアンの爽やかな飲み物である落葉水を販売してい店。
撮影:ベトナムフォトジャーナル


研究者によると、ベトナム料理の宝物には約1,700の料理があり、フエ料理が1,300以上を占めています。フエのストリートフードは民間料理に由来するので、風味も豊かでカラフル、スパイシーで辛いのが典型的です。



フエのストリートフードといえば、「ブン・ボー・フエ」でしょう。豚の骨と牛の骨の旨味がたっぷり詰まった甘いスープに、時折レモングラスの香りと魚醤の香り、そして甘い牛肉の美味しさと煮込まれた豚足の脂っこさとピリッとした唐辛子の辛みが加わった名物料理です。


アンソニー・ボーディン氏が初めて食べた時に叫ばざるを得なかった
「世界で最もおいしいスープ」はブン・ボー・フエだった。
撮影:タイン・ホア/ベトナムフォトジャーナル


だからこそ、かつてアンソニー・ボーディン氏がCNNで放送された有名な料理シリーズ「アンソニー・ボーディン:パーツ・アンノウン」の撮影でフエを訪れた時、「ブン・ボー・フエは私が今まで味わった中で世界最高のスープだ」と思わず叫びました。そして、この映画の最初の紹介から、CNNは「ベトナム中部のフエを訪れ、ドンバ市場でブン・ボー・フエを賞味しなければ本当に後悔します。ブン・ボー・フエは豚と牛の骨が入った美味しい料理です」とためらうことなく言いました。 

 

2023年、フエは世界的に有名なグルメ情報サイト、テイスト・アトラスによって「世界のベストグルメ都市100」リストで28位にランクされました。

 
フエの他、ダナン、クアンナム、クアンガイ、ビンディン、カインホアなど、中部の他の地域にも、非常に豊富で多様なストリートフードがあります。

ハノイとフエの料理が北部と中部の料理を代表する洗練された料理であれば、サイゴン-ホーチミンの料理は生活に近い素朴なスタイルの南部料理の真髄です。 

 

例えば、コムタムは貧しい労働者が作った、悪くて砕けて脆くなった米から作られた料理から生まれました。現在では、その後、おいしい砕米を食べるには炊飯の材料として美味しい砕米品種を選べばよく、当初の様に砕けた米粒を利用して、炊く必要はなくなりました。それに加えて、豚カルビのグリル、卵焼き、豚皮の細切り、オムレツなど、付随する食べ物も以前よりも豊かで魅力的です。



今日、コムタムは人気の料理であるだけでなく、顧客の様々なニーズに応えるために多くのレストランやホテルで美味しい名物料理にアップグレードされています。

 

 

コムタムに加えて、バインセオもこの土地の名物料理です。揚げる時、「セオセオ」と心地良い音がするため、バインセオと名づけられたのかもしれません。


文:ガン・ハ、タイン・ホア、トン・ティエン、ソン・ギア
撮影:ベトナムフォトジャーナル
訳者:ソン・タム・クエン

 


top