ハノイ観光の新たな魅力

ハノイ観光の新たな魅力

新型コロナウイルス感染症の制御が成功した後、ベトナム観光の急速な開放によって、潜在的な観光市場に新たな息吹を吹き込まれました。ハノイの首都は多くの観光促進プログラムを迅速に実施し、多くの観光関係機関や国際メディアから高い評価を受け、国内外の観光客にとって大きな魅力となっています。



2階建てバスでホーチミン廟とバー・ディン広場の景観を楽しむ外国人観光客。撮影:コン・ダット/ベトナムフォトジャーナル

 

文化・遺産ツアーの目新しさ


最新の統計によると、2022年の年初からの8カ月にハノイに訪れた観光客の総数は1238万人と推定され、2021年の同時期の4.2倍に増加しています。また、観光からの総収入は35.9兆ドン (約15億米ドル) と推定され、2021年の同時期の4.4倍に増加しています。

 

ハノイには現在、約6千の歴史的および文化的遺物と約1,800の無形文化遺産があります。その中には、タンロン王宮の城塞、文廟・国子監のレー王朝の科挙合格者の石碑、フー・ドン寺院とソック寺院のゾン祭り、綱引きのゲームなど、ユネスコによって世界遺産として認定された多くの遺物や遺産があります。

 

その強みを活かして、新型コロナウイルス感染症による長期的な影響を受けた観光を加速的に回復させるために、ハノイは首都の代表的な多くのツアー、観光ルートを刷新し、質を高めてきました。

 

都心部については2022年5月からハノイが二つの特別なナイトツアー、「タンロン遺跡の解読」とホア・ロー収容所遺跡の「聖なる夜-花のように生きる」や「ハノイの中心にあるフランス建築」などの多くのツアーをリニューアルして再開しました。


 

ナイトツアー「タンロン遺跡の解読」では、観光客は13世紀 (西暦7世紀から19世紀) にわたる歴史を持ち、リー王朝、チャン王朝、レー王朝、グエン王朝などのベトナムの多くの代表的な封建王朝を経てきた世界遺産タンロン遺跡の優れた世界的な価値を発見することができます。ここは約2万ヘクタールの広大な空間複合施設で、現代的な照明技術によりノスタルジックな色に照らされ、宮殿の基盤である城塞建築の美しさ、広大な考古エリアを見学できます。また古代封建王朝の王室に潜む生活の謎のいくつかを解明するのに役立つ古代の禁断の宮殿での皇帝や官吏の生活を再現した鮮やかなパフォーマンスが楽しめます。

 

ナイトツアー「タンロン遺跡の解読」がベトナムの封建時代の長い歴史を発見するのに役立つなら、ホア・ロー遺跡の「聖なる夜 - 花のように生きる」ツアーはホア・ロー収容所の「地上の地獄」での暗く、息苦しくて恐ろしいシーンは敵に打ちのめされても屈せず、毅然とした態度で臨む多くの拷問を受けた母や妻、女性革命軍の痛みや喪失感をありのままに、そして痛切に感じさせてくれます。


 



今回のハノイを発見する旅で訪れるべき他の観光スポットとしてホアン・キエム湖、タイ湖、文廟・国子監、ホーチミン廟、オペラハウス、ハノイの国旗掲揚台があります。バスの最上階から木陰の路地を通り抜ける涼しげな雰囲気や通りの活気に満ちたカラフルな雰囲気を楽しんだり、ベトナム・ハノイ「千年都市」の美しい景色を眺めたりすることができます。




ハノイを学び、探索するために多くの海外の観光客グループを連れてきたベトナム遺産友の会のステラー副会長は「私にとってハノイのすべての道、街角には歴史を作る魅力的な物語がたくさん含まれています」と述べています。



郊外の古い村々の魅力


ハノイを訪れた人は都心の遺産に感銘を受けるだけでなく、ドゥオン・ラム古代村(ソン・タイ)、バッ・チャン古代村(ザ・ラム)、ホン・ヴァン盆栽村(トゥオン・ティン)、ミー・ドゥック織りの(ミー・ドゥック)、フービン竹と籐の村(チュオン・ミー)、クアット・ドン刺繍の村(トゥオン・ティン)、成形の村(スアン・ラー)、チュオン・ゴ のモザイク村(フー・スエン)など、郊外にある多くの古代村の美しさに魅了されます。


 


ソン・タイ村にある千年以上の歴史を持つドゥオン・ラム古代村の一角。撮影:ホアン・ハー/ベトナムフォトジャーナル



そのため、ハノイの観光産業は観光客を引き付けるために古代村を発見するツアーの開発を進めています。例えば、ドゥオン・ラム古代村はレンガで建てられた古い家屋のイメージと村の門、カジュマルの木、共同庭など平和な田園地帯の風景で観光客を魅了しています。



シンガポール人観光客のアレックス・クアさんはバイクで週末の二日間、ドゥオン・ラム古代村を体験する旅に出ました。彼はベトナムの田園地帯は美しく平和で、ドゥオン・ラムの古い家屋は何百年も前に建てられ、非常に特徴的で、そこの人々は優しくて親切だと語っていました。また、ソーセージやピーナッツなどの地元の特産品にも非常に興味を持ち、特にドゥオン・ラム村人達​​が作った素朴な田舎の料理が満載の純粋なベトナム料理に感銘を受けました。




 

ドゥオン・ラムのキエン・バオ飴工場のカオ・ヴァン・ヒエン社長は日本、米国、韓国からの多くの観光客の団体が彼の飴工場を訪問したと教えてくれました。彼らはお菓子、ピーナッツ飴、ゴマ飴などの田舎の特産品の製造過程に大変興味を示しました。また、日本のJICAはかつて、ドゥオン・ラム古代村の観光商品コンテストを共催するためにこの地域を訪れたそうです。

 

最近、「バッチャン古代村の足跡」というツアーが始まり、郊外の工芸村を訪れ、新しい体験ができます。バッチャンでは曲がりくねったレンガ造りの村の道を自転車で巡り、国内および世界で有名な陶磁器の生産を専門とする古代村の歴史について知ることができます。地元の人々が作った一流の陶芸を鑑賞したり、地元の人々の一流の陶器製作技術を見学したり、陶器村の多くの代表的な作品を保管および展示している独特な建築物、バッチャン陶器博物館を訪れたりできます。



ベトナム職人村センターは、バッチャン工芸村の価値と真髄を尊重し、ベトナムの陶器やその他の手工芸品のイメージ、ブランド名を広く宣伝するために建設されました。撮影:コン・ダット/ベトナムフォトジャーナル



ユネスコ・ベトナムツーリズムクラブの旅行部門長、VietSense旅行会社のグエン・ヴァン・タイ社長は「私たち旅行事業者にとって最も嬉しいことは、ハノイの魅力とともに宿泊施設と飲食サービスのシステムが急速に回復し、旅行会社の展開のスピードに追いつく準備ができていることです。ハノイを訪れた人はサービスと目的地の質にいつも安心、安全、満足しているので、誰もが非常に快適で、高く評価しています」と述べました。



新型コロナパンデミック後、ハノイの観光は独自の魅力によって急速に回復し、繁栄したと言えます。特に、5月には第31回SEAGameがハノイと近隣のいくつかの地域で開催され、成功をおさめたことにより、海外の人々はハノイのイメージを安全で親切で魅力的だと認識しました。したがって、今年、ハノイが世界の主要なメディア機関によって、世界および地域の魅力的な観光地として投票されたことは驚くべきことではありません。これは、ハノイが観光客、特に外国人観光客を惹き付ける魅力的な場所であり続けることを示す重要な指標と言えます。


ウェブサイト「トリップ・アドバイザー」はアジアで最も人気のある観光地トップ25と世界で最も人気のある観光地トップ25のリストにハノイをランク入りさせています。タイム誌 (米国) は世界で最も素晴らしい観光地トップ100にのベトナムの三つの地域を選び、この中に首都ハノイが含まれています。ディープ・ナレッジ・アナリティクス(DKA)は首都ハノイの50のリストにランク付けしました。そして最近では、ハノイは CNN によって 2022年秋に世界で最も理想的な12の観光地の一つに選ばれ、さらにワールド・トラベル・アワードはハノイを世界で最も成功した観光地2022年として表彰しました。



 

文:ビック・ヴァン
撮影:タイン・ザン、コン・ダット
訳者:ソン・タム・クエン


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