パ・テン族のブロケード織り

パ・テン族のブロケード織り

パ・テン族はベトナムの54民族の一つで、主にハ・ザン省とトゥエン・クアン省に住んでいます。パ・テン族は何世代にもわたって多様で豊かな文化を形成し、保存してきましたが、中でも錦織りが注目に値します。これは精神生活を強く反映した文化的特徴であり、パ・テン族の人々の誇りでもあります。


美しく手の込んだ製品を織機で作るパ・テン族の女性。

洗練された衣装を作るために、パ・テン族の織り、刺繍、縫製の段階は伝統的な手作業ですべて行われます。昔は綿やジュートを原料として織っていましたが、現在は主にウールが使われています。染色後、糸を織り、ブロケード生地の正方形の部分、またはシャツ、スカーフ、またはスカートの生地に使う小さな、或いは幅広の生地の帯に織ります。模様の配列は主要な模様が常に強調されて表示され、赤が女性の衣装の主な色です。パ・テン族の衣装の赤い色は火の鳥の色に例えられています。



特筆すべきはパ・テン族の人々の衣装に施された様々な色の組み合わせで、色とりどりの花びらのように見事です。美しいドレスを作り上げるために、パ・テン族の女性は何ヶ月もの間、織機に向かって一生懸命働かなければなりません。なぜなら、彼らの服のすべてが非常に洗練されているからです。パ・テン族の人々の衣装には、必ず橋、家、犬、カナリウムなどの模様があります。なぜなら、古代の伝説によると、孤児になったパ・テン族の少女が春の市に出かけ、他の民族がそれぞれ自分たちの衣装を着ているのを見て、その少女はとても悲しく、孤独を感じている時、たまたま青、赤、紫などの木の枝に鳥が飛んでいるのを見ました。その瞬間、少女は心の中で衣装の色がひらめき、座ってドレスに刺繍をしました。彼女は自分の夢と思いをその衣装に込めました。彼女は孤児だったので、恋人と家と犬が彼女を守ってくれることを常に望んでいたのです。動物や木があれば、人生はより前向きで新鮮になります。そのため、パ・テン族の衣装は愛を表す橋、幸福と犠牲を表す家、犬は相互保護と保護の象徴であり、菱形は前向きで純粋な人生への願いを表しています。



パ・テン族の女性が織機で作った豊かな模様は世代から世代へと受け受け継がれています。まず第一に、それはタオル、胸、腰、裾、肘、スカートの横方向の帯に散りばめられた模様です。人、犬の足、カニの目、水牛の子、水牛の角などの模様はより複雑で、胸や腰、スカートの脇にアクセントをつけています。さらに、松や植物、人々の身近な薬の模様は衣装の美しさをさらに際立たせるユニークな素材です。



パ・テン族の女性たちは細心の注意と勤勉さで鮮やかな赤の女性用ドレスと男性用の藍色の服を作り、子供たちはカラフルな帽子、女の子は赤いウールの束が付いた帽子で注目されます。パ・テン族の女性は民族の伝統的な衣装を常に誇りに思い、巧みで才能に溢れた手と織機を織る勤勉さで国の文化的な美しさだけでなく、ベトナムの一般的な女性の美しさを称える、独特で精巧なドレスを織ります。


パ・テン族の衣装を見学する訪問客。


 

文:ヴィー・タオ

撮影:チャン・タイン・ザン/ベトナムフォトジャーナル

訳者:ソン・タム・クエン




top