チャファコとベトナム人のためのグリーンヘルスへの道
50年以上前、チャファコは抗戦に奉仕する小さな薬の調合所として誕生しました。今日、そのベトナムの製薬ブランドはフォーブス・ベトナム誌による消費者ブランド上位25社に名を連ね、7年連続でナショナルブランドの称号を獲得、国際基準を満たしたクリーンな薬草栽培地3万6千ヘクタールを所有し、倫理的バイオトレード連合(UEBT)に加盟した最初のベトナム企業となりました。人命を救う薬から、ベトナムの人々のためのグリーンヘルスへの道へと歩んできたブランドの旅路です。
戦争時代に生まれた使命
市場への野心から生まれたブランドもあります。しかし、チャファコは特別で、戦争をきっかけに生まれました。1972年11月28日、北部の空に爆弾が降り注いでいた頃、ハノイのイェンニン通り75番地に鉄道医療局傘下の小さな製薬チームが誕生しました。15名の職員は主に、鉄道部門の傷病兵のために、処方薬の調剤、血清や点滴液の製造を担当していました。ブランド戦略も市場計画もなく、ただ命を救うために薬を作るという、シンプルで神聖な使命だけがありました。
半世紀以上が過ぎた今、かつての小さな生産チームは、現在ではベトナムを代表する製薬企業「チャファコ株式会社」となりました。 同社は7年連続で「ベトナム国家ブランド」として表彰され、2023年にはフォーブス・ベトナムが選ぶ「トップ25消費財ブランド」に唯一のベトナム製薬ブランドとしてランクインしました。 しかし、これらの栄誉以上に重要なのは、1972年の創業以来変わらず受け継がれてきた「薬は単なる製品ではなく、人々を救う責任である」という精神です。
その理念は、ベトナムの製薬企業のほとんどが追随しきれなかった戦略的選択に最も明確に表れています。それは、外国製の西洋薬が市場を席巻する中で、チャファコは一貫して漢方薬にこだわり続けたという選択です。1990年〜2000年にかけて、先進的な製剤技術と巨額のマーケティング予算を持つ外国製薬品がベトナム市場に流入した際、チャファコは模倣する道を選ばず、ベトナム人が千年にわたり築いてきた伝統医学の宝庫に立ち返り、「その遺産を現代技術によっていかに高めるか」という問いに取り組んだのです。
その努力は市場に受け入れられ、同社のいくつかの製品が薬品カテゴリーで市場トップとして認められる結果となりました。ベトナムの消費者の心の中には、これらの製品名は世代を超えて存在しています。子どもの頃から、ベトナム人は家庭の薬箱にある「ホアット・フエット・ズオン・ナオ」や「ボガニック」を知っています。そして今、親となった彼らは依然としてこれらの製品を信頼し、愛用し続けています。チャファコは、あらゆる業界が目指す「ブランド資産」、つまり世代を超えた信頼を築き上げてきました。
グリーン戦略-医薬品が社会的責任となるとき
20年以上も前からグリーン戦略を先駆的に推進してきたことが、このブランドを国際社会の目に特別な価値を持つ存在へと導きました。 2000年後半から、チャフコは持続可能な開発のESG基準に沿った「グリーンプラン」プロジェクトを展開し、環境に配慮した薬草栽培地を構築しています。 同社は「国家、農家、科学者、企業」という4つのステークホルダーを結びつけるモデルを創出し、国際基準GACP-WHOに適合したクリーンな薬草栽培地を共同で開発してきました。チャファコは品質に疑問のある輸入原料に頼るのではなく、原材料の供給元から自らの手で積極的に管理を行っています。
10年以上にわたる粘り強い努力の末、チャファコは保健省のGACP-WHO基準を満たす5種類の薬草、サパのアーティチョーク、ナムディンのディンラン、フートのアサガオ、フーイエンのニガウリ、ラオカイのアマチャヅルの原料栽培地を合計36,300ヘクタール以上開発しました。 これは、全国で約12種類しかないGACP-WHO認証薬草のうち5種類に相当します。 さらに、チャファコはベトナムで初めてWHOのGLP基準を満たす試験室を有する製薬企業でもあり、これは単なる技術的な節目にとどまらず、品質に対するブランドの強い志を示す宣言でもあります。
その先駆的な精神は、2021年から始まった再構築戦略にも反映されています。 同社は漢方薬部門と西洋薬部門を分離し、プレミアム製品ラインへの投資を進めるとともに、バイオ医薬品の開発や韓国のパートナー企業であるデウオン(Daewoong)社との技術移転を行いました。その結果、2023年のプレミアム漢方薬カテゴリーの売上高は、2020年と比較して5倍に増加しました。
しかし、グリーンプランの価値は薬の品質にとどまりません。 ラオカイ省のチャファコ・サパ連携モデルは、少数民族の世帯収入を従来の農業に比べて3〜5倍に向上さることに貢献しました。 このプロジェクトは、ラオカイ、ニンビン、フート、ニャチャンなどの多くの恵まれない地域社会に良い影響を与え、雇用を創出し、貧困を持続的に削減し、子どもたちが学校に通う機会を増やし、児童労働の減少にも貢献しています。
国際社会はこれらの取り組みを高く評価し、特別な意味を持つ称号を与えています。 チャファコは、ベトナムで初めて倫理的なバイオトレードを推進する国際連合UEBTUに加盟した企業であり、ベトナムの持続可能な企業トップ10に常に選出され、2022年には「アジア持続可能優秀企業賞」を受賞しました。 さらに2024年には、国連女性機関UN WomenのWEPsアワードの「市場におけるジェンダー平等」部門を受賞しました。これは、環境だけでなくあらる社会的側面を網羅するESGへの取り組みの証明です。
多くの企業が国際基準の遵守を負担と捉える中、チャファコは早くからそれを長期的な競争戦略として認識してきました。半世紀以上にわたり、同社は最初から誠実に、倫理的に、そして正しく行うことを基本理念としてきました。たとえ誰からも求めらていなくても、コストが高くても、市場がまだその価値を理解していなかったとしても。この選択は現在、ベトナム政府が医薬品基準に関する規制を強化し、サプライチェーンの透明性を求め、GMPやGACPなどの厳格な医薬品事業条件を満たさない製造業者を段階的に排除する中で、決定的な優位性となっています。この点について、ダオ・トゥイ・ハー社長は「法的規制環境が変化すると、多くの企業は対応に奔走しますが、これこそがトラファコの独自の強みです。当時誰も気づかなかった時から、私たちは最初から正しいことを実践してきたのです」と述べています。
チャファコは、ベトナムの自然と伝統医学の知識を基盤とし、最新技術を推進力とし、社会的責任を成功の尺度とするという、自らが選んだ道を揺るぎなく歩み続けています。 戦時中にわずか15人の薬の調合所担当者から始まった製薬企業は、現在では年間売上2兆3000億ドンを超え、数百万ものベトナムの家庭の薬箱に欠かせない存在となっています。
チャファコの物語は、単なる一企業の物語ではなく、ベトナムが直面しているより大きな課題、すなわち自国のアイデンティティと強みを基盤に、世界で競争力を持つ国家ブランドをいかに構築するかという課題を映し出す縮図といえます。
















