「ハノイ5ゲート」の旅を体験

「ハノイ5ゲート」の旅を体験

ベトナム鉄道総公社が運行する、初の二階建て観光列車「ハノイ5ゲート」は、首都ハノイの中心部を巡るまったく新しい都市観光商品であるだけでなく、交通、観光、文化を融合させた旅の始まりを象徴する画期的な一歩でもあります。


「ハノイ5ゲート」列車はカウザイ門、カウゼン門、ドンマク門、クアンチュオン門、そしてチョズア門の五つの門にちなんで名付けられた5つの車両で構成されている。


「ハノイ5ゲート」列車は毎日ハノイ駅からトゥーソン駅まで、2便の列車が運行されている。


かつてのタンロン城塞是風景からインスピレーションを得た「ハノイ5ゲート」列車は、クアンチュオン門、カウゼン門、カウザイ門、チョズア門、ドンマク門というハノイの五つの有名な門の思い出を再現しています。それぞれの名前は、ハノイの記憶の玄関口となる文化的な足跡を呼び戻してくれます。

8月31日より、文化観光列車「ハノイ5ゲート」は、ハノイ〜トゥーソン(バクニン)路線で正式に運行を開始し、観光客にサービスを提供している。


乗客には季節に応じた軽食が無料で提供される。


 

 

「列車はトゥーソン駅に停車し、乗客をドー神社へご案内します。ここは古代キンバック地方の文化が交差する場所であり、休憩地点だけでなく、文化をつなぐ拠点であることから、訪れる人々がこの土地の歴史をより深く理解する助けとなります」とホアン・アン氏は語りました。

列車は二階建ての客車5両と、チェックイン専用の車両2両で構成され、クラシックとモダンが融合したデザインが特徴です。温かみのある木製インテリア、柔らかな照明、そしてノスタルジックな装飾が施された空間は、まるでハノイの物語を語る「動く博物館」に足を踏み入れたような気分にさせてくれます。 各車両はそれぞれ異なる「門」の文化的個性を再現し、過去と現在、古き良き時代と活気ある都市生活が交差する空間となっています。 大きく開かれた窓からは、線路沿いの古びた瓦屋根、にぎやかな住宅街、そして夕暮れ時の穏やかなホン川など、首都ハノイの街並みの典型的な風景を存分に楽しむことができます。


 

各車両には懐かしい思い出を展示するスペースが設けられている。


 

この特別列車では、乗客はただ景色を眺めるだけでなく、文化的空間の中で過ごすことができます。列車内では、クアンホー、カーチュー、チェオ、ハッサムのメロディーが流れ、まるで街中を走る移動型の芸術公演の旅のようになります。

 

アーティストのトゥ・フオンさんはこう語っています。「私たちは民俗音楽をもっと観客に身近に感じてもらいたいと思っています。列車内ではチェオとサムの歌が流れ、乗客はとても興奮し、楽しく活気溢れる雰囲気が生まれています。古典的な旋律が新しいリズムで演奏され、時代の息吹を感じさせます。」


 

ドー神社を訪れる観光客のために、往復の無料シャトルバスが運行している。


李朝の8人の皇帝を祀る神社の歴史について訪問客に説明する観光ガイド。


 

 

アートスペースに加えて、いくつかの車両はミニ展示場としてデザインされ、昔のハノイを思い起こさせる写真や遺物が展示されています。また、他の車両は移動式のカフェレストランとなっていて、乗客は遠い昔の旅を思い出させるレールの上を転がる鉄の車輪の音に耳を傾けながらお茶を飲み、ハノイの伝統料理を楽しむことができます。

 

「ハノイ5ゲート」列車は国内の観光客だけでなく、多くの外国人観光客も魅了しています。オーストラリアのシドニーから訪れたレナさんは「インターネットでこのハノイの列車を知りました。空間が美しくて洗練されていて、ベトナムらしさが感じられるところがとても気に入っています。シドニーにも2階建ての列車はありますが、もっとシンプルで、こんなに多くの文化的なアクティビティはありません」と語っていました。


「ハノイ5ゲート」列車は、観光業界における新たな突破口であるだけでなく、伝統と現代をつなぐ場所でもあり、多くの伝統的な文化の体験をもたらしてくれる。


芸術、グルメ、そしてテクノロジーが見事に融合したハノイ鉄道は、ベトナム観光業における革新精神の新たな象徴となっています。その旅路で、レールの上を転がる鉄の車輪の音は、過去の記憶を呼び起こすだけでなく、現代的で活気に満ちた、そして個性豊かな都市へと変貌を遂げ、千年の価値をさらに高めようと努力するハノイの足音も感じさせます。


文:ガン・ハー
撮影:カイン・ロン/ベトナムフォトジャーナル



top