ホーおじさんの名を冠する都市50周年:いつまでも残る記憶
ホーおじさんの名を冠する栄誉を得てから50年(1976〜2026)、ホーチミン市は絶えず革新と発展を続けてきました。近代的な建築物と活気ある生活の中で、多くの昔ながらの空間が今も記憶の断片として保存され、ベトナム最大の都市のアイデンティティと魂を形作っています。
ホーチミン市の記憶は、歴史書の中だけに留まるものではなく、通りや路地、そして何世代にわたる住民に親しまれてきた馴染み深い空間にも息づいています。絶え間なく変化する都市の中で、これらの場所は静かに時の証人として存在し続けているのです。 レロイ通り26番地にある集合住宅は、賑やかな街の中心部にひっそり佇んでいます。質素な外観の奥には、光が降り注ぐ中庭があり、白い壁と古いレンガの床が、かつての優雅な街の面影を思い起こさせます。そのすぐ近くには、ホーチミン市総合科学図書館があり、また別の物語を語っています。かつて愛国者たちが投獄されていた旧サイゴン中央刑務所の跡地に建てられたこの場所は、今では知識を保存するための空間となり、文化的価値の高い建物の中で過去と現在が交差しています。
都市の記憶は、市民の身近な生活空間の中に今もなお息づいています。ハイバーチュン通りにあるタンディン市場は、1世紀近い歴史を持ち、今もなおホーチミン市で最も活気ある伝統市場の一つです。ここは単なる商売の場にとどまらず、ホーチミン市独自の文化を今も伝え、国内外の多くの観光客を惹きつける魅力的な目的地となっています。
別の一角には、チェオ・レオ・カフェが今もなお、土製コンロの上で布フィルターを使ってコーヒーを淹れるという、現代では珍しい伝統的な製法が今もなお受け継がれています。素朴な雰囲気と懐かしいコーヒーの香りは、訪れる人々に古き良き街にタイムスリップしたような感覚を与えてくれます。
さらにトゥドゥック方面へ進むと、フオン鍛冶屋の炉からは今も毎日、金槌の音が響き渡っています。ここの職人たちは4世代にわたり、先祖から受け継いだ技と経験を自らの手で守り続けてきました。機械化と自動化の時代にあって、炉の赤い炎は伝統的価値が持つ揺るぎない強さの象徴となってます。
ホーチミン市はホーおじさんの名を冠して50周年を迎えますが、これらの古き良き空間は、この街が近代的な建築物や急速な経済発展だけによるものではないことを私たちに思い起こさせてくれます。長い年月にわたって大切に受け継がれてきた記憶こそが、常に未来を見据えながらも過去を決して忘れないこの街のアイデンティティと魂を形づくってきたのです。
文:グエン・ルアン
撮影:グエン・ルアン/ベトナムフォトジャーナル、チャン・テー・フォン








