ベトナム - 飛躍への希望

ベトナム - 飛躍への希望

 

世界がパンデミック、紛争、世界的なインフレによって深刻な影響を受ける中、ベトナムは安定を維持しただけでなく、目覚ましい飛躍を遂げた。2021~2026年の期間は、柔軟に適応し、強靭な経済力を築き、新たな発展の時代に力強く羽ばたこうとする希望を育んだ時期として刻まれている。
 

2021~2026年の期間は、第13回から第14回党大会の決議を実施する段階であり、ベトナム経済にとって最も試練の多い道程の一つと見なされている。新型コロナウイルス感染症のパンデミックは世界的な供給網を混乱させ、複雑化する自然災害、多くの主要経済国における地政学的対立とインフレの上昇が、外部環境を不確実なものにした。

第14期党中央委員会は、第13期党中央委員会書記長のトー・ラム同志を満場一致で第14期党中央委員会書記長に決定した。 撮影:ベトナム通信社
2026年1月に開催された第14回党全国代表大会は、国を新たな時代へと導くための適切な政策決定を下した歴史的な節目となった。 撮影:ベトナム通信社
第14回党全国代表大会において、第14期党中央委員会が正式に発足した。 撮影:ベトナム通信社

そのような状況下で、マクロ経済の安定を維持し、大きな均衡を確保する能力はガバナンスの能力を測る尺度となった。2021~2025年の平均成長率は年6.3%に達し、特に2025年には8.02%の成長を記録し、ベトナムは世界でも高成長国の一員となった。

ベトナム経済の規模は2020年の3,460億米ドルから2025年には5,140億米ドルへと拡大し、約1,5倍の増加を遂げた。これにより、世界第32位、ASEANでは第4位の地位に上昇した。2025年の輸出入総額は9,300億米ドルを超え、ベトナムは世界で上位20の貿易経済大国の一員となった。さらに、2025年の一人当たりGDPは約5,026米ドルに達し、2020年比で1.4倍増加し、正式に中所得上位国の仲間入りを果たした。

 
近代的かつ総合的に投資されるハイフォン市の交通システム。 撮影:ヴー・ヴァン・ラム
ホーチミン市の交通システムを向上させるメトロ1号線。 撮影:チャン・レー・フイ

これらの数字は、前例のない「逆風」に直面しながらも経済が持つ回復力を反映している。英国ブリストル大学の上級講師であるホー・クオック・トゥアン博士は、2025年がベトナムの適応力を示す明確な証拠であると指摘する。多くの国が成長減速や複雑な貿易摩擦に直面する中、ベトナムは輸出の勢いを維持し、安定したFDIを誘致してきた。危機への対応にとどまらず、経済は徐々にイノベーションに基づく成長モデルを形成しつつある。

この期間の二大突破口は、インフラ整備と国際投資家の信頼強化である。3千km以上の高速道路と1,711kmの沿岸道路が完成し、500kV送電線(第3回路)をはじめ、エネルギー、都市開発、デジタルインフラなどの重要プロジェクトが次々と実現した。さらに、ベトナムのモバイルインターネット速度は世界トップ20に入り、デジタル経済の重要な基盤を築いている。世界的にFDI資金の流れが停滞する中でも、ベトナムは高い投資実行率を維持し、投資環境の魅力と長期的な展望を改めて証明した。


ハノイのベトナム展示センターは、国家的および国際的な政治、経済、文化、観光イベントの開催地として構築され、ベトナムにおける現代的な展示経済の発展を促進する原動力となっている。 撮影:ディン・ハイ・ゴック

経済成長と並行して、社会的な進歩も顕著に見られる。2025年、ベトナムの幸福度指数は世界で第46位となり、2020年と比べて37ランク上昇した。33万4千戸以上の仮設住宅や老朽化した住宅が撤去され、社会住宅プログラムや労働者・社会的弱者支援が強化された。新農村建設、持続可能な貧困削減、少数民族地域の発展という3つの国家目標プログラムは、基本的に早期に目標を達成した。多次元的貧困世帯率は1.3%にまで減少し、近年で最も低い水準となっている。

2021年から2026年までの全体的な期間を振り返ると、ベトナムは危機を乗り越えただけでなく、マクロ経済の安定を確固たるものにし、国際的な地位を高め、国内の耐性を強化しました。これにより、新たな発展の時代における飛躍への願望の基盤が築かれと言えるだろう。


第14回全国大会に臨むにあたり、ベトナムは今後10年間に国家の地位を高めたいという強い願望を反映し、より高い発展目標を掲げた。2026年から2030年の期間において、GDPの平均成長率を年間10%以上、2030年までに一人当たり平均所得約8,500米ドルを達成することを重要なマイルストーンとして掲げている。戦略的な方向性として、持続可能な発展、デジタル経済、イノベーション、そして人材の質の向上が重視されている。重点は規模の拡大だけでなく、成長の質の向上、労働生産性の改善、制度のさらなる完成にも置かれている。


 
ハノイの新しい商業中心地に位置する軍事産業・通信グループ(Viettel)の本社は、都市景観の中で際立つ独特な建築物。 撮影:グエン・ホン・ニュン
チュオンハイグループ(THACO GROUP)は、自動車製造を主力製品として、2027年までに連結売上高約180兆ドンを目指している。 撮影:ホアン・チュン・ヒエウ
ハノイのヴィンホームズ・オーシャンパーク都市区では、ロボットによる配送サービスが導入されている。 撮影:グエン・ダン・ヴィエット

第14回全国大会決議の実施開始当初から、経済界は明確な前向きな変化を実感している。タン・クアン・ミン製造貿易有限会社(Bidrico)のグエン・ダン・ヒエン社長は、現在の支援政策がデジタル化と持続可能な発展を軸に、成長モデルを深層的に再構築していると評価した。ヒエン氏によれば、民間セクターにより多くの発展の余地が与えられることで、ベトナム企業は付加価値を高め、内部能力を強化し、国の将来に向けた長期的な基盤構築に貢献できる条件が整うという。

ハノイ青年企業家協会の副会長兼事務総長であるチャン・ヴァン・ミン氏は「中小企業の困難を解消し、ビジネス環境を改善し、行政上の障壁を軽減するための解決策は、今後重要な役割を果たすだろう。政策と実施の連携こそが、成長の原動力を維持するための決定的な要因となる」と強調した。

 
タイニン省のザウティエン太陽光発電所は、総投資額が約1兆3千億ドンに達し、ベトナム最大の太陽光エネルギー事業である。この発電所は、国内における再生可能エネルギーの持続可能な発展の象徴となっている。 撮影:レー・タン・ファット

国際的な視点から、モスクワ国際関係大学ASEANセンター副所長のヴァレリア・ヴェルシニナ博士(ロシア連邦)は、包括的な刷新の過程がベトナムの国際的地位を高め、世界的な投資資本の魅力的な目的地となるのに寄与したと評価した。ヴァレリア・ヴェルシニナ博士によれば、人間を中心に据え、人材の質の向上に重点を置いた発展の方向性は、ベトナムが競争力を強化し、2045年までに高所得国となるいう目標に近づくための戦略的基盤を築いているという。

ベトナム通信社の記者とのインタビューで、ニューサウスウェールズ大学所属のオーストラリア国防大学ベトナム研究専門家であるカール・セイヤー教授は、政治局の各決議の間に緊密な関連性があり、同時実施と相互支援を目的としていると強調した。特に同教授は「新たな状況における国際統合」に関する決議59-NQ/TWを高く評価し、国際統合をベトナムが新たな発展段階に入るための重要な原動力と位置づける画期的な政策決定だと述べた。

 

設立から11年の建設と発展を経て、ベトナム平和維持部隊は多くの成果を収め、国連平和維持活動に参加するベトナム軍の構築において重要な役割を果たしてきた。 撮影:グエン・チュン・チュック

 

ベトナムへの2000万人目の外国人観光客を迎える式典。 撮影:グエン・アイン・ズン

これらの評価は、ベトナムの発展軌道に対する国際社会の関心がますます高まっていることを反映している。戦略的競争や世界的なサプライチェーン再編という状況において、安定的で柔軟性があり、イノベーション志向の経済は長期的な優位性を持つことになる。

新たな発展の時代における飛躍的な進歩への期待は、単なる成長目標にとどまらず、国家としての地位向上に関わるビジョンでもある。 それは、人々の生活の質を向上させ、投資家の信頼を強化し、自立の力を高め、そして世界経済への深い統合へと進む旅路なのである。

将来まだ多くの課題が残されているものの、マクロ経済の安定、インフラの整備、制度改革、人材育成に至るまで、これまでの期間に築かれてきた基盤は、ベトナムが自信を持って新たな発展段階へと踏み出すための土台となっている。

ホーチミン市における元宵節の祭り。 撮影:ゴー・クアン・フック

その流れの中で、願望は現実から切り離されるものではなく、具体的な成果や戦略的な決断に基づいている。 政治体制、経済界企業、そして国民の一致した協力により、ベトナムは地域および世界において、活力に満ち、安定し、豊かな潜在力を持つ国家としての地位を一歩一歩確立しつつある。

文:トン・ティエン 撮影;ベトナムフォトジャーナル、ベトナム通信社、協力者


top