金砂絵画:現代美術へ七宝燒の応用

金砂絵画:現代美術へ七宝燒の応用

フエの霊廟にある七宝燒の装飾に魅了された90年代の少女グエン・ ホアン・アインさんはブロケード絵画グループの同僚と共にベトナムの伝統的な文化と芸術の美しさを称えるために、金砂絵画と呼ばれる新しい技術を生み出し、現代美術製品に取り入れました。



ブロケード絵画グループ責任者のグエン・ホアン・アイン はフエへの旅行中に霊廟を訪れた際、装飾の洗練さと洗練さに魅了されました。彼女はハノイ産業芸術大学のグラフィックデザイン学科を卒業後、七宝燒の方法や技術に関する歴史的文献の調査を開始し、同時に同じ情熱を共有する若者を探し、2020年にブロケード絵画グループを設立しました。

ホアン・アインさんによると、文献を研究した結果、七宝燒の製造技術は金属の芯に釉薬をかけて高温で焼成する技術だそうです。七宝燒の製造技術はグエン王朝時代にベトナムに導入されましたが、消滅するまで約60年間しか存在しませんでした。この工芸技術は失われてしまいましたが、古都フエの遺跡群の装飾として今も保存されています。


しかし、ホアン・アインさんは七宝焼の伝統的な技術が7つの主要な段階と108 の細かな段階を経る必要があるため、非常に複雑であることを発見しました。そして、この失われたベトナムの芸術を復刻するのであれば、それをよりシンプルに、よりアプローチしやすく、より簡単に作れるものでなけれはなりません。そこで、ホアン・アンさんとブロケード絵画グループの同僚たちは研究と試行を繰り返し、銅線を曲げ、描画して釉薬を塗り、形形成するという三段階に簡略化し、金砂絵画と呼ばれる新しい技法を完成させました。絵を描くのが「絵画」、「金」は製品の核となる金属素材、「砂」は製品の個性を生み出す色の砂です。

ホアン・アインさんによれば、今回の簡素化という改良により伝統的な技法で作られた製品の美しさを損なうことなく、手順も簡単になり、多くの人がこれらの製品を自分の手で作ることができるようになったとのことです。


ホアン・アインさんとブロケード絵画グループのメンバーは、金砂絵画を木材やプラスチック素材と組み合わせて、土産物製品の装飾に使用し始めました。製造技術の多くの工程が削減されましたが、製品をできるだけ伝統的な芸術に近づけるためには、細心の注意と工夫が必要です。金砂絵画の技法で製品を作るのに通常5日〜10日かかります。

金砂絵画技法を通じてベトナムの伝統的な文化と芸術の美しさを尊重し広めたいという願いから、ブロケード絵画グループはハノイとホーチミン市でセミナーやワークショップを企画して若者たちにアプローチし、直接指導を行い、実践、経験させています。



 

文:ガン・ハー

撮影:カイン・ロンと資料

訳者:ソン・タム・クエン



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