国際伝統工芸村保存・発展フェスティバル2025:手仕事の精華が集い、広がる場
11月14日の夜、ユネスコ世界遺産であるタンロン皇城の神聖な空間において、「国際伝統工芸村保存・発展フェスティバル2025」が正式に開幕しました。本イベントは、農業・環境省とハノイ市人民委員会の協力により開催され、特別な節目を記念するものです。すなわち、農業・環境部門創設80周年(1945年11月14日〜2025年11月14日)を祝い、第18回ハノイ市党委員会大会(2025〜2030年任期)の成功を記念し、さらに第14回党大会に向けた意義深い行事となっています。
式典には、ベトナムの多くの高位指導者および国際ゲストが多数出席しました。出席者には、国会副議長レ・ミン・ホアン氏、ベトナム祖国戦線中央委員会副主席兼ベトナム婦人連合会会長グエン・ティ・トゥエン氏、農業・環境省副大臣ヴォー・ヴァン・フン氏をはじめ、中央の各省庁・機関の指導者が含まれています。 ハノイ側からは、市人民委員会主席グエン・ドゥック・チュン氏、副主席グエン・マイン・クエン氏、さらに全国各省・市の代表団が参加しました。 特筆すべきは、アジア太平洋地域世界手工芸評議会副会長スンディープ・マール氏、アジア太平洋手工芸連盟会長ジュード・ヴァン・デル・メルウェ氏、ラテンアメリカ地域世界手工芸評議会会長バルバラ・ベラスコ・エルマデル氏、そして世界の手工芸分野を代表する30の国と地域の代表者が出席し、本フェスティバルの国際的な規模と重要性を強く印象づけました。
11月14日から18日までタンロン皇城遺産センターで開催される2025年フェスティバルでは、ハノイをはじめ、国内各省市および国際友好国の代表的な製品を展示・実演・制作する350のブースが設けられています。「保存-発展-国際統合」をテーマに、保存エリア、発展エリア、国際交流エリア、OCOPエリア、そして食文化エリアといった多様な空間でテーマが表現されています。
フェスティバル期間中には、多彩なハイライト企画が連続して展開されます。約500点が出品されたベトナム手工芸品コンテスト、祖師を讃える行列と職人表彰式、専門シンポジウム、国際交流フォーラム、さらに村落観光・グリーン経済・ネットゼロ・デジタルトランスフォーメーションに関する展示会、そして国内外の職人とアーティストが交流する特別空間などが催されます。これらすべてが、フェスティバルを国境を越えて手仕事の精華が共有・学習・発信される「世界的文化フォーラム」へと昇華させています。
ハノイは古くから「千の職の地」として知られ、1350以上の伝統工芸村・職業村が集積し、そのうち337村が公式に認定されています。こうした豊かな基盤こそが、首都ハノイをベトナム手工芸の創造的中心地へと押し上げています。
2024年、バッチャン村とヴァンフック村の2つの伝統工芸村が、世界創造都市ネットワークの手工芸分野の正式メンバーとなり、ベトナムで初めてこの称号を獲得しました。 2025年フェスティバルでは、世界手工芸評議会がソンドン村とチュエンミー村の審査を続けており、ハノイが今後さらに多くの伝統工芸村を世界の創造マップに刻むことへの期待が高まっています。
開会式での挨拶において、ハノイ市人民委員会主席グエン・ドゥック・チュン氏は、フェスティバルは「優れた製品を展示する場であるだけでなく、交流・共有・学習・商業連携の空間でもある」と強調しました。 また氏は、OCOP食文化の価値に触れ、各料理が「物語を語るアイデンティティ」であり、文化・人・自然を結びつける存在であると述べました。 持続可能な発展戦略の下、ハノイは遺産の保存と新たな価値創造を同時に進め、文化を発展の原動力とする方針を引き続き実践していくと強調しました。
約60万の生産拠点が存在し、210万人の労働者に雇用を創出している農村手工業分野には、多くの高齢職人や障がいのある職人も携わっており、社会経済において極めて重要な役割を果たしています。2024年の手工芸品輸出額は23億米ドルを超え、この分野の持続的な活力と大きな潜在力を示しています。
ヴォー・ヴァン・フン副大臣は、2025年フェスティバルが文化・商業の祭典であるだけでなく、創造的協力と持続可能な発展をつなぐ架け橋であり、競争力の向上、製品価値の増大、そして「より豊かで美しく、文明的な」ベトナム農村の構築に寄与するものであると強調しました。
2025年フェスティバルには、日本の陶芸、タイのシルク、ラオスの銀細工、インドネシアの織物、インドの木彫、フランスの手刺繍、そしてアフリカの伝統織物など、長い歴史を持つ多くの手工芸文化が参加しています。 それぞれの作品は、まるで「文化の大使」のように、各国の歴史、暮らし、そして創造の精神を宿して来場者に語りかけます。
国際基準を満たした伝統工芸村を紹介・顕彰する空間、そして遺産・保存エリアでは、観覧者をイェンタイのゾー紙、ラケーの薄絹織り、キムホアン絵画、ディンコンの銀細工、バズオンノイの凧など、ベトナム手工芸の誇りとなってきた名匠の技を巡る旅へと誘います。
2025年フェスティバルにおいて、世界手工芸評議会は、ソンドンの漆芸彫刻村とチュエンミーの螺鈿・漆工芸村について、世界手工芸創造都市ネットワークへの加盟審査を引き続き進めています。
撮影:チャン・タイン・ザン/ベトナムフォトジャーナル
4千平方メートルを超える規模に加え、数千人の職人、企業家、専門家、そして国際的な来場者が参加する本フェスティバルは、ベトナムの方針である「主体的・積極的・創造的・国際社会の友好かつ信頼できるパートナー」を体現する、代表的な民間外交活動となっています。
5日間にわたり開催された2025年フェスティバルは、過去を現在へとつなぎ、創造性を市民に近づけ、そしてベトナム文化を世界の友人たちへと近づける架け橋となりました。 開会式では、ベトナム手工芸品コンテストおよびハノイ伝統工芸村コンテスト2025で優れた成績を収めた作者・職人たちに表彰が行われました。彼らは、手工芸という長い物語をこれからも紡ぎ続ける存在です。
千年の文化層を抱くタンロン皇城から、フェスティバルは力強いメッセージを発信しています。遺産を守ることは、共同体の記憶を保存することであり、創造とは遺産を現代の生活の中で生き続けさせる道である、ということです。
2025年国際伝統工芸村保存・発展フェスティバルは、伝統的価値を称えるだけでなく、文化・経済・創造が交わり、世界の文化地図の中で自信をもって歩む、持続可能で国際的なベトナムの未来を描き出しています。









