ホーおじさんの名を冠する都市50周年:ニャロン埠頭
サイゴン川のほとりに位置するニャロン埠頭は、ホーチミン市で最も有名な歴史的名所のひとつです。 115年前、まさにこの場所から、愛国心に燃える若きグエン・タット・タインが祖国を救う道を求めて旅立ち、 ベトナム民族を独立と自由へと導く長い道を切り開いたのです。
カインホイ橋の上に立ち、陽光にきらめくサイゴン川を見下ろしながら、ニャロン埠頭の方向を見つめました。そこは、ホーチミン市の現代的な喧騒の中で、まるで時の流れが静かに止まったかのようでした。 百年以上前の1911年6月5日、当時はヴァン・バと名乗っていた若きグエン・タット・タインがアミラル・ラトゥーシュ・トレヴィル号に乗り込み、祖国を救う旅へと出発した時と変わらず、波は今もなお、容赦なく港を叩き続けていました。
この川岸から、彼は幾つもの大陸を巡り、民族解放の道を探し求めました。 その旅は、一人の人生を変えただけでなく、ベトナムの歴史に新たな章を開きました。 だからこそ、ニャロン埠頭は単なる川沿いの建築物ではなく、 ベトナム民族の独立と自由への渇望、そして未来へと向かう不屈の意志を象徴する場所なのです。
現在、ニャロン埠頭はホー・チ・ミン博物館のホーチミン市分館が置かれている場所です。 この歴史的な建物の内部には、ホー・チ・ミン主席の生涯と業績を紹介する9つの常設展示室が設けられています。 博物館には2万3千点を超える文書や遺物が収蔵されており、そのうち4千点以上が原資料で、歴史的価値の高い貴重なコレクションも多数含まれています。
来館者の流れに沿って歩きながら、若いガイドたちが語る物語に耳を傾けました。 展示された一つひとつの展示品、写真、文書が、ホー・チ・ミン主席の祖国救済の旅路、革命活動の歩み、そしてベトナム民族にもたらした偉大な貢献を再現するのに役立っていました。
歴史をより身近に感じてもらうために、近年、ホー・チ・ミン博物館 - ホーチミン市分館では、テクノロジーの導入とデジタル化を積極的に進めてきました。 2024年には、社会貢献型のリソースを活用した展示スペースのデジタル化プロジェクトを展開し、一般の人々が遠隔地からも文書や展示品にアクセスできるようにしました。 現在までに、ホー・チ・ミン主席に関する15,600点以上の文書や展示品、約2,900冊の書籍がデジタル化され、国内外の人々に歴史遺産の価値を広く伝えることに貢献しています。
ニャロン埠頭は単なる観光地であるだけでなく、ホーチミン市における重要な伝統教育の拠点でもあります。ここでは政治イベントや歴史教育、党や青年同盟への入党式、ホー・チ・ミン主席への業績報告式、その他多くの感謝の集いなどが定期的に行われ、若い世代に祖国への愛と誇りを育むことに寄与しています。 ニャロン埠頭を後にして、私はサイゴン川を振り返りました。その川は今も変わらず静かに広大な海へと流れ込んでいました。若きグエン・タット・タインが祖国を救う道を求めて旅立ってから、すでに一世紀以上が経ったが、この場所は今も特別な歴史的建造物としての価値を保っでいます。活気に満ちた現代のホーチミン市にあって、ニャロン埠頭はまるで記憶の錨として、ベトナム民族の運命を変えたあの旅路を私たちに思い起こさせてくれます。
文:トン・ハイ 撮影:トン・ハイ/ベトナムフォトジャーナル、ザン・ソンドンと資料








