ホアビン省のムオン文化を探訪
ハノイ市の南西約70キロメートルにあるホアビン省は、ムオン族が暮らす「叙事詩の地」として知られています。ここのムオン族は何世代にもわたって、豊かでユニークな文化的宝物を創り出し、ベトナム民族の文化的アイデンティティーを豊かにすることに貢献してきました。
ムオンの文化的アイデンティティの痕跡
ホアビン省はムオン族の発祥の地と考えられており、ムオンビ(タンラック県)、ムオンヴァン(ラックソン県)、ムオンタン(カオフォン県)、ムオンドン(ラックソン県)の4つの主要なムオン地域が有名です。
ムオン族はホアビン省に古くから住んでいる先住民族です。長い歴史の過程を経て、ムオン文化は地域社会の生活の中で形成され、発展してきました。ムオンの文化は風俗、習慣、信仰に明確に表現されています。ムオン族の多くの独特な芸術的および文化的価値観は今でも存在しており、ベトナム民族の文化的宝物として高く評価されています。
ホアビン省タンラック県のムオン族の夏祭りは、水稲農業に関連した祭りで、神への敬意とムオンを確立した人々への追悼の意味を持つ古代ベトナム文明の痕跡が数多く残り、すべてが順調に発展し、豊かな収穫と人生が豊かで幸せになるようにという意味を持っています。
ムオンの文化を語るとき、彼らの生活空間、特に高床式住宅文化に触れないわけにはいきません。カオフォン県ビンタイン村ザンモー集落では、ムオン族の人々が伝統的な建築の高床式家屋に住んでいます。現在、村全体には100軒を超える美しく古くから伝わる高床式家屋が建っています。
ムオン文化の保存への努力が評価され、2020年にヴー・ドック・ヒュウ画家は全州市(韓国)が主催する全州国際賞を受賞しました。この賞は、世界中のすべての観客に向けて無形文化遺産を促進、保存する活動を奨励し、促進することを目的としています。
ムオン文化空間博物館にあるラン家 - ムオン文化に関するベトナム初の私立博物館。
撮影:タイン・ザン/ベトナムフォトジャーナル
ムオンの文化的価値を保存・推進
現在、時間と生活の影響により、ムオン族の多くの文化的価値が失われる危険にさらされています。このような状況直面して、ホアビン省は文化的価値を効果的に保存し、促進するために多くの措置を講じてきました。
近年、ラックソン県はムオンの文化的価値の保存と促進に尽力し、国民的アイデンティティに富んだ健全な文化環境を構築し、ムオンの人々の歴史的伝統に関する教育に貢献しています。
ラックソン県のクエットタン高校では、2019年からムオンの文化的アイデンティティを保存するクラブを設立しました。さらに、クラブは会員向けにムオン文字の指導も企画しています。
2023年、ホアビン省はムオン族の文化的価値と「ホアビン文化」の研究、保存、推進を2023年から2030年まで継続するプロジェクトを発表したことが知られています。ムオン族の文化遺産と優れた伝統の価値を高め、ホアビンの土地と人々の宣伝と紹介に貢献し、国内外の観光客を魅了するユニークな観光商品を構築します。
近い将来、ホアビン省は、首相に提出する国家特別遺跡に指定に必要な書類を作成し、ユネスコの人類文化遺産リスト掲載に向けて、ラックソン県の国定遺跡チャイ洞窟(タンラップ村)とヴァイン村の石屋根(イエンフー村)の補修と景観の修復に重点を置く予定です。