ヌイ・チュア、世界の新しい生物圏保護区

ヌイ・チュア、世界の新しい生物圏保護区

3-in-1生物圏保護区の特別さ

ヌイ・チュア生物圏保護区はヌイ・チュア国立公園に属し、総面積は10万6646ヘクタールを超え、ニン・ハイ省とトゥアン・バック省の2つの地区に跨り、ニン・トゥアン省のファン・ザン−タップ・チャム市から北東に約30キロメートル離れています。

多様な陸生動物が生息してるヌイチュア生物圏保護区

撮影:ヌイ・チュア国立公園の資料

 

この保護区は森林地域、海域、半砂漠地域の三つの要素からなる非常に特殊な地形構造を持っています。この地域はベトナムで最も過酷な気候で、年間を通じて降雨量が少なく、暑い気候です。この種の乾燥した天候が特定の動植物の生態系を生み出しました。そのため、サボテン、トラムひょうたんの木など干ばつや耐熱性植物の多くの種があります。したがって、ヌイ・チュア生物圏保護区はベトナムで唯一の「とげのある草原」と見なされています。


植物相が非常に多様であるヌイチュア生物圏保護区。撮影:ヌイ・チュア国立公園の資料

 

2021年9月13日から17日にナイジェリアで開催された人間と生物圏計画に関する国際調整評議会(CIC-MAB)の第33回会議でベトナムの二つの生物圏保護区、ニン・トゥアン省のヌイ・チュアとザ・ライ省のコン・ハ・ヌンはユネスコによって世界生物圏保護区として公式に認定され、ベトナムの世界生物圏保護区の総数は11となった。

 

森だけでなく、この地域を取り巻く40キロメートルの海岸線のおかげで、ここでは海洋動植物も非常に豊かです。この場所には毎年定期的に産卵するウミガメが生息し、350種の国内最大の沿岸サンゴ礁があります。さらに、ヌイ・チュア生物圏保護区はビン・ティエン、ヌオック・ゴット、山、青い海、白い砂浜、美しい日差しの自然な風景を作り出すチュオイ・ビーチ、トゥン・ビーチ、曲がりくねった砂丘のあるケン・ビーチなど、中央地域で最も美しく手付かずのビーチがたくさんあることでも有名です。


岩はヌイチュア生物圏保護区に自然に配置されています。

撮影:ベトナムフォトジャーナル

調査結果によると、ヌイ・チュア生物圏保護区には現在1,514種の植物が生息し、そのうち54種がベトナムレッドブックと世界レッドリストに記録されている。動物相も多様で、ベトナムレッドブックと世界レッドリストに記載されている48種の希少種を含む766種がある。特に、この場所にはクロアシドゥクラングール、シルバーバックラングールなど、厳密に保存されている国際的に重要な珍しい貴重な動物がたくさんいる。


保護区の緩衝地帯周辺にはラグライ族、チャム族、中国人などの先住民族も住んでいます。彼らは長い間ここで暮らし、豊かで多様な文化的アイデンティティを持ち、製塩、玉ねぎやにんにくの栽培、家畜の飼育、民族楽器の製作など、さまざまな職業で生計を立てているため、地域で独特の住民共同体を形成しています。


 

森だけでなく、この地域を取り巻く40キロメートルの海岸線のおかげで、ここでは海洋動植物も非常に豊かです。この場所には毎年定期的に産卵するウミガメが生息し、350種の国内最大の沿岸サンゴ礁があります。

これらの特別な価値により、2021年9月15日、ヌイ・チュア国立公園はユネスコから世界の生物圏保護区として正式に認定されました。このイベントについて、ヌイ・チュア国立公園のチャン・ヴァン・ティエップ所長は喜びを隠さずに「ユネスコがヌイ・チュア生物圏保護区を認定したと聞いたとき、このことはここでの研究機能をサポートするリソース、および先住民文化の保護におけるニン・トゥアン省をはじめ、ベトナムのすべての努力に対する世界の名誉と認識を表すものであり、非常に興奮し、幸せを感じました」と述べました。

ヌイ・チュアで観察できるウミガメの出産。

撮影:ヌイ・チュア国立公園の資料


調査結果によると、ヌイ・チュア生物圏保護区には現在1,514種の植物が生息し、そのうち54種がベトナムレッドブックと世界レッドリストに記録されている。動物相も多様で、ベトナムレッドブックと世界レッドリストに記載されている48種の希少種を含む766種がある。特に、この場所にはクロアシドゥクラングール、シルバーバックラングールなど、厳密に保存されている国際的に重要な珍しい貴重な動物がたくさんいる。


ニン・トゥアン省の印象的な目的地

ニン・トゥアン省はユネスコに認定された直後に、生物圏保護区に関する情報と宣伝を迅速に強化および促進し、生物圏保護区の管理に最適な条件を作成し、生物多様性の価値の持続可能な保全の方向にある地元の目的地になるようヌイ・チュア世界生物圏保護区を魅力的なものに発展させるための管理委員会を設立しました。


ヌイチュア海の風景である急な崖。

撮影:ベトナムフォトジャーナル

それに従い、ニン・トゥアン省は森林と海洋の生態系を保護および回復するための解決方法を同期的に推進しているだけでなく、多くの研究プロジェクトを実施し、植物種と新しい動物のリストを調査および補足しています。現在、ヌイ・チュア世界生物圏保護区管理委員会は希少な遺伝資源を保護および開発するために、植物園、育成園、海洋生物救助地域のシステムを構築および改善させ続けています。


 

 

ニン・トゥアン省は天然資源の保護と開発と並行して、ヌイ・チュア国立公園への観光客を受け入れる活動の開発を促進することに焦点を当て、観光客を魅了するために観光の種類とアクティビティの多様化を行っています。その中には、例えば共同体のエコツーリズム、自然保護に関連する観光そして体験観光などがあります。

共同体エコツーリズムでは、ヌイ・チュア世界生物圏保護区を訪れた人々はラグレイ、チャム、中国人などの先住民の共同体を訪問し、その文化活動、習慣を理解するという思い出に残る体験ができるでしょう。ここでは、自然に近いシンプルな生活に浸り、手工芸品を手に取ったり、地元の人々が森の果物から作った製品を楽しんだりします。


 

 

 

学生や野生生物愛好家を対象としたツアーは自然保護、教育、経験に関連したコンテンツを持っています。訪問した人々は国立公園での海洋保護と海洋救助活動について理解できます。また、塩作り、玉ねぎやにんにくの栽培などの日常生活に参加し、住民の生活を体験することもできます。

観光客にとっても非常に魅力的なもう一つのタイプの観光は、高さ千メートルを超えるチュア山の頂上までハイキングしたり、公園で一晩キャンプしたり、田舎生活に浸ったり、地元の人々の生活を理解する体験活動の観光です。これらの体験ツアーに参加した人々はこの手付かずの土地を探索する旅の間、地元のガイドに案内、サポートされるので非常に興味深いものとなるでしょう。


 

 

特に保護区に来ると、訪問者は美しい手付かずのビーチを探索したり、澄んだ青い海に浸ったり、色とりどりのサンゴ礁を見るためにスキューバダイビングをしたりする機会があります。

ヌイ・チュア世界生物圏保護区はまた、雄大で幻想的な風景のハン・ライ洞窟があり、自然に愛された美しい場所となっています。ハン・ライ洞窟は自然の驚異「海の滝」に例えられます。何千年にもわたる地質テクトニクスにより、ハン・ライ洞窟は石灰化した古代の珊瑚礁からできていて、多くのユニークで異なる形をした壮大な2階建ての岩のビーチを形成しました。海の波が岩に跳ね上がったり引いたりして、海の上を流れる滝のようなイメージを作り出し、訪問者は自然の美しさに心を奪われます。

ユネスコがヌイ・チュア世界生物圏保護区を認定したことにより、ニン・トゥアン省が創造主から授けられた自然の宝物の保存と開発に投資し、世界がもう一つの生物圏保護区を持ち、そして観光客の印象的な訪問先が生まれた原動力となりました。

 

  • 文:ソン・ギア
  • 撮影:ベトナムフォトジャーナルとヌイ・チュア国立公園の資料
  • デザイン:チョン・ハイン
  • 翻訳者:ソング・タム・クエン

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