トゥ・ドゥック市、 ホーチミンの新たな発展の原動力

トゥ・ドゥック市、 ホーチミンの新たな発展の原動力

2021年1月1日、トゥ・ドゥック市はベトナム初の中央都市ホーチミン市内の都市として正式に設立されました。トゥ・ドゥック市の発展計画と方向性については、知識経済の先駆けとなる経済リーディングエリアとなり、2040年までに複合中心都市エリアを目指し、ホーチミン市及び南東部全域の発展を促進する原動力の創出に貢献します。


インフラの変化


地方の多くの若者と同じように、グエン・スアン・ソンさん(クアン・ガイ省出身)も仕事と地位を確立するための場所としてホーチミン市を選びました。2007年、ソンさんは大学進学のため故郷を離れサイゴンに来ました。大学を卒業後、トゥ・ドゥックを第二の故郷として選び、その後現在に至るまでこの地で生活し、キャリアを築いています。

 15年以上もトゥ・ドゥックに暮らしてきたソンさんは、この土地が一郊外であった頃からホーチミンそして全国初の「都市の中の都市」になるまでの急速な変化を数多く目にしてきました。開発の過程で、ソンさんが最も感銘を受けたのはトゥ・ドゥック都市の顔の大きな変化でした。



ソンさんは「初めてホーチミン市国家大学村(トゥ・ドゥック市リン・チュン区)に足を踏み入れた時、そこには学生や単純労働者に適した低家賃の老朽化した下宿がたくさんありました。当時、大学村全体には新しいプロジェクトや建設中の建物が数件しかなく、残りはほとんどが狭い平屋、いくつかの道端の市場、狭い道路でした。しかし現在、大学村は市内有数の最新科学技術研修センターとなっています。ホーチミンには都市の美学、インフラ、必要不可欠なサービスといった現代的な要素がすべて揃っています。おそらく今の世代の学生たちは、このような良い環境で勉強することにとても満足し、幸せに感じていることでしょう」と語っていました。
 

トゥ・ドゥックは、地理的位置とインフラストラクチャーにおいて多くのユニークで優れた強みを備えた若い都市です。したがって、トゥ・ドゥックは ホーチミン市の東の玄関口となり、南東部の省に隣接し、交通システムの投資と同時開発が進み、近隣の省との接続や経済発展への協力に非常に便利です。スオイ・ティエン観光地からベン・タイン(1区)までの地下鉄1号線が近い将来開通する予定で、環状道路3号線(ミー・フオック - タン・ヴァン - ニョン・チャック)、ホーチミン - ロン・タイン - ゾウ・ザイ高速道路、国道1A・国道1K、1区の中心部に接続するハノイ高速道路、タン・ソン・ニャット空港・ビン・タイン・ゴー・バップに接続するファム・ヴァン・ドン高速道路およびサイ・ゴン川 - ドン・ナイ川の水路ルートなどがあります。同時に、ここは複合輸送の流れを繋げることで貨物流通物流産業を発展させるために特に有利な地域でもあり、中でもカット・ライ港(カット・ライ区)は160ヘクタールヤード、2040メートルの埠頭を有し、現在ベトナムで最も規模が大きく近代的な港です。


トゥ・ドゥック市のノバランド住宅地。撮影:ザン・ソン・ドン

 近い将来、トゥ・ドゥック市がどの様に発展して欲しいかと尋ねられた時、ソンさんはトゥ・ドゥック市の交通システムを改善するために、ホーチミン市内初の近代的な都市鉄道である地下鉄1号線が出来る限り早く完成し、運行が開始されることを期待していると率直に述べました。 

おそらくソンさんのその願いは、トゥ・ドゥック市に住み働く多くの人々の共通の思いでもあるのでしょう。彼らは、トゥ・ドゥック市が近代的な多中心都市エリア、そして何よりも住みやすい都市に向けて、地元の可能性と内部資源に見合った強力な開発ステップを踏むことを期待しています。 

トゥ・ドゥック市のトゥ・ティエム公園で開催される2回目の
ホーチミン熱気球フェスティバル。
撮影:ザン・ソン・ドン

多中心都市圏を目指して


ホーチミンおよび南東部全域の新たな発展の原動力となるために、トゥ・ドゥック市が迅速、強力かつ持続的な発展を推進する尽力と希望を込めて、ホーチミン市人民委員会は2023年6月に2040年までのホーチミン市トゥ・ドゥック市の総合計画の評価と承認を求める報告書を首相に提出しました。 


 

それによると、トゥ・ドゥック市はホーチミン市直下第1級都市地域に指定され、創造的で高度にインタラクティブな都市モデルに沿って発展し、経済、科学技術、文化、教育、訓練におけるホーチミン市東部の中心地となります。トゥ・ドゥック市は知識経済、科学技術、開発協力に基づいて経済・社会・環境を発展させるために、ホーチミン市の都市の第4次産業革命の中核となるでしょう。 


そのためには、ホーチミン市はトゥ・ドゥック市を多中心都市圏に編成し、トゥ・ティエム地区に主要センターを一つ、チュオン・トー地区とロン・フオック地区に他の二つのセンターを置きます。特にトゥ・ティエム地区には投資が行われ、国際金融センターとして開発される予定です。チュオン・トー地区は行政、商業、サービスの中心地となり、理想的なインフラストラクチャーとハイテク管理を備えた居住、労働、休憩のための未来都市エリアのモデルとなります。ロン・フオック地区は生態学、研究、トレーニング、ハイテク生産の中心地となります。 

 上記の三つの主要なセンターに経済、創造性、イノベーションを刺激するために、トゥ・ドゥック市は開発が必要な10の主要分野も特定しました。トゥ・ティエム国際金融センター、カット・ライ~タイン・ミー・ロイ商業、港湾サービスおよび工業都市エリア、チュオン・トーの商業、文化、創造的でインタラクティブ性の高い都市エリア、タム・フー公園と市街地リン・チュンの先進的な生産、貿易、サービスの都市エリア、ホーチミン市のハイテク生産、サービス、訓練ゾーン、ロンビン市街地、歴史民族文化公園、ホーチミン市の市街地とロン・フゥオックの科学技術パーク、ロン・フゥオック - タム・ダーの環境に優しいハイテク都市エリア、ホーチミン市国家大学に属するエリアです。 

トゥ・ドゥックをダイナミックで現代的な多中心都市エリアの構築、開発に重点を置くことに加えて、都市の指導者は歴史的および文化的要因、トゥ・ドゥックの典型的で利用可能な観光の利点を保存し、促進することも忘れていません。例えば、スオイ・ティエン文化観光区(タン・フー区)、民族歴史文化公園(ロン・ビン区)、フエ・ギエム塔(アン・カイン区)、アオザイ博物館(ロン・フック区)、タム・ダ蓮の池(チュオン・タイン区)またはギガモール商業センター(ヒエップ・ビン・チャン区)、サ・ラアーバンパーク(アン・ロイ・ドン区、サラ市街地内)、ビンコム・トゥ・ドゥク(ビントー区)。これらは、トゥドゥクに観光客を惹きつける魅力的で印象的な観光地および文化的な場となるでしょう。 


文:ソン・ギア

撮影:グエン・ルアン―ベトナムフォトジャーナル、ザン・ソン・ソン―ベトナム通信社

訳者:ソン・タム・クエン




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