タンロン宮殿の宝物展
2002年から現在までタンロン皇城で発掘された最も代表的で独特な遺物を一般に紹介するために、ハノイ-タンロン遺産保護センターはキン・タイン研究所と協力して、展覧会「タンロン宮殿の宝物」を開催しました。
ハノイ-タンロン皇城の中心部は、首都タンロンの紫禁城と皇城の重要な現存する一部分です。ここは1010 年に建設され、1789 年まで存在していたダイ ベト国家の最大かつ最も重要な首都であり、李朝 (1010年~1225年)、陳朝 (1225年~1400年)、前黎朝(1427年~1527年)、漠朝(1527年~1597年)、中興黎朝(1597年~1789年)の王の権力の中心でした。
多くの王朝によって建設され、装飾されたハノイ-タンロン皇城遺産地区には、多くの独特で多様な文化的価値があり、アジアの主要な文化との収束と干渉の場所です。
2002年から現在に至るまで、この遺跡の考古学的発掘調査により、宮殿の薄い床、屋根裏部屋、地下に横たわる何百万もの遺物など多くの痕跡が発見されました。実物を展示することは過去千年以上にわたる首都タンロンの輝かしい歴史を具現する鮮明な証となります。
遺跡の中心部では陶器、金属加工品、木製家具、ガラス製品、その他の貴重な遺物などタンロン宮殿の多くの用具や物品を含む何百万もの考古学的遺物が発掘されました。
これらの中で最も重要で最も輝かしいのは、国王、王妃、皇族、および宮廷の生活のためにタンロン窯で作られた高級陶磁器や貴金属のコレクションです。ここに展示されているタンロン窯で作られた国宝の龍や泉の文字をあしらった薄い白磁の椀は製造技術の高さ、前黎朝の最高峰の高貴な美しさにおいて賞賛せずにはいられません。
これは、タンロン宮殿で使用された磁器の中で最も希少で独自性があり、ベトナムの歴史の中で実際に持っていた磁器製造技術の才能と技術レベルを示す最も明確で説得力のある画像です。これらはすべて、古代タンロン宮殿の宝物と見なされています。
今回の展覧会は三つのスペース、李王朝 と陳王朝の遺物を紹介するスペース、前黎朝と漠朝そして中興黎朝の遺物を紹介するスペース、そして初めて一般に紹介する遺物にスポットを当てたスペースで構成されています。
展示では、タンロン宮殿の用具や物品を代表する代表的で独自性のある陶磁器を優先して紹介しています。これらは王宮の日常生活から国王の饗宴、大祭日や誕生日の宮廷、国王の戴冠式まで、王宮の生活に欠かせない用具や物品です。また、李王朝の宮殿を再現した壁面や、旧宮の四季の美しさを壁面などに映し出された映像は独自性があり、傑出した展示空間となっています。
この展覧会のユニークな特徴は、訪れた人々がタンロン宮殿を使用して陶磁器の美しさと優雅さをよりよく認識できるように、初めて3Dマッピング・プロジェクション・テクノロジーが使われ、現物の独特な模様を再現したことです。3Dマッピング投影技術を使用し、静的および動的な表示方法の組み合わせたことで魅力的な効果を生み出し、一般の人々が王室の宝物の美しさと特別な価値を十分に感じるのに役立ちました。
展示スペースを訪れると、ここにある遺物の歴史的メッセージと文化的価値をある程度理解できます。 考古学の発見ほど多くはありませんが、古代のタンロン宮殿に秘められた非常に多様で独特な文化的ニュアンスとともに、様々な用具や物品についてより直感的な見方を一般の人々に一部提供します。
文:タオ・ヴィー
撮影:コン・ダット/ベトナムフォトジャーナル
訳者:ソン・タム・クエン