「チャム・ドー・ホ」トー族の文化的アイデンティティが染み込んだ民謡

「チャム・ドー・ホ」トー族の文化的アイデンティティが染み込んだ民謡

何世代にもわたって、民謡はトー族の血肉に深く結びつき浸透してきました。彼らの曲は内容が豊かで、様々な感情が反映されています。中でも「チャム・ドー・ホ」はトー族の春祭りで最も多く歌われる有名な民謡です。


山中に桃の花が咲くと春を祝う祭りを開くトー族。


トー族はタイン・ホア省の地に長い間一緒に住んでいる7つの民族グループの一つで、主にヌー・スアン県、ヌー・タイン県、タック・タイン県の山岳地帯に住んでいます。トー族の風習や生活習慣には休日やテトだけでなく、普段の生活においても非常に高い結束力と共同体意識があります。



トー族にとって最大のお祭りは春祭りです。毎年、桃の花がピンク色に染まるこの時期は、農作物の収穫の時期となります。トー族は悪霊や不運を追い払うために祭りを開く仕事を一時的に脇に置き、新年が天候に恵まれ、衣食も足り、幸せな村になるように祈ります。また、トー族の若者たちがデートし、出会い、民謡が再び演奏される機会でもあります。



トー族は晴天と春祭りの活気に満ちた雰囲気に酔いしれると、「チャム・ドー・ホ」という歌をよく歌います。その時、人々は通常二つのグループに分かれて歌います。最初は楽しく日常生活についてゆっくり歌います。次に歌詞は天地に対する人々の告白文に切り替わります。歌詞に合わせて太鼓や銅鑼がリズムを刻む時はラブソングを歌うときよりも速く叩きます。「チャム・ドー・ホ」は意味のない歌詞ですが、リズムがあり、韻を踏み、催促するように繰り返し歌われ、人々を熱烈に陶酔させる会話を促します。このような多くのラブソングの中で、民謡「チャム・ドー・ホ」は多くのトー族のカップルが恋に落ち、妻と夫になる架け橋となっています。



 

「チャム・ドー・ホ」を歌うと、トー族は歌に合わせて踊ります。 子守唄の踊り、田植えやカエル捕りなども古くからこの民謡と密接な関係にある踊りです。

タイン・ホア聖地は多くの独特な文化的特徴が残る場所です。民謡、民俗舞踊、パフォーマンス、ゲーム、楽器など、トー族の春の民俗祭りの美しさが人々によって保存され、独特の文化的景観の形成に貢献しています。


 

春の陽気の中で「チャム・ドー・ホ」という歌を歌うトー族。


文:ヴィエット・クオン/ベトナムフォトジャーナル
訳者:ソン・タム・クエン



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