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文化

リーソン島のトゥ・リンボートレー

トゥ・リン(四霊)ボートレースは祖国の領海を守ったホアン・サ諸島とチュオン・サ諸島の海兵隊(17世紀)に敬意を捧げるだけでなく、クアン・ガイのリーソン島の人々の海を征服するという願望を体現しています。4海里(約8 km)以上もの距離で競うことから、研究者よりベトナムで最も距離の長い伝統的なボートレースと認定されています。
トゥリンボートレースは
海を征服したいというリーソン島に住む人々の願望の具現化である。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックがまだ広がっていない時、国の無形文化遺産のトゥリンボートレース祭りが近づく頃にリーソンに来ると、至る所で賑やかな雰囲気を感じ取れます。アン・バン村とアン・ハイ村の集会所では村人が集まり、舟に装飾と塗装を行い、祭りの最後の準備を終えます。塩辛い海の味がする太陽と風の下で、トゥ・リンのボートの色はより鮮やかにきらめいています。誰もがボートレースが始まるのを心待ちにしています。

ボートレースに参加する前に、アム・リン寺(ホアンサ海兵隊の礼拝所)で
神様と先祖に敬意を表しトゥリンボートレースを開く許可をもらうアン・ヴィン村タイ集落第5チームの代表者。
撮影:チン・トン・ティエン/ベトナムフォトジャーナル

 

ボートレースの乗員は屈強で、海の仕事が得意。 各チームには18歳から55歳までの21〜24名の男性がおり、舵取り1人、水掻き1名(舟に水を掻き出す役割)と漕ぎ手で構成されている。
撮影:コン・ダット/ベトナムフォトジャーナル



チームのために衣装と装備を準備するアン・ヴィン村の長老たち。
撮影:チン・トン・ティエン/ベトナムフォトジャーナル



舟を競技場に降ろすアン・ヴィン村タイ集落の漕ぎ手たち。
撮影:チン・トン・ティエン/ベトナムフォトジャーナル



リーソン島の人々の歓声と激励を受ける各チーム。
撮影:チン・トン・ティエン/ベトナムフォトジャーナル



競技では4隻の舟が競い合い、それぞれの舟に4つの動物、龍・麒麟・亀・鳳の名前を付けていることが「トゥリンボートレース」と呼ばれる理由。
撮影:チン・トン・ティエン/ベトナムフォトジャーナル

 
リーソン島のボートレース祭りを国の無形文化遺産として認定を受けるための申請をしたのは、クアン・ガイ文化スポーツ観光局の元所長であるグエン・ダン・ヴ博士でした。ヴ氏は祭りが生まれた時期について「グエン王朝の命令に従ってホアンサ地域で開いた時から、リーソン島の村の人々は村間の競争に参加するために最強で泳ぎが最も上手な男を選びました。そして、この競技会でホアンサとチュオンサに行くのに最適な人を選らびました。このお祭りはリーソン島の氏族の記録にあるように、1827年以前に登場したに違いないと思います」と語りました。

ホアン・サ海兵隊は17世紀初頭にグエン朝政権によって名付けられた名前であり、海産物の開発、航路の観測、ホアン・サ島とチュオン・サ島の防衛と主権を示すための標識設置を任務としていた。多くの公式の史料によると、ホアンサ海兵隊はタンムイ(1631年)の年の前、すなわちグエン王朝第二代皇帝のグエン・フック・グエン帝(在位1613年~1635年)の下で生まれた。
グエン・ダン・ヴ氏はかつて「クアン・ガイ沿岸住民の民話」という本の中で、20ページを費やし、リーソンボートレースの経緯と意義を解説していますが、その中で次のように強調しました。「社会の強さを作り上げている信仰的要素から、リーソン島の人々は常に団結して繰り返し海に出ます。宗教的な信念を持って海を征服したいという願望が、リーソン島の人々をさらに前進させました」

リーソン島にはホアン・サの兵士の子孫と言われている13の氏族があります。72歳のファム・トーアイ・トゥエンさんはホアン・サ海兵隊の第7兵士だったファム・ヒュウ・ニャットの子孫で、リーソン文化に精通しています。彼によれば、リーソン島のトゥリンボートレースは単なるスポーツではなく、選ばれた舟が強さを象徴する生き物であるため、精神的でもあります。「舟にも魂があり、レースの勝ち負けの決定的要素です。新しい舟の製作と古い舟の修理は12月初旬に終える必要があります。その後、威厳のある古代の儀式に則った進水式を祝うために縁起の良い日を選ばなくてはなりません」とトゥエンさんは述べました。

トゥリンボートレースはチーム間のドラマティックな激しいレースだけでなく、各舟の特に頭と尾の洗練された装飾も魅力的です。この地の人々は装飾された舟が美しいほど、チームに幸運と興奮をもたらすと信じています。したがって、舟の塗装と装飾を担当する人は装飾に命を吹き込むことができる熟練した職人でなければなりません。

古い習慣によると、トゥリンボートレースには通常8隻の舟が出場します。 各舟は集落に属しており、「トゥリン(四霊)」(龍、麒麟、亀、鳳)のイメージに従って装飾が選ばれています。これらの舟は礼拝のために霊廟や寺院に置かれることがよくあります。レースに参加する前夜または翌朝早く、各舟の乗組員は自分たちの儀式に従って神々への供物を捧げます。


レースでは舟をより速く進めるためにリズミカルに漕ぐ漕ぎ手たち。
撮影:チン・トン・ティエン/ベトナムフォトジャーナル



レースでは舟をより速く進めるためにリズミカルに漕ぐ漕ぎ手たち。
撮影:チン・トン・ティエン/ベトナムフォトジャーナル



競技で最善を尽くした、アン・ヴィン村タイ集落の龍の舟で水を掻き出す役割のメンバー。



トゥリンボートレースでは競技エリア付近に集まりチームを応援するリーソンの漁師のすべての舟。
撮影:コン・ダット/ベトナムフォトジャーナル



レースチームを応援するために競技場付近に籠舟を漕ぎ出すリーソン島の漁師。
撮影:コン・ダット/ベトナムフォトジャーナル

 
リーソン島の人々によれば、ボートレースには屈強さと巧妙さの両方を必要としているためにメンバーを慎重に選ばれなければなりません。舟は細身で軽い形状になっているため、波の上をすばやく滑ることができます。以前は、各舟に14人の村の若者が乗っていましたが、最近では、ボートレースに参加したい人が多いため、通常、各舟に最大24人の男性が乗っています。各チームには頭に赤いスカーフが巻いた独自のユニフォームがあります。

ボートレースが開催されるたびに、海の雰囲気は活気にあふれ、応援の歓声、そしてゴールに早く飛び込もうとスピードを上げている漕ぎ手の姿があります。これは唯一のボートレースではありませんが、おそらく私たちの国で最大かつ最も歴史のあるボートレースです。通常、各地のレースは川で行われていますが、リーソン島では村の集会所がある海岸近くの海で開催されます。競技は海のコースを4周回で、全長は4海里を超えます。

したがって、リーソン島の人々にとって、トゥリンボートレースは共同体の伝統的なスポーツ活動のみならず、ユニークな文化的および宗教的美しさであり、地図や航路を測定し、標識を設置し、神聖な海と島々の主権を守るために海を渡ったホアン・サ兵士への気持ちを思い、沿岸住民が捧げる感謝でもあります。この問題について、リーソン県人民委員会のグエン・クオック・ヴィエット委員長は「団結はリーソンボートレース祭りで見られるものです。 そこでは、競争するだけでなく、リーソン島の若者が海に敬意を示し、ホアン・サ島の英雄的な兵士の子孫という光彩を放っています」と述べました。


クアン・ガイ省で新型コロナパンデミックがまだ発生していない2021年4月27日、リーソン島の人々は国の無形文化遺産のトゥリンボートレースを熱心に開催した。

文:コン・ダット
撮影:コン・ダット、トン・ティエン
(2021年4月27日より前に撮影された写真)

ソントゥタイ島の春の色

ソントゥタイ島の春の色

ソントゥタイ島村(カインホア省チュオンサ島地区に属する)の軍と住民は、本土からの訪問者を歓迎する準備を熱心に行います。嵐の真っ只中においても、この地の軍隊と人々は今も頑固に抵抗し、祖国の海と島々の主権をしっかりと守っています。

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