芸術

菩提樹の葉の刺繍絵

 

家族の伝統的な刺繍を愛しているクアン ・ティ・クックさん(ハノイ市ホアン ・マイ区リン ・ダム)は菩提樹の葉に刺繍を施した製品を発展させ続け、美的価値を高め、ベトナムのアイデンティティの価値を伝えています。

絵の細部を完成させるまでに10日近くかかる。

タイ・ビン省ヴー・トゥー県フック・タイン町の手刺繍村で生まれた彼女は子供の頃から母親に刺繍ステッチを教えられました。10歳の時、クックさんは一人で作品を完成させることができました。近年、機械や機械刺繍の技術が発達したことから、手刺繍職では収入を得ることができなくなり、刺繍枠を外さざるを得ない人も少なくありません。しかし、彼女は伝統的な手刺繍の真髄を守り伝え、さらに発展させたいと考えていたので、多くの3D刺繍の花の作品を作成し、オンライン刺繍クラスを開設しました。


 

2019年、ある生徒から葉に刺繍する方法を尋ねられ、彼女はこの新しい素材を試し始めました。菩提樹の葉が持つ意味を知った後、この新しい刺繍技術の開発に専念し始めました。

菩提樹の葉の刺繍に今でも使っている普通の刺繍糸。

クアン・ティー・クックさんは現在、トゥー・クック手刺繍トレーニングセンターの指導者であり、ベトナム手刺繍有限会社の取締役でもある。

クックさんは菩提樹の葉に絵を描く方法について「基本的には他の素材に刺繍をするときと同じ方法です。最初のステップはアイデアを見つけて紙にスケッチすることです。そしてアイデアを編集して模様を描き、葉に画像を印刷します。通常、布地に刺繍を施す作業は刺繍をする人の意向に合わせて調整しますが、菩提樹の葉の場合は、刺繍をする人が柔軟性を持って葉の質感に合わせて自分自身を変更させる必要があります。葉への刺繍は簡単ではなく、強くすると葉脈が裂けてしまいます。刺繍線は非常に細いことが多いため、葉のサイズは限られていて、非常に壊れやすく、破れやすく、少しの不注意で作品全体が損傷する可能性があります」と教えてくれました。


菩提樹の葉に刺繍を施すことは精神的に大きな意味を持つため、刺繍をするときは勤勉で、努力と細心の注意を払う必要があり、焦っては作品の価値を損ねることがあるとクックさんは言っていました。また、高度な技術が必要なので、すべての製品の価値や美しさを日々向上させていかなければならないと考えています。


 

彼女の作品の主なテーマは書の字で、製品には花や葉の模様をちりばめ、また蓮と魚、松鶴、龍、鳳凰などの風水の題材もあります。シンプルな刺繍製品でも少なくとも一日、複雑な製品を完成させるには二~四週間かかります。特に、彼女がこれまでに作った作品の中で最も難しい作品は仏像を刺繍した葉です。刺繍の工程が非常に精巧であるため、商品価格は40万ドンから数百万ドンと幅があります。彼女の菩提樹の葉の刺繍製品は主に式典の記念品として使用され、日本と米国にも製品を販売しています。






クックさんはより多くの人に刺繍で収入を得る機会をと提供するために、今でもオンライン刺繍クラスを開いていると言いました。しかし、彼女の主な願いは国の伝統的な刺繍工芸品を保存および発展させ、刺繍を愛し、刺繍の仕方を知っている何千人もの女性に手刺繍技術を広め、伝統的な刺繍職が失われないようにすることです。

シンプルな菩提樹の葉をユニークで価値のある芸術作品に変えたクックさんの巧みな手。

 文:ガン・ハー 写真:コン・ダット


top